千葉五番勝負(1)BOOKOFF行徳駅前店

 秋葉原や神保町のような超メジャーな場所に俺の居場所はない、俺にはもっと中途半端でスケールが小さくて居心地のいいところが必要なのだそうなのだだから「東京23区のブックオフを全て制覇したるぞ」と叫び、週1回のペースで23区を東西南北駆けずり回りいかんこのままではすぐに制覇してしまうと気付いて週1を2週に1としたがそれでもゴールはすぐそこに見えているので1ヶ月に1回として、それも結局あっという間に終えてしまって2010年が終わったわけであった。終わってしまったら次どうするんだ、もうブックオフには行かれへんのかと焦り、いつ死ぬかわからんのにそんなことを考えても無駄じゃ無駄と自慰をして風俗に行ってまた自慰をして2011年となってさてどうするかと考えて出た答えは東京が終わってしまったなら千葉へ行ったらええねんという何とも先送りでその場限りのものであった。まあしかし、正月明け早々また厄介な仕事と上司と先輩を押し付けられたりして本を読むことすらままならない俺は忙しいサラリーマンなのだから難しいことなど考えずどっか行ったらええねんといつものように悪魔が囁いた。
 ちなみに熱心な読者諸君にはおわかりのことと思うが俺の住んでいるところは東京と言ってもかなり千葉寄りで、その気になれば自転車でいつでも千葉に行くことができるのである。ならば千葉の東京寄りのブックオフ古本市場に行ってそこからまた東京に戻って楽しむことにすればいいのである。この「千葉・東京」コースというのはもしかしたら俺にとっては大変都合の良いものではないか。懸念があるとすればますます評判の良くなった「脱走と追跡の読書遍歴」「政局好色」「日本ラブコメ大賞」と反比例するようにブーイングの度が増すこの「裏東京毒探偵突撃古本屋」が千葉を舞台にしてまた延命されると知ったらどうなるかということだけだが、お前らみたいな女にモテて金があって健康な奴らに言われても知らんわいボケと言えば何とかなろう(ならんやろ)。
 というわけで朝起きて自慰もせず飯も食わず、洗濯物を干して布団を干して掃除をしてトイレ掃除もしてクリーニングにスーツ・Yシャツ類を出して午前は終わり、すっかり一人暮らしが板についてしまったなあ、俺ももうすぐ28歳か、やっぱり彼女とか結婚とかできなかったなあへへへへと実に気持ち悪い笑いを漂わせて家を出て歩いて歩いてメトロ東西線門前仲前駅より行徳駅まで行くわけである。門仲駅で電車を待っていると横にいる55歳くらいの金髪の皺だらけのオバハンが30歳ぐらいの男女に「そんなの、あたしのポケットマネーだよポケットマネー。げへへへ。ポケット2つあるからね。げへ。げへへへへ」と不吉に笑っていて、今日は何か悪いことでもあるのだろうかと心配になったが、行徳駅にはすぐ着いて南口を歩いて5分もしないうちにBOOKOFF行徳駅前店。

 日本ラブコメ大賞を読まれた方ならおわかりのように、本ブログで取り扱うラブコメと俺の戦いは出会った直後の数分、数十秒で勝負が決まってしまうという真剣勝負である。そうでもしなければ狂ったように膨大に溢れかえる漫画群、ライトノベル群の中から俺に見合ったラブコメを見つけることなどできんのだ。それに去年は1ヶ月に2回ブックオフ等に行くこともあったが今年は基本的に1ヶ月に1回のペースを考えているからハズレは極力避けなければならず、本棚を凝視する瞳も力強く、力強く鼻糞をほじりすぎて血が出そうになった。14時38分、350円。

彼と彼女の(オタク)2 (1) (バーズコミックス)

彼と彼女の(オタク)2 (1) (バーズコミックス)

 さてこれで今日のミッションは済んだのでこの後は秋葉原でも中野まんだらけでも五反田のブックオフでもどこでも行ってもいいが、最初なのでまあこの近くのブックオフに行くことにしよう、そうだ瑞江駅北口店がいいあそこはなぜかハズレがないからなと行徳駅に戻って松屋で大盛りカレーを食べながら考え、瑞江は江戸川区のそれこそ千葉寄りなのでここから歩いたらすぐだろうと北へ向かって歩いて15分ほどで千葉と東京の境である旧江戸川に着いた。

 写真を見ればわかるように真っ直ぐ100mか200m歩けばそこは東京なのに右左どこにも橋がなかった。よく見たら左の方に橋らしきものが見えるがどう見てもあそこまで歩くのに1km以上はあるなあ、うーんどうしようかなあと迷うも、こんな機会はそうあるわけでもないしダイエットにもなるしいいではないかとひたすら歩くことにしました。こういう時、俺はひきこもりにはなれんなあ、としみじみ思いますね。




 川沿いの道を30分ほど歩いてやっと今井橋の下まで着いたが橋の上に上がるところがないので川沿いの道を下りるとそこがどこかの鉄工所の裏で、まあさっさと通り抜けたらええやろと狭い路地を歩くと野良猫らしき黒色や白色の猫が3〜4匹いてそのうちのボス猫らしき灰色の毛をした猫がじっと俺を睨んで微動だにしなかった。なるほどこういう状況で「猫は何でも知っている」と言われると頷いてしまうなと思いながら県道50号線に出て今井橋を渡って東京に生還です。

 こうして県境を歩いてみると川の向こうが千葉でこっちが東京ですというのも奇妙なもんですな。だって川のあっちとそっちなだけやからねえ。それで「東京都民です」って言うのもねえ。
 それから新今井橋入り口の交差点から北東に歩けばすぐ瑞江、というわけにもいかずまたしても30分以上歩くはめになって大盛りカレーを腹に含んだ体ではさすがに疲れてきたが、日本ラブコメ大賞2011はもう始まっとるのだお前は女に不自由せず金にも健康にも恵まれた奴らに勝つのだそれには攻撃あるのみだと自らを奮い立たせ、そうは言ってもしんどいもんはしんどいねんと愚痴を吐き、スーパーの駐車場で警備員らしき男が軽自動車用の白線内に普通自動車を入れようとする車の運転手に怒鳴り散らしているのが聞こえ、ごみ置き場に「ここに粗大ゴミを置く不届者がいる」と書いた張り紙が見え、BOOKOFF瑞江駅北口店。

 さあ2011年もこの、店の写真を撮って載せるという意味不明の行為は続きます。もう最近はなぜそんなことをするのかと疑問を持つことすら疲れてきた。これがラブコメ政治耳鳴全日記だ裏東京毒探偵突撃古本屋なのだと思うことにすればいいじゃねえか16時32分、350円。
大平面の小さな罪 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

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 そういうわけで2011年もいよいよ本格的にスタートしました。今年も予測不能、理解不能、説明不能、安否不明のわけのわからん事件に巻き込まれることでしょう。それでは。

第6シリーズ 生命線(17)古本市場新小岩店

 2006年8月のある日、上京2年目社会人2年目の俺は東京23区に点在するブックオフ古本市場を長期間かけて1店1店訪ね歩くことを思い立ち、当時も地の利を生かして永田町・神保町・秋葉原を休日の度に堪能していたものの何か違うものを感じていた俺はその思いつきに飛びついた。その後の偶然と幸運と病気と被害妄想と自意識過剰の嵐の中でも俺は陰湿にねちっこくいやらしくその自分だけの楽しみに耽り、いつの間にか4年の歳月が経って今回がファイナルである。4年と言えば赤ん坊が幼稚園に入り、高校生が大学生になり、大学生が社会人になり、政権が交代し、人が何十万人と死ぬ恐るべき長い歳月である。その間何度も異動の話が出ながらも俺は東京から微動だにせず、大都会の片隅から真ん中を通ってまた片隅へと仕事にプライベートに充実した人生を送る諸君らを妬ましく憎らしく思いながら毒を撒き散らかしてここまで来たのであり皆さんには厚く御礼申し上げる次第であります。
 とは言うもののではもうブックオフ等には行かんのかそらええ気味じゃさっさと野垂れ死んでしまえけけけけけけという諸君の期待を裏切ってしまうが俺は陰湿でねちっこくいやらしくおまけに面倒臭がりなので今後も当然の如く徘徊することになるであろう。つい1ヶ月ぐらい前まではこの「裏東京毒探偵突撃古本屋」に取って変わる大型企画を色々と考えていたが、俺は忙しいサラリーマンなんじゃそんなもん考える暇なんぞあるか、「裏東京毒探偵突撃古本屋Ⅱ」にしときゃいいだよというわけでファイナルだとかぬかしておるが結局何一つ変わらんわけである。ちなみに「Ⅱ」ではブックオフ古本市場に限らず、東京に限らず、本屋にすら限らず色んなところに行きたいと思っておりますので、皆さんの意見を募集しております。「1日で大阪と東京と札幌のブックオフをまわれ」とか「日本で一番南にあるブックオフに行け」とか「岡山にある古本市場を全部まわれ」とかでもいいので、思いついた方はこのコメント欄かメールを下さい(メールアドレスは右横のプロフィールのところにあります)。
 で、やっと本題に入って今日起きたのは何時かというと15時過ぎであった。もちろんこれには理由があって、今時珍しい真面目サラリーマンである俺は上司先輩に付き合って最新の社内情報を聞き出し(会社の一般職女を牛耳っていた30代後半のAとBが最近仲違いをしてA派とB派に別れ、更に業務に支障が出るのかと思ったらむしろ仕事がスムーズにまわるようになった。お互い「自分達の方が仕事ができる」と思われたいかららしい)、家に帰ったのは3時で、その後すぐに寝て10時にそうだ昨日読み終えたあの本の読書感想文(脱走と追跡の読書遍歴)を書かんといかんということで飛び起きて12時前に完成してもうちょっと寝るかと思って最近寒くなったので毛布を出してぬくぬくとした世界に浸りきっていたら15時となっていたのである。これで奥さんと子供がいたら「全くもう休みだからってゴロゴロしすぎよ」とか言われるところであろうが、あいにく俺が結婚する確率は大河の一滴なのでそんなことを書いても虚しいだけなんじゃコラ馬鹿にすんなこの厚化粧の醜悪女め(以下略)。
 まあ気を取り直して図書館へ行ってしばし勉強をして(4人が座れる大きなテーブルがあって、俺が座って勉強を始めたとたん他の3人が次々と席を立った。なぜだ)、18時半頃失礼して向かうのはJR新小岩駅である。地下鉄では「APECのための特別厳戒態勢のため自動販売機の利用を中止しております」という張り紙が目についてまさに緊張感を醸し出しているが、時々見かける警察官や警備員は愚鈍そうに立っていたり歩いていて嫌々仕事をやっているのが手に取るようにわかった。やはり官僚は信用できんなと思いますが、詳しいことは「政局好色」で話すとして今はラブコメ狂いでお馴染みの俺が騒がしく雑然としたやや下品な街・新小岩駅に着いたわけであります。派遣労働者風の男たちやポン引きの男たちや一体普段は何をしているのだと疑いたくなる派手な服の女たちを横目に見て、平和橋通を南に歩けばすぐに古本市場新小岩店。

 ああ、店の外観を写すという意味不明の行為を今日もするわけですが、やはりブックオフより古本市場の方がいいですな。東京の人にはあまり馴染みがないでしょうが兵庫・大阪あたりだとブックオフ古本市場はほぼ対等でして、大学生の頃は大型古本屋と言えば古本市場まんだらけしか行かなかったことがあるくらいですからな俺は。しかしながら古本市場の品揃えというのはどうしていつもブックオフに劣るのでありましょう。しかもビニールにかけてあるから中身も確認できないので客はブックオフに流れてしまったのか、土曜の19時だというのに店内は閑散としていてまるで今は亡き古本市場AKIBAPLACE店のようであった。まあ俺が心配しても仕方がないのでこれでも買おう。19時52分、270円。

ふたりエッチ 38 (ジェッツコミックス)

ふたりエッチ 38 (ジェッツコミックス)

 ちなみに前巻37巻は去年の2月に古本市場西大島駅前店で買って36巻は一昨年9月に兵庫県糞田舎の古本市場魚住店で買っております。それぐらい俺の購入術というのは芸術的で哲学的なのだ。なぜそれが貴様にはわからんのだ恥を知れ(以下略)。新小岩駅まで戻って改札口のすぐ横にある松屋で大盛りカレーを食べて(俺が入った時はガラガラだったのに俺が座った直後に派遣労働者風の男たちが6人ぐらい入ってきて俺の両隣りに座って挟まれた格好になってごっつ食いにくかった)JR新小岩駅から飯田橋駅でメトロ東西線に乗り換えて降りたのは早稲田駅であります。早稲田駅の1番出口を出ればすぐにBOOKOFF早稲田駅前店が見えるが、2006年8月の俺は2番出口から出て何を思ったか夏目坂をひたすら上っていって、これは道を間違えたと思って引き返して今度は早稲田通を西へ歩いてまた間違えたと気付いて引き返したのであり今日は1番出口から出ようと思うがなぜか2番出口から出ていた。おお、この風景だ、4年前の土曜の夜に俺はここに来てそして今ここにまたこうしているのだとさすがの俺も感動してBOOKOFF早稲田駅前店。

 はて店内はこんなに狭かったかな。それに4年前は「本」と「DVD・CD・ゲーム」が隣り合わせで別々の建物にあったような気がするが、まあ4年以上かけて100以上のブックオフに行っているであろう俺の記憶違いかもしれん。なぜか有線では上品なジャズが流れていて、4年前のあの頃どういう訳か俺を可愛がってくれた係長がかなりジャズに詳しかったことを思い出した。都会風のスマートさを自然に醸し出していた係長は田舎者で鈍重である俺になぜか仕事のノウハウを教えてくれたのであり、また2年前に係長が辞めたからこそ俺は東京本社の戦力として現在まで東京に居座ることができたのだ。まあ長いこと生きていると色々なことがあります。350円、21時11分。
気弱なボクの最強交渉術! (MFコミックス)

気弱なボクの最強交渉術! (MFコミックス)

 さてこれで一応の区切りはつきました。残り少ない今年は永神秋門攻防戦2010冬を終わらせていよいよ日本ラブコメ大賞2010へと突き進むのみであります。というわけで皆さん急な寒さで風邪などひかぬよう気をつけてまた来週。

第6シリーズ 生命線(16)BOOKOFF練馬光が丘店

 さて「裏東京毒探偵突撃古本屋」の時間がやってきたわけであるがこの「裏東京毒探偵突撃古本屋」(ひらがなで書くと「うらとうきょうどくたんていとつげきふるほんや」)という阿呆らしい名前を考えたのは誰かというと俺である(当たり前か)。このような大言壮語のハリボテのごとき名前を4年の長きに渡り電子空間に撒き散らしてよく生きていられるなあと自分でも感心するが、まあ俺は阿呆なので別に構わない。もちろん本当に自分のことを「阿呆」と思っているから阿呆だと言っているわけではなくむしろいっぱい本を読むし政治にも詳しいのに自分から率先して阿呆と言う方が現代社会においては実は賢いのだという気持ちをこめてアホアホと言っとるのであって、だから何だと言われると困ってしまうが「お前いつも『裏東京』や『永神秋門』で最初愚痴から始めるやろ。あれやめい。たまには違うこと書け」と言われたのでいつもと違う視点で書いてみたまでであります。こんな私はやはり阿呆なのでしょうか抱く価値もないのでしょうか(意味不明)。
 そんなわけで本題に入りますが世間はすっかり秋となりましたがまだまだ夜は寝苦しい日が続いておりますが俺は生きておるのでありますのでやはり何らかの活動をしなければならないので今日もどこかのブックオフに行くのですが、そこはあなたがよく行くブックオフ古本市場なのかもしれませんそしてあなたは俺とすれ違ったばかりにこの電子空間において罵詈雑言を浴びせられ恋人に振られ急に面倒な仕事を押し付けられるのですうひひひひひひひひひひひひひというわけでまずは朝9時に起きるところを二度寝してしまって10時に起きて土曜出勤して昼飯は当然上司先輩に奢ってもらおうと思っていたのに皆弁当を持ってきていたりあらかじめコンビニでカップ麺を買ってきたりして俺は腹が立ったがこんなことで腹を立ててもしゃあないしなあでも何かなあと眠れぬ昼を過ごすことになったわけであり(やっぱり愚痴を言うとるわ)、しかし障害があるのならそれを武器にすればいいというポジティブ人間である俺は(どれくらいポジティブかというと俺以外のポジティブな奴は死んでしまえと思うくらいポジティブである)それを理由にしてふて腐れ、空いている会議室に入って寝て、その結果17時過ぎに退社するはずが18時半頃退社することになったのであります。もはや笑い話ではなく痛い話であるが、実は賢いのにこうやって自分から率先して(以下略)。
 ということで先ほど「本題に入りますが」と言っておきながらここからが本題となりまして、本日は都営大江戸線光が丘駅近くのブックオフに行くのですがそちら方面に行くとなればこれは中野のまんだらけに行かねばなりますまいというわけでまずはメトロ東西線中野駅で下りていつものようにまんだらけへ向かいます。


 ここへ来るまでにも様々な葛藤があったり(「土曜の夜にブックオフに行って家に帰って急いでブログ更新するのもなあ今日はおとなしく家に帰って明日昼ぐらいに行って夕方頃帰ってゆっくりブログ更新したらええんちゃうかなあ」「何を言うか俺はもはや社会や会社に臆病だったあの頃の俺ではないのだ明日は明日でやることがあるだろう大体土曜の夜に疲れたなんぞ言って惰眠を貪ってどうするというのだお前は仕事に趣味にと戦う社会人なのだ」)様々な事件があったのですが(電車で俺の目の前にいたカップルの女がやたらとキツイ香水の匂いを振りまいていたので露骨にしかめっ面をするとそのカップルの男の方が俺を睨んできたのでいや今からクシャミをしようと思ったのですと言わんばかりに嘘くさいクシャミをした)それはまたの機会にということで店内を物色し、はっきりと自分の意志と行動力で購入しなければならぬ、検察審査会などというわけのわからんものに振り回されてなるものかということでこちら。19時31分、315円。

オレたま 5―オレが地球を救うって!? (ジェッツコミックス)

オレたま 5―オレが地球を救うって!? (ジェッツコミックス)

 うへえもう19時半か。これからJR中野駅東中野駅都営大江戸線に乗り換えて光が丘駅まで行かなければならんので急がねばならん、なぜなら中野のまんだらけに行った後は必ずロッテリアに寄ることにしておるのだからなということでシェーキのバニラとからあげくん(?)みたいなやつを頼む(だから太るんだ)と、トレイについている紙にエウ゛ァの広告があったが、何やこのアスカの絵は。アホみたいに可愛いやないか。

 どれぐらい可愛いかと言うと「ラブプラス」の寧々とか「アマガミ」の棚町薫とか七咲逢とかと肩を並べるほどであって、いかん昔LAS(ラブなアスカ×シンジ)をキチガイのように漁っていた時を思い出してしまった。もういい加減DVDを買いに行くべきか。しかし13年前にあんなふざけた終わり方をしておきながらノコノコと買いに行けるかボケと思いながら電車に乗って寝てしまってあっという間に都営大江戸線終点・光が丘駅に着いて5番出口を出て団地が立ち並び電灯が少ない暗い道を都道443号線に向けて歩き出し、東京各地を訪れ時にはこのような夜はほとんど人気のない住宅地にまで来て一体何がしたかったのだ、兵庫県だろうが東京だろうが俺は変わらないということを実感したかったのかと普段考えもしない考え事に耽ってBOOKOFF練馬光が丘店。

 店の雰囲気まあまあ、品揃えまあまあで、色々ありますが別に不満というわけではありません、俺はただ分別をわきまえて生きていたいんですという今の俺の気持ちにぴったりの店ではないか。というわけでこれを買おう。21時3分、105円。
美味しんぼ (15) (小学館文庫)

美味しんぼ (15) (小学館文庫)

 東京MXで再放送している「美味しんぼ」はいよいよ来週から怒涛のラブコメ展開である二木まり子編がスタートであります。いやもう二木まり子編が見たくて今まで録画したみたいなもんだからね。楽しみですねえ。
 さて帰りは都道443号線をひたすら東に歩いて都営大江戸線練馬春日町駅まで歩いたわけでありますが、東京名物高層ビルもなく車もあまり通らず、木や葉の甘い匂いが夜風に誘われてきて非常に過ごしやすかった。久しぶりに秋を実感できた夜でしたというわけで今日はこのへんで。

特別編 裏京都毒探偵突撃古本屋(3)

 8月15日(日)の朝はまず9時頃起きて1階のレストランのようなところに入ってのバイキングから始まった。いつもいつも言っていることだが俺はこの「朝食バイキング」ほどゴージャスなものはないと思っているのでとにかくご飯だろうが卵焼きだろうがウインナーだろうがブロッコリーだろうがヨーグルトだろうが何でも腹に注ぎ込んだ。更にご飯に生卵をかけて混ぜ、醤油をかけようと席を立って醤油を取って席に戻ろうとすると新人らしき若い男の従業員が俺の皿を片付けようとするのが見えて、俺がこの野郎と言おうするとこれまた若い女の従業員が「ああ、駄目よ駄目」と言ったがその声が妙に艶かしく聞こえた(だからどうした)。
 さて部屋に戻って、今まで日曜の朝といえば「サンデープロジェクト」があるためホテルを出るのは12時前を余儀なくされたがサンプロもお亡くなりになってもう俺は自由の身である。しかしホテルに泊まれば「BSを自由に見ることができる」のであり、その特権を享受しないはずがない。新聞のTV欄を見れば10時からの「あの日(8月15日)の記憶」というのが面白そうなので結局今回も12時前に出ることとなった。とにかくこの時期はやたらと戦争ものが多いので「TVはニュースとアニメとドキュメンタリーしか見ない」俺にとっては数少ないTVと触れ合う時間である。内容はあの日(8月15日)にどこで何をしてどう思ったかを当時の人たちが振り返るもので、「正午に天皇陛下から大事な話がある」と聞かされて皆準備するも、当時貴重品だったラジオを所有している者はほとんどおらずまた実際に放送されたものは雑音がひどくて聞き取れず、放送が終わった直後は何が何やらさっぱりわからなかったがやがてジワリジワリと「戦争は終わった」「日本は負けた」という噂がどこからともなく聞こえてきて、ほとんどの人はその情報を受けつけることができず呆然とその日を過ごしたが、夜になっても空襲はなく、灯火管制のはずなのにあちらこちらから光が洩れてきてやっと戦争が終わったことを実感したということだった。
 11時40分頃に部屋を出てフロントに鍵を預けようとすると60前のおっさんが「お出かけですか。お預かりします」と話しかけてきたので「お。ほい」と言って渡すも、名札を見ると「支配人」と書かれてあった。天気は申し分ないほど晴れ渡り、約10時間に渡るロング・ランが始まりまずはJR京都駅。

 今回も他の地方都市と同じく基本的には地下鉄を使って移動するつもりですが、まずはJR京都駅から奈良線を使って六地蔵駅へ行こう。それにしても駅まで歩いている時も電車に乗っている時もやはり目立つのは外人が多いことで、別にそれはそれでいいのだがそもそもこの人たちは何をしに来ているのだ、そんなに優しくないだろう日本人はと思っていると俺の横に金髪の外人が乗ってきたが、よく見たら金髪なだけで日本人だった。わざわざ「じぇいあーるふじのもり」とひらがなで書かれた看板が妙な違和感を醸し出す駅を通り抜けて六地蔵駅に着いて、切符を入れたにも関わらず「切符を入れてください」という表示が出て通れなくなったので、駅員にその旨を言うと「ああ?ほな、ええわい」と不機嫌そのものの表情で追い出された。「ホンマあんたはしょうもないことばっかりするなあ」とよく母に叱られた子供の頃を思い出したが、とりあえず北に歩けばいいだろうと歩いてBOOKOFF京都六地蔵店。

 こういう事を言うと身も蓋もないですが別に俺はブックオフだろうが古本市場だろうがとりあえず新古書店に行くことができればそれでいいわけです。またブックオフについてもどこの店がいいとか悪いとかいうこだわりも特にないわけですね。品揃えなんてよほど特殊な土地でない限り似たりよったりなわけで、しかも俺は「1店1冊」を掲げてここまで生きてきたわけですから例え品揃えが良い店でもアレもコレも買うなんてことはしないのです。しかしこの店の品揃えは良かった。俺には本棚を一通り見て目ぼしいものを見つけると無意識に一つ二つ三つと指折り数える癖があるのですが、気が付いたら指5本とも開いた状態になっていました。13時5分、350円。

えむ×えす 上―MOTHER×SISTER (GAコミックス)

えむ×えす 上―MOTHER×SISTER (GAコミックス)

 さて次なる目的地へ行くわけですが写真にもチラリと写っているようにすぐ横に「イズミヤ」(イトーヨーカドーみたいなもの)があるので中に入ってトイレで小便をすませ、外に出ようとしてミニ広場のようなところをふと見るとTVを前にしてベンチに座っている人たちが見事に50〜60代の白髪の男ばかりであった(10人ぐらい)。日本の高齢化社会を象徴しているようで俺は戦慄した。
 桃山西尾交差点を右折して歩くとすぐ古本市場桃山店が見つかる。さすが俺だ、阿呆にも筋金入りの阿呆と中途半端な阿呆がいるとすれば俺は鉄筋コンクリート級の阿呆だうわははははは。

 古本市場ですねえ。東京だとブックオフが幅を利かせていますが関西ではブックオフ古本市場はほぼ互角で、俺はどちらかと言うと古本市場派なんですが、「あれだけブックオフの写真ばっかり撮ってそれはいかよ」と言われそうでいやあれはただそこに行った買った生きたことを何かの記録として残したいがために撮っているのであってそんなことを言ったら俺は写真厳禁の風俗嬢の写真を撮って(以下略)。
 さて品揃えの方は当然古本市場ですからブックオフよりは劣ります(これはなぜか断言できる)。しかしながら十年以上インターネットによる情報の洪水に抗い続けた俺には独特の嗅覚があるのであって、いかに言語明瞭意味不明瞭であっても必ずや見つけ出して13時54分、270円。
こはるの日々(1) (アフタヌーンKC)

こはるの日々(1) (アフタヌーンKC)

 時刻は14時前、朝食バイキングでたらふく人を食い太陽は俺を狙い打ちにして照りつけるので食欲はない。しかし無性にアイスクリームが欲しくなったので道路を挟んで向かい側にある「近鉄百貨店MOMO」というところで調達することにしよう。こちらは先ほどの無味乾燥な「イズミヤ」と違い華やかさもそれなりにあるが、所詮東京ではなく京都のデパートなので俺を不快にさせるほどではない。そしていわゆる「フードコート」的なところに行って普通のバニラのアイスクリームを頼むが、「300円」と言われ少し戸惑う。こういうのは150円とか200円じゃないのか(どうでもいい?そんなことはない)。
 次なる目的地は市営地下鉄東西線東野駅であるから六地蔵駅まで戻ってもいいが既にだいぶ歩いているので一つ先の石田駅まで歩くことにしよう。とりあえず山科川を北に歩けばいいようなので27歳のデブが帽子もかぶらずに歩き、樹々の穏やかな匂いと地の色が見える澄んだ川と遥か先に見える山々に思いを馳せている姿は非常に滑稽だと恥ずかしくなる。

 しばらく歩いていると髪も髭も伸ばしっぱなしの浮浪者が日陰にも入らずハサミと缶で何か作業しているのが見えた。そして10分以上歩いていると汗がびっしょりと湧いてきて、汗が目に入ってツーンとしてハンカチを持ってなかったので鞄の底にあったティッシュで目を拭ったが、そのティッシュは札幌でもらったあの選挙公報用のティッシュであった。ようやく石田駅に着いたが閑散として人の姿はなく、これまでしてきたように「地下鉄1日乗車券」を買おうとしたが値段は「1200円」であった。今まで日本各地の地下鉄へ足を運んだがこれは明らかに高いのではないかと思って横を見ると「トラフィカ京カード」というものがあって、こちらは1000円払えば1100円分乗れるというもので、1000円も1200円も同じではあるがそういうところにこだわるのが俺であり既に時刻は15時前でこれから地下鉄だけではなく阪急線にも乗ったりするのだから1200円以上使うかどうかわからんのでトラフィカ京カードを買うことにした。この判断は結果的に良かったと思うのですがあなたどう思いますか。
 東野駅に着いて改札を出るとすぐにブックオフの道案内の看板が目に入って俺の他に誰もいないので気にせず撮りました。徒歩5分?10分はかかったぜこの野郎。BOOKOFF京都山科西野店。


 品揃えが悪いわけではないが、どうも俺の好みとするものはないようでした。例えるなら「あの女は顔もまあまあだし性格も良いんだけど、ちょっとねえ」という感じでしょうか。ラノベ関係の棚をやる気もなく見ていたら(だってラブコメないもんねえ)12歳ぐらいの男子と40過ぎのいかつい男(おそらく父親)がいて、父親が「お前、何か本読め。このあたりやったらマンガとかやから読み易いやろう」と言っているようだった。そこで俺は「お父さん、そういうのが一番いかんのですよ。あくまで本人が読みたいと思った時に読ませないと、いつまで経っても嫌々本を読まされた記憶だけが残って大人になっても本を読むのが嫌になるだけですよ」と言ったが、聞こえてないようだった(恐らく心の中で言ったからだろう)。というわけでこちら。15時34分、350円。
謎の彼女X(5) (アフタヌーンKC)

謎の彼女X(5) (アフタヌーンKC)

 日本ラブコメ大賞2007・8位の作品であります。前巻4巻を買ったのは「裏横浜」の時で、どうだお前にこのような芸当ができるか、と言うことによって俺としては威張ることができるというか虚勢を張ることができるので(以下略)。
 東野駅に戻る途中俺の前を小学校低学年らしき姉妹二人が歩いていて、その二人が狭い歩道内をジグザグに走り回ってはしゃいでいたのでタイミングを窺いながら追い越すが、3分ほど歩くと前にいる35くらいの厚化粧女が俺を睨んでいた。と同時に後ろの小学生のどちらかが「お母さーん」というのが聞こえたからはあこいつが母親かと思っただけであったが、駅に戻って電車に揺られているとふとあの女は俺をロリコンか何かと思って睨んでいたということに気が付いた。あの糞アマめ俺のどこがロリコンだ、むしろ巨乳好き・熟女好きでロリコンになろうと思ってもなれんぐらいだというのに。
 三条京阪駅(市営地下鉄の駅名が「三条京阪駅」で、京阪線の駅名が「三条駅」)で降り、改札を出て少し歩けばBOOKOFF京都三条駅ビル店。

 この店は駅ビルの入り口に備え付けてあるエスカレーターを降りれば即店内になっているため閉め切られておらず、そのためクーラーがあまり効いていなかった。しかし俺は諦めることはない(何をだ)。そもそも8月の購入進撃はこの日限りなのだ、また9月まで暗く黒く白い陰険な生活が待っているのだから総力を挙げて「日本ラブコメ大賞2010」用の本を見つけなければ誰が俺に政治献金をしてくれよう(だいぶおかしくなっとるな)。16時48分、350円。
つゆだくめしべ (バンブーコミックス VITAMAN SELECT)

つゆだくめしべ (バンブーコミックス VITAMAN SELECT)

 えー、まもなく17時になろうとしているわけですが、まだ3拠点しか通過していません(六地蔵駅東野駅三条駅)。21時か22時にはホテルに戻りたいのであと5時間しかなく、これでは10連発が無理なのはもちろん最後の締めに行こうと思っていた河原町駅メロンブックスにも行けない可能性が出てきたので急遽予定を変更して今からメロンブックスへ向かいます。三条大橋を超えて三条通を歩いて河原町三条交差点を左折して河原町通を南に歩いてふと見えた松屋に入って大盛りカレーを食べて燃料補給をして(こういう時はやはりカレーですな)、松屋を出てすぐにある蛸薬師通を歩いて商店街(新京極通)を左折して浴衣姿の女を多々目にして、遠くで見ると華やかで目の保養になるのに近くで見るとなぜあんなにブサイクなのだろう目に悪いくらいだ、メロンブックスで目を洗うしかないな。メロンブックス京都店。


 写真を見てもあまりわからんでしょうがこら小っちゃい店ですわ。三宮のメロンブックスは横幅が狭くても奥行きが広いんですが、こっちは全く逆で横幅は広いんですが奥行きは全然ないですな。もう5〜6歩歩いたら終わりみたいな感じです。しかしこういう狭い中をエロ漫画がひしめいている空間というのはいいもので、まだオタクであることが背徳的であった頃のドキドキ感を思い出すことができよう。17時55分、1050円。
あまみドコロ (メガストアコミックスシリーズ No. 262)

あまみドコロ (メガストアコミックスシリーズ No. 262)

 うーむ。燃料補給じゃということでカレーを食ったはいいが食べたのは17時過ぎなので昼飯にしては遅すぎるし夕飯にしては早すぎるので非常に中途半端な気がして困惑し、阪急河原町駅から電車に乗ればいやでも「梅田・三宮方面」の文字が見えて更に困惑する。そらそうだここは京都なんだからなあ。ということはここから十三まで行ってそこから乗り換えたら三宮で、その先には我が実家があるんだよなあと無性に帰りたくなるが、今は一つでも多くの店に行って本を買わねばならずそれが終われば「裏京都毒探偵突撃古本屋」として毒にも薬にもならない報告レポートを首相官邸に提出しなければならんのであるからそのような甘っちょろい考えは捨てろと涙で頬を濡らしながら笑って阪急河原町駅から烏丸駅(「からすま」と読みます)、地下鉄烏丸線四条駅に乗り換えて鞍馬口駅で降りてトイレに入って大便をしたはいいが見事に便器から外れてしまった。BOOKOFF京都鞍馬口店。

 さあ18時を過ぎて今の俺は疲れているでしょうか。12時前にホテルを出て既に6時間が経過し足の方はそろそろ息切れしそうですが目の前に俺の生涯を有形無形に支援してくれてきたラブコメが牙をむいて待っているのですからこちらも槍で仕留めて火で焼いて食ってやらなければなりません(何を言っとるのだ)。とりあえずこの店もまあ品揃えは悪くないのですがちょっと俺とは趣味が違うかなあと言う感じで、それに加えて2階3階へと上る階段がやたらと高くてただでさえ6時間に及ぶ徒歩活動で疲れているのにこれはちょっとと不機嫌になるのが自分でもわかったのでこのように意味不明のことを書いてお茶を濁したのです(そんなんはええから早く書け)。18時59分、350円。
海の御先 5 (ジェッツコミックス)

海の御先 5 (ジェッツコミックス)

 日本ラブコメ大賞2008・24位の作品であります。今思うと順位はもうちょっと上でも良かったような気がするが、まあこういうのは作品自体の魅力の他に当時の状況とかもありますからな。
 というわけで鞍馬口駅に戻って烏丸線終点の国際会館駅で降りるが、乗客は俺を含めて10人もいなかった。そして暗い地上に出ると警察官がティッシュを持って立っていて、ティッシュには懸賞金のかかった殺人事件の犯人の似顔絵が描かれてあった。その犯人の似顔絵というのがまさしく表情のない冷酷な殺人鬼のようで、既に19時を過ぎた暗い歩道を歩いていると背筋が寒くなる。どうやら近くに同志社大学があるらしく、俺の目の前にはただ真っ暗な同志社大学のグラウンドがあるだけでそれがまた不気味だったが、やがて活気を帯びた「餃子の王将」から洩れる強い光が見えてきてそのすぐ隣がBOOKOFF京都宝ヶ池店。

 しかしまあ京都のブックオフさんは東京と違って店舗数は少ないもののどの店も中規模店なのでそれなりのレベルをちゃんと維持しており外れがないですな。京都、名古屋、札幌、横浜に住んでいる人はいいねえ。そして肝心の品揃えの方は最初の京都六地蔵店にはやや負けるもののなかなか良いものが揃っていて、特に今年まだ一度も買っていないラノベ関係でもやっとお互いに妥協できそうなものが見つかるが結局買ったのはこちら。20時9分、105円。 確かに本作は日本ラブコメ大賞2010の上位に食い込むものではあるが、別に今日ここで買わなければならないものではない。だが105円だったのだ。2009年3月発行のものが105円で売られているなんておかしいだろう、そしてそれを見逃す俺ではないだろう。
 えー、そのようなわけでもう既に20時を過ぎておりまするから、次に行くところが最後であります。そしてここで「トラフィカ京カード」の残額が150円になりましたから、以後現金払いへと解禁致したく存じます。市営地下鉄烏丸線国際会館駅に戻り、京都駅の一つ手前の五条駅で降り、1番出口を出てすぐにあるマクドナルドに入ってまたしてもアイスクリームが欲しくなった私はシェイクのバニラとコーラ、そしてどうせなら何か食おうしかしハンバーガーのような脂っこいものはいいですからプチパンケーキを食べまして、実はこの頃になるとだいぶ足に疲労がたまってきておりましてそれまでは「あなた(ラブコメ)の事を考えればそれでいいの」と言っていたのが「そうは言っても金(足の痛み)も大事だろう」と言うようになってきてまさに意味不明を体現しておりまして、駅を出て五条通を真っ直ぐ西へ向かえばいいものを何を勘違いしたか堀川五条交差点で右折して堀川通をひたすら歩いて「気が付いた時はもう駄目かと思いました。でもあなた(ラブコ(以下略)。BOOKOFF堀川五条店。

 しかしあれですな、ここまで実に7冊もの本を買っていますがいずれもラブコメ関係でそれはそれでいいんですが、ここらで何か非ラブコメ本も買っとかんと俺はただのラブコメ狂いのキチガイとして人々の記録と記憶に残ってしまうと心配になって偶然にもこの店では目ぼしいラブコメ関係はなかったので電話ボックスに駆け込んで「真面目な読書青年」に変身して買おう。21時31分、105円。
田中角栄の人を動かすスピーチ術 (講談社プラスアルファ文庫)

田中角栄の人を動かすスピーチ術 (講談社プラスアルファ文庫)

   
 その後本格的に足と腰が痛み出したが後はホテルに帰るだけだったので大したことはなかった。五条駅から京都駅まで一駅なのでいっそのこと歩いて帰ってやろうかと思うも股ズレまで起こり出したのでおとなしく電車で帰ることにした。ホテルの近くのローソンではまたアイスクリームを買い、サイダーを買い、昨日ホテル周辺は酔っ払った集団がやたらとたむろしていたが今日はほとんど人がいなかった。
 ホテルに着いたのは22時半頃で、BSかNHK教育で「敗戦とラジオ」というドキュメンタリーが放送されていた。戦後のNHKラジオが軍部と政府の宣伝機関という縛りから解放されて自由奔放に時の政治状況を風刺する番組を放送してそれをGHQも後押ししたが、日本の独立によりその番組はまたしても日本政府の圧力により終焉を迎えるというものであった。23時半頃風呂に入り、今日買ったものをパラパラと目を通してみようとして急に眠くなってきたので0時ちょうどに寝て、途中嫌な夢を見て起きたりしたがはっきりと起きた時は7時を過ぎていた。
 すぐに1階のレストランに下りて朝食バイキングを味わい、とにかくご飯だろうが卵焼きだろうがウインナーだろうがブロッコリーだろうがヨーグルトだろうが何でも腹に注ぎ込み、まだまだ行けるぞパンも食ってやれと思ったが、他の客が増え出したのでやめた。部屋に戻って下着類を鞄に押し込み、BSの海外ニュースを見るとイギリスBBCニュースは「連立政権の支持率が低下している」と言って、特に自民党の支持率が低下し、危機感を抱いた自民党は次の総選挙においても保守党と選挙協力はしないと表明したとのことだった。
 8時にホテルをチェックアウトして京都駅に向かう途中すれ違う人たちのほぼ半分はスーツ姿のサラリーマンであった。そうか今日は16日の月曜日で、俺は有給を取ったが他の人たちは昨日までが盆休みだったのだ。京都駅に着いて、今度は在来線で東へ行けるところまで行ってそれから新幹線に乗ろうかとも考えたが、結局京都駅から新幹線に乗ることにした。早く帰って「裏京都毒探偵突撃古本屋」を書かなければならないと思い、昨日のアイスクリームの食べ過ぎで下痢気味だったからだ。

特別編 裏京都毒探偵突撃古本屋(2)

 小田原駅17時41分発東京行きの「こだま」に乗るが、この日は14日でありまさに帰省から帰ってくる人たちで車内は大混雑であった。こういう混雑に巻き込まれないために14日に東京から離れ16日に東京へ帰るよう計画していたというのに何たることだ。しかし憤慨している暇はない、新横浜駅に着くのは17時57分でありそれから17時59分の新大阪行きの新幹線に乗らなければならんのであり、すぐに降りて恐らくホームが違うだろうから階段を下りてまた階段を上がって乗り込まなければならんのであり、デブ歴十何年、運動らしい運動から逃げ続けてきた俺が必死に走る姿は想像するだけで滑稽ではないか。しかしそんなことを言い出したら俺の人生全部滑稽になるので深くは追求せず本を読み始めたらあっという間に新横浜駅に着いたが、本を読んでいる間に出口付近は既に他の客によって占領されてしまっていた。ええい貴様らそんなに急ぐのか、出口付近にたむろしてそれでどうするのだ扉が開くと同時に降りてそれで終わりだろうが、俺には2分しか猶予がないんだぞと罵るも誰も聞いてなかった(恐らく心の中で罵ったからだろう)。扉がノロノロと開いてとにかく降りてすぐに階段があったのでダダダダと階段を下りて瞬時に「新大阪・博多方面」の看板が見えて急いで新大阪方面のホームへの階段を上ってホームに着いたと同時に待機していた新幹線の入り口扉が開いた。もちろん俺は自由席であるから1〜3号車だが、階段を駆け上がってすぐ見えた8号車の扉に押し入ってゆっくりと歩いて1号車へ向かう。ああ良かった良かった。1号車は席の3分の1が空いていたので座って文庫本を読み始め、眠くはなかったが明日に備えてやはり寝た方がいいかと思い目を閉じるといつの間にか本当に寝てしまった(よう寝る奴やな)。1時間ほどで起きて、本を読み、無事20時3分に京都駅に着いた。実家に帰る時で時間のある時は京都駅から市営地下鉄で烏丸駅まで行ってそれから阪急線で三宮まで行ったりもしたが、この京都駅の外に出てそしてホテルに泊まるというのは当然のことながら生まれて初めてだ。

 予想通り人が多いが、まあこんなものだろう。外人も多数見かけるが、東京よりちょっと多いぐらいで特に気にならない。というわけでさっさと本屋に行こう。一応「三省堂書店」があることぐらいは調べておいたが、烏丸口を出てグルリと見回しても10〜20代の若者たちがたむろしているだけで何も見つからず、とりあえずこいつら全員神風特攻隊に放り込んでしまえと指示して目に入った「京都タワー」のブックセンターというところに入る。

 京都タワーというものがどういうものか知らんがとりあえずタワーらしきものは聳え立っていて、その1階が土産物屋、2階がダイソー、そして3階がブックセンターであった。「ブックセンター」と言っても例えば八重洲ブックセンターとかジュンク堂書店とかをイメージしてはいけません。もっと田舎っぽい、イトーヨーカドーに入っているような本屋というか、まあそんな感じの店である。わざわざ京都まで来てそのような「中の中」或いは「中の下」みたいなところに入っても仕方ないと思うも、一方で俺はそういう「イトーヨカドー」的な庶民的な空間が大好物なのでこれはこれでありである。そもそも本屋で何を買いたいというのはないのだ、明日の「大型古本屋10連発」への準備練習と明日は古本屋ばかり行ってサラの本は買いませんのでせめて今日は買いますという謝罪が目的なのだからもっと小さい本屋でもいいわけである。そしていかにも本なんかこれっぽちも興味ありませんと言いそうな若者二人が「俺、哲学的なの買おうかな」「哲学?どんな?」「こうだったら救われるぜ、みたいな」と話すのを聞きながら適当に買おう。20時44分、999円。

 さてこれでホテルにチェックインして明日に備えてゆっくり寝ればいいのにやたらと動き回るのだからいかんのですが、何か食おうと思ってホテル周辺を歩くもオフィスビルとホテルばかりの中にたまに居酒屋があるだけで気軽に入れるところがなく、だいぶ歩いてようやく「すき家」と「餃子の王将」を見つけて東京では「餃子の王将」はほとんどないので「餃子の王将」に入って「駅前セット」(チャーハン・唐揚げ・餃子)を頼んだが、チャーハンと唐揚げが先に来て餃子は5分待っても来なかった。俺とほとんど同じタイミングで店に入って同じく駅前セットを頼んだ左隣の男の方を見ると男も餃子を待っているらしかった。まさか餃子だけ食うわけにもいかんのでチャーハンを半分食べたところでストップして、俺はカウンターに座っていたので厨房で働く従業員たちを睨みつけるも全く意に介してないようだった。そして俺の右隣にいるややデブの、就活中と思われる若い女は俺が席に着いた時から既に全て平らげ皿が空っぽとなっているのに10分以上じっと座っていた。やがて俺の左隣の男へ餃子が運ばれ、更に5分ほどしてやっと俺のところに餃子が運ばれてきたが、熱々の餃子と冷め切ったチャーハンでは所詮中途半端であった。おかげでコンビニでお菓子を買うはめになった(それは餃子の王将のせいとは言えないか。いや、せいにしよう)。
 ホテルに戻ってユニットバスと言ってもこれはないだろう小学生の女の子が入るのかと言いたくなる狭い風呂でシャワーを浴び、寝ようと思っても日中電車内であれだけ寝たのだから一向に眠くならず、普段見ることのできないBS放送を見ると「マンガ・戦場に行く」という内容の外国のコミックジャーナリズムについてのドキュメンタリーが放送されていた。外国の漫画家達が実際に戦争や内戦の現場に行き、それを漫画の形で伝えるというもので、ある漫画家の「漫画は子供のもので、読みやすい。それを利用して、悲惨な現実をより多くの人に知ってもらう」という言葉には力強いものがあった。また6チャンネル(ABC放送。東京で言うテレビ朝日)では「紙の爆弾」という内容の、日米双方が敵に投降を呼びかけるビラを大量に作成して戦場にばら撒いていたというドキュメンタリーが放送されていて、日本人がアメリカ兵士向けに配ったビラはそのほとんどが「あなたの妻が、恋人が、あなたがいない間に浮気している」というもので、「アメリカ人は個人主義なので国家よりも女のことについて言った方がいい」という当時の日本人の偏見が色濃く反映されているものだった。対する米軍のビラは「投降すればこんなに人間らしい生活が送れます」と書いたり、「あなたが死んで何になる。女と老人だけで日本を再建できるのか」と書いたりして巧妙に日本人の心を揺さぶり、おにぎりや寿司や卵焼きなどの絵が描かれたものもばら撒いていたということだった。同じ頃4チャンネル(MBS。東京で言うTBS)ではアニメをやっていて、ラブコメの匂いがしないでもなかったが、「主人公(男)は軟弱でお人好し、ヒロイン(女)は巨乳で最強の戦士」云々の、世界のラブコメ王である俺に言わせれば何かを勘違いしている内容でありそろそろ眠くなってきたので見るのをやめた。これが大学生の頃の俺ならば見たのだろうが、もう俺は27歳なのであれもこれもと手は出せない、まずは明日の「大型古本屋撃破10連発」を無事終えてからだ。