「どうしてですか。現場の工場の人間だからと言って気楽な仕事ばかりで定時上がり、一方東京の本社の人間だからという理由で責任重大な仕事を押しつけられて毎夜毎夜残業続きなのに残業代は出ない。不公平でしょう。俺はもう東京来て丸4年ですよ。そろそろそっちに行ってもいいでしょう」
「いや、ここだと確かに気楽だけど、君のためにはならないさ」
「なぜ」
「ここにいると、指示待ち人間になってしまう」
「それこそ本望ですよ。俺は指示待ち人間として気楽に生きます」
「なに、若いうちの苦労は買ってでもするものさ」
「そんなものは知りません。俺は今、楽になりたいのです。だから池田さん(仮名)から言って下さいよ。そろそろ俺を現場に飛ばしたらどうかと」
「言ってもいいが、君の上司や先輩たちが反対するだろうね」
「どういう風に?」
「『お前がいなくなると、俺たちがラクできない』という風に」
「…」
何ということか。上司先輩たちから「若手のホープ」と言われ、いやまあそんな悪い気はしませんがねえはははと厚顔無恥にあぐらをかいていたらいつの間にかあらゆる仕事が俺に押し付けられていた。なるほどそういう事か。さすが俺より長く生きているだけあってうまいことしやがる。物事には必ず裏があるということですね。これを教訓としてこれからは目立たずコソコソとしてやがてやってくるであろう後輩に仕事を押しつけることにしよう。所詮俺も楽がしたいだけの俗物なのだ。
それにしても平社員の下っ端の俺が土曜出勤をしているというのに誰も来ないというのはどういうことだ。うーむ。誰かが言っていた、「仕事というのは必ず犠牲を伴う。みんなそれぞれのプライベートをちょっとずつちょっとずつ犠牲にするからこそ普通以上の効果が表れるのだ」という言葉が身に沁みよう。サラリーマンとなって4年、俺はあと何年サラリーマンをやるのだろう。
そんなわけで本日より始まるのは「裏東京毒探偵突撃古本屋」第6シリーズである。「東京23区津々浦々のBOOKOFF等を訪問する」という、常人なら理解不能キチガイならもっと理解不能なこの企画も今回で最後である。いや本当は前回第5シリーズで終わるはずだったのだが、まだ行ってないところが10店以上あることに気付いて急遽続行されたのである。
そもそもどうして俺は各BOOKOFF・古本市場を回るようになったか。一言で言えば「その方が俺に合っている」からであって、秋葉原のような常軌を逸した乱痴気騒ぎを繰り返す場所よりは駅前やら商店街やらロードサイドに点在する大型古本屋を毎週毎週一つ二つずつ訪問する方が俺の性に合っているのである。また当たり前の話だが経済的にも助かるし、芸術的に整備された東京の交通網を堪能でき、インターネットのおかげでどこにどの店があるかすぐにわかるわけだからこれを実行しない理由はないということで今に至るのである。また「一店一冊主義」を掲げ、2001年から現在までに購入した書籍の価格のみならず購入店まで全てを記録している俺にとってこの「裏東京毒探偵突撃古本屋」は一つの生き方であると言える。やはり趣味というのはもっと独自性があって然るべきだよ。というわけで関係ないこともないが何が「エウ゛ァ新劇場版」じゃ阿呆らしい。序だか破だか淫だか知らんが12年前にあんなふざけた終わり方をしよって今頃何を言うとるんじゃ。お前らも尻尾振ってどないするんじゃ。俺はかつてLAS(ラブでアスカ×シンジ)二次創作にのめりこんだ経験を持つが、またあのくだらん非ラブコメ描写が延々と繰り返されるだけならば誰が見るものか。俺のようにただひたすらラブコメのために常に最先端を走る人間(毎年日本ラブコメ大賞やっとるからね)にとってはああいう過去の遺産に頼りすがろうとする奴が我慢できんのですが、まあとにかくあんなもんラブコメでも何でもないから俺は見んよホンマ。
というわけで誰もいないのをいいことに適当にネットサーフィンして17時となり、会社を出て飛行機をチャーターして都営三田線日比谷駅、車内で立って本を読んでいると座席に座っている薄着の女の胸の谷間が見えてこちらも勃ってそう言えば4月から6月初めまで2週間に一回のペースで風俗に行っとったのに気が付けば一ヶ月も間が空いているなあと考えているとその薄着の女が俺を誘惑しようとしたので振り切って志村坂上駅で下車する。向かうは板橋区のBOOKOFF板橋前野店。時刻は18時前であり、行き交う夏服の人々と夕方の夏の匂いに26年目の夏を迎えたことを実感し、歩けば小豆沢公園が見え「赤羽」の看板が見える。方向反対やんけ。
というわけで浮浪者がたむろする(湖で服を洗っていた)見次公園を抜け首都高の高架をくぐり抜け、都道445号線を走りながら歩くとイズミヤが見え、その先にありました。で、よくわかりませんが写真を撮りました。
ああ、これからまた意味もわからずBOOKOFFの写真を撮る日々がはじまるのかと思うと憂鬱となりますがとにかく中に入り、小型店舗ではあるが入った感じはそんなに悪い印象ではない。「そんなに悪い印象ではない」というのは具体的にどう悪くないのかと言われてもこっちが聞きたいぐらいだが、というより品揃えはあまりいい方ではないのだが、我が購入戦線において妥協は一切許されないということで買ったのはこちら。日本ラブコメ大賞2009の、うーん20〜25位あたりかなあ。
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無事に店を出て、さてここからが問題である。「二鷹体制」によりもう一つのBOOKOFFに行かねばならんのだが、既に駅から15分も歩いている以上志村坂上駅に戻るのも阿呆らしいので別の駅まで歩くことにするが、では最寄りの駅はどこかと言うとここから都道445号線をまっすぐ20分ぐらい歩けば東武東上線の線路に辿り着くのでつまりこのデブにもっと歩けということなのである。平和な住宅地という表現がピッタリの土地の穏やかな土曜の夜に表れたのは兵庫県糞田舎からやって来た棺桶に両足を突っ込んだ天下の糞阿呆、途中「カメを探しています」という張り紙が目に入ったり聞いたこともない短大の建物に出くわしたりラーメン屋の前で縄跳びをしている子供に出くわしたり目が光っているように見える不気味な猫に出くわしたりして東武東上線上板橋駅に着いたのは19時40分頃であった。つくづく思うことだが俺は足が遅い。アレは早いのに。
東武東上線沿線で一番いい本屋と言えば何と言ってもBOOKOFF板橋成増店であろう。というわけで電車に乗り、車内は風俗嬢とキャバクラ嬢とストリップ嬢とそれらを引退した老婆らしき女四人プラス俺というよくわからん状況に驚愕しながら成増駅で下り、BOOKOFF板橋成増店。ここに来るのは…確か去年の年末以来ですな。
写真には写ってないがドアの横あたりで30前半と思われる眼鏡のブサイク女が煙草を吸いながら携帯電話で話をしていて、俺がその女の横を通った時女は「早くメシが食いたいんだよう」と言っていた。
というわけで盛りのついた諸君のようにして物色するわけである。しかし今日はあまりいいのがないねえ。いやまああるにはあるのだが、どうもこの裏東京毒探偵シリーズ一発目にもっていくには華がないものばかりである。やはり本を買うことを一生の趣味とするならば買う本についても個性というものがなくてはな。というわけでこれを買いましょう。20時29分、105円。
総務部総務課 山口六平太 3: 総務課はCIA!? (ビッグコミックス)
- 作者: 林律雄
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そんなわけで新シーズン一発目から愚痴だらけとなってしまいましたが、既に7月であり一年の半分を過ぎたわけでありもうこのまま年末まで勢いのままイってしまいますよということでごきげんよう。
あ、忘れてました。実はこれも買ったんでした。
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