2006年8月のある日、上京2年目社会人2年目の俺は東京23区に点在するブックオフや古本市場を長期間かけて1店1店訪ね歩くことを思い立ち、当時も地の利を生かして永田町・神保町・秋葉原を休日の度に堪能していたものの何か違うものを感じていた俺はその思いつきに飛びついた。その後の偶然と幸運と病気と被害妄想と自意識過剰の嵐の中でも俺は陰湿にねちっこくいやらしくその自分だけの楽しみに耽り、いつの間にか4年の歳月が経って今回がファイナルである。4年と言えば赤ん坊が幼稚園に入り、高校生が大学生になり、大学生が社会人になり、政権が交代し、人が何十万人と死ぬ恐るべき長い歳月である。その間何度も異動の話が出ながらも俺は東京から微動だにせず、大都会の片隅から真ん中を通ってまた片隅へと仕事にプライベートに充実した人生を送る諸君らを妬ましく憎らしく思いながら毒を撒き散らかしてここまで来たのであり皆さんには厚く御礼申し上げる次第であります。
とは言うもののではもうブックオフ等には行かんのかそらええ気味じゃさっさと野垂れ死んでしまえけけけけけけという諸君の期待を裏切ってしまうが俺は陰湿でねちっこくいやらしくおまけに面倒臭がりなので今後も当然の如く徘徊することになるであろう。つい1ヶ月ぐらい前まではこの「裏東京毒探偵突撃古本屋」に取って変わる大型企画を色々と考えていたが、俺は忙しいサラリーマンなんじゃそんなもん考える暇なんぞあるか、「裏東京毒探偵突撃古本屋Ⅱ」にしときゃいいだよというわけでファイナルだとかぬかしておるが結局何一つ変わらんわけである。ちなみに「Ⅱ」ではブックオフ・古本市場に限らず、東京に限らず、本屋にすら限らず色んなところに行きたいと思っておりますので、皆さんの意見を募集しております。「1日で大阪と東京と札幌のブックオフをまわれ」とか「日本で一番南にあるブックオフに行け」とか「岡山にある古本市場を全部まわれ」とかでもいいので、思いついた方はこのコメント欄かメールを下さい(メールアドレスは右横のプロフィールのところにあります)。
で、やっと本題に入って今日起きたのは何時かというと15時過ぎであった。もちろんこれには理由があって、今時珍しい真面目サラリーマンである俺は上司先輩に付き合って最新の社内情報を聞き出し(会社の一般職女を牛耳っていた30代後半のAとBが最近仲違いをしてA派とB派に別れ、更に業務に支障が出るのかと思ったらむしろ仕事がスムーズにまわるようになった。お互い「自分達の方が仕事ができる」と思われたいかららしい)、家に帰ったのは3時で、その後すぐに寝て10時にそうだ昨日読み終えたあの本の読書感想文(脱走と追跡の読書遍歴)を書かんといかんということで飛び起きて12時前に完成してもうちょっと寝るかと思って最近寒くなったので毛布を出してぬくぬくとした世界に浸りきっていたら15時となっていたのである。これで奥さんと子供がいたら「全くもう休みだからってゴロゴロしすぎよ」とか言われるところであろうが、あいにく俺が結婚する確率は大河の一滴なのでそんなことを書いても虚しいだけなんじゃコラ馬鹿にすんなこの厚化粧の醜悪女め(以下略)。
まあ気を取り直して図書館へ行ってしばし勉強をして(4人が座れる大きなテーブルがあって、俺が座って勉強を始めたとたん他の3人が次々と席を立った。なぜだ)、18時半頃失礼して向かうのはJR新小岩駅である。地下鉄では「APECのための特別厳戒態勢のため自動販売機の利用を中止しております」という張り紙が目についてまさに緊張感を醸し出しているが、時々見かける警察官や警備員は愚鈍そうに立っていたり歩いていて嫌々仕事をやっているのが手に取るようにわかった。やはり官僚は信用できんなと思いますが、詳しいことは「政局好色」で話すとして今はラブコメ狂いでお馴染みの俺が騒がしく雑然としたやや下品な街・新小岩駅に着いたわけであります。派遣労働者風の男たちやポン引きの男たちや一体普段は何をしているのだと疑いたくなる派手な服の女たちを横目に見て、平和橋通を南に歩けばすぐに古本市場新小岩店。
ああ、店の外観を写すという意味不明の行為を今日もするわけですが、やはりブックオフより古本市場の方がいいですな。東京の人にはあまり馴染みがないでしょうが兵庫・大阪あたりだとブックオフと古本市場はほぼ対等でして、大学生の頃は大型古本屋と言えば古本市場とまんだらけしか行かなかったことがあるくらいですからな俺は。しかしながら古本市場の品揃えというのはどうしていつもブックオフに劣るのでありましょう。しかもビニールにかけてあるから中身も確認できないので客はブックオフに流れてしまったのか、土曜の19時だというのに店内は閑散としていてまるで今は亡き古本市場AKIBAPLACE店のようであった。まあ俺が心配しても仕方がないのでこれでも買おう。19時52分、270円。
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はて店内はこんなに狭かったかな。それに4年前は「本」と「DVD・CD・ゲーム」が隣り合わせで別々の建物にあったような気がするが、まあ4年以上かけて100以上のブックオフに行っているであろう俺の記憶違いかもしれん。なぜか有線では上品なジャズが流れていて、4年前のあの頃どういう訳か俺を可愛がってくれた係長がかなりジャズに詳しかったことを思い出した。都会風のスマートさを自然に醸し出していた係長は田舎者で鈍重である俺になぜか仕事のノウハウを教えてくれたのであり、また2年前に係長が辞めたからこそ俺は東京本社の戦力として現在まで東京に居座ることができたのだ。まあ長いこと生きていると色々なことがあります。350円、21時11分。
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