SFアドベンチャー 1984.10月号[徳間書店]

 さて相変わらず幼稚園並みの読書感想文の時間である。いやお望みなら風俗体験ルポや古本市場AKIBAPLACE店追悼文や日本ラブコメ大賞事務局事務局長就任挨拶にしてもいいのだがとにかく今年の俺のテーマはResistance=抵抗なのであり俺を今にも地獄の業火で焼き尽くそうとする勢力(会社、会社の女どもの侮蔑の目、金、病気)に今まで平身低頭するしかなかった俺が上京四年目にしてついに反撃の狼煙を叫ぶのである。というわけでラブコメはもちろんそれ以外の本もどんどん読みまっせ。兵を養うこと千日、用いるは一朝にあり。
 というわけで前回に続き本書も神戸・三宮の超書店MANYOにて買ったものである(2007年9月25日17時44分)。この店にはSFアドベンチャーSFマガジン・奇想天外といった往年の国内SF雑誌のバックナンバーがあり、さかのぼること5年半前の2002年6月23日にSFアドベンチャー1980年2月号・奇想天外1980年2月号を購入して以来断続的に俺はこれらバックナンバーを購入し続けているのである。しかし今の糞ライトノベルスが幅をきかせているSF界など誰も相手にしない(と思いたい)というのにここ東京に移住して神保町の古本屋を探し回ってもこれらのバックナンバーがないというのはどういう事か。それじゃあ何か俺はSFアドベンチャーが欲しくなったらその度に三宮まで帰れというのか。それはそれで嬉しいがとにかくしっかりしやがれ。
 俺がSFアドベンチャーを好むのはこの雑誌には「SF」でもって読者を楽しませよう熱狂させようというエネルギーがとにかくほとばしっているからである。これがSFマガジンとなると海外SFが多いからか「楽しませよう」というよりは「こんなすごいSFがありますよ」という啓蒙的な感じがしてどうも俺の肌には合わんのである。言わばSFマガジンというのはエリートでありSFアドベンチャーは庶民なのであると俺の中ではイメージ化されておるがこのあたり諸君はどう思われますか。こういうとき同じ嗜好を持つ読書仲間というやつが欲しいですな。
 ヨコジュンのハチャハチャ小説やかんべむさしの「笑い宇宙の旅芸人」のような真面目なユーモア小説は今ではまずお目にかかれないので楽しいし、あらすじを読んだだけではさっぱりわからんがとにかく宇宙を舞台にしたハードロマンな雰囲気たっぷりの川又千秋亜人戦士」、SF的手法を使った純文学的香りのする笠井潔「エロティック・ルーレット」等とにかく面白く飽きずに一気に読めるこういうのを雑誌と言うのである。どうなんでしょう今のSF雑誌もこんな感じに面白いのですかねえ。俺もたまには読んでみようか。何せ今年の俺は今までの偏屈な俺にすら「抵抗」を試みるのだからな。
 しかしやはり24年前の雑誌であるから今では考えられないようなことも書いてあるのであって、「ファンジン」というまあ同人誌みたいなものに参加しませんかという掲示板コーナーがあるのだが何とその連絡先が完全に個人情報なのである。ばっちり何丁目何番地の何某までと住所が明記されており、いやはや牧歌的ですなあと妙に心が和む。俺もこの時代に24歳だったらよかったのかなあ。