特別編 裏京都毒探偵突撃古本屋(3)

 8月15日(日)の朝はまず9時頃起きて1階のレストランのようなところに入ってのバイキングから始まった。いつもいつも言っていることだが俺はこの「朝食バイキング」ほどゴージャスなものはないと思っているのでとにかくご飯だろうが卵焼きだろうがウインナーだろうがブロッコリーだろうがヨーグルトだろうが何でも腹に注ぎ込んだ。更にご飯に生卵をかけて混ぜ、醤油をかけようと席を立って醤油を取って席に戻ろうとすると新人らしき若い男の従業員が俺の皿を片付けようとするのが見えて、俺がこの野郎と言おうするとこれまた若い女の従業員が「ああ、駄目よ駄目」と言ったがその声が妙に艶かしく聞こえた(だからどうした)。
 さて部屋に戻って、今まで日曜の朝といえば「サンデープロジェクト」があるためホテルを出るのは12時前を余儀なくされたがサンプロもお亡くなりになってもう俺は自由の身である。しかしホテルに泊まれば「BSを自由に見ることができる」のであり、その特権を享受しないはずがない。新聞のTV欄を見れば10時からの「あの日(8月15日)の記憶」というのが面白そうなので結局今回も12時前に出ることとなった。とにかくこの時期はやたらと戦争ものが多いので「TVはニュースとアニメとドキュメンタリーしか見ない」俺にとっては数少ないTVと触れ合う時間である。内容はあの日(8月15日)にどこで何をしてどう思ったかを当時の人たちが振り返るもので、「正午に天皇陛下から大事な話がある」と聞かされて皆準備するも、当時貴重品だったラジオを所有している者はほとんどおらずまた実際に放送されたものは雑音がひどくて聞き取れず、放送が終わった直後は何が何やらさっぱりわからなかったがやがてジワリジワリと「戦争は終わった」「日本は負けた」という噂がどこからともなく聞こえてきて、ほとんどの人はその情報を受けつけることができず呆然とその日を過ごしたが、夜になっても空襲はなく、灯火管制のはずなのにあちらこちらから光が洩れてきてやっと戦争が終わったことを実感したということだった。
 11時40分頃に部屋を出てフロントに鍵を預けようとすると60前のおっさんが「お出かけですか。お預かりします」と話しかけてきたので「お。ほい」と言って渡すも、名札を見ると「支配人」と書かれてあった。天気は申し分ないほど晴れ渡り、約10時間に渡るロング・ランが始まりまずはJR京都駅。

 今回も他の地方都市と同じく基本的には地下鉄を使って移動するつもりですが、まずはJR京都駅から奈良線を使って六地蔵駅へ行こう。それにしても駅まで歩いている時も電車に乗っている時もやはり目立つのは外人が多いことで、別にそれはそれでいいのだがそもそもこの人たちは何をしに来ているのだ、そんなに優しくないだろう日本人はと思っていると俺の横に金髪の外人が乗ってきたが、よく見たら金髪なだけで日本人だった。わざわざ「じぇいあーるふじのもり」とひらがなで書かれた看板が妙な違和感を醸し出す駅を通り抜けて六地蔵駅に着いて、切符を入れたにも関わらず「切符を入れてください」という表示が出て通れなくなったので、駅員にその旨を言うと「ああ?ほな、ええわい」と不機嫌そのものの表情で追い出された。「ホンマあんたはしょうもないことばっかりするなあ」とよく母に叱られた子供の頃を思い出したが、とりあえず北に歩けばいいだろうと歩いてBOOKOFF京都六地蔵店。

 こういう事を言うと身も蓋もないですが別に俺はブックオフだろうが古本市場だろうがとりあえず新古書店に行くことができればそれでいいわけです。またブックオフについてもどこの店がいいとか悪いとかいうこだわりも特にないわけですね。品揃えなんてよほど特殊な土地でない限り似たりよったりなわけで、しかも俺は「1店1冊」を掲げてここまで生きてきたわけですから例え品揃えが良い店でもアレもコレも買うなんてことはしないのです。しかしこの店の品揃えは良かった。俺には本棚を一通り見て目ぼしいものを見つけると無意識に一つ二つ三つと指折り数える癖があるのですが、気が付いたら指5本とも開いた状態になっていました。13時5分、350円。

えむ×えす 上―MOTHER×SISTER (GAコミックス)

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 さて次なる目的地へ行くわけですが写真にもチラリと写っているようにすぐ横に「イズミヤ」(イトーヨーカドーみたいなもの)があるので中に入ってトイレで小便をすませ、外に出ようとしてミニ広場のようなところをふと見るとTVを前にしてベンチに座っている人たちが見事に50〜60代の白髪の男ばかりであった(10人ぐらい)。日本の高齢化社会を象徴しているようで俺は戦慄した。
 桃山西尾交差点を右折して歩くとすぐ古本市場桃山店が見つかる。さすが俺だ、阿呆にも筋金入りの阿呆と中途半端な阿呆がいるとすれば俺は鉄筋コンクリート級の阿呆だうわははははは。

 古本市場ですねえ。東京だとブックオフが幅を利かせていますが関西ではブックオフ古本市場はほぼ互角で、俺はどちらかと言うと古本市場派なんですが、「あれだけブックオフの写真ばっかり撮ってそれはいかよ」と言われそうでいやあれはただそこに行った買った生きたことを何かの記録として残したいがために撮っているのであってそんなことを言ったら俺は写真厳禁の風俗嬢の写真を撮って(以下略)。
 さて品揃えの方は当然古本市場ですからブックオフよりは劣ります(これはなぜか断言できる)。しかしながら十年以上インターネットによる情報の洪水に抗い続けた俺には独特の嗅覚があるのであって、いかに言語明瞭意味不明瞭であっても必ずや見つけ出して13時54分、270円。
こはるの日々(1) (アフタヌーンKC)

こはるの日々(1) (アフタヌーンKC)

 時刻は14時前、朝食バイキングでたらふく人を食い太陽は俺を狙い打ちにして照りつけるので食欲はない。しかし無性にアイスクリームが欲しくなったので道路を挟んで向かい側にある「近鉄百貨店MOMO」というところで調達することにしよう。こちらは先ほどの無味乾燥な「イズミヤ」と違い華やかさもそれなりにあるが、所詮東京ではなく京都のデパートなので俺を不快にさせるほどではない。そしていわゆる「フードコート」的なところに行って普通のバニラのアイスクリームを頼むが、「300円」と言われ少し戸惑う。こういうのは150円とか200円じゃないのか(どうでもいい?そんなことはない)。
 次なる目的地は市営地下鉄東西線東野駅であるから六地蔵駅まで戻ってもいいが既にだいぶ歩いているので一つ先の石田駅まで歩くことにしよう。とりあえず山科川を北に歩けばいいようなので27歳のデブが帽子もかぶらずに歩き、樹々の穏やかな匂いと地の色が見える澄んだ川と遥か先に見える山々に思いを馳せている姿は非常に滑稽だと恥ずかしくなる。

 しばらく歩いていると髪も髭も伸ばしっぱなしの浮浪者が日陰にも入らずハサミと缶で何か作業しているのが見えた。そして10分以上歩いていると汗がびっしょりと湧いてきて、汗が目に入ってツーンとしてハンカチを持ってなかったので鞄の底にあったティッシュで目を拭ったが、そのティッシュは札幌でもらったあの選挙公報用のティッシュであった。ようやく石田駅に着いたが閑散として人の姿はなく、これまでしてきたように「地下鉄1日乗車券」を買おうとしたが値段は「1200円」であった。今まで日本各地の地下鉄へ足を運んだがこれは明らかに高いのではないかと思って横を見ると「トラフィカ京カード」というものがあって、こちらは1000円払えば1100円分乗れるというもので、1000円も1200円も同じではあるがそういうところにこだわるのが俺であり既に時刻は15時前でこれから地下鉄だけではなく阪急線にも乗ったりするのだから1200円以上使うかどうかわからんのでトラフィカ京カードを買うことにした。この判断は結果的に良かったと思うのですがあなたどう思いますか。
 東野駅に着いて改札を出るとすぐにブックオフの道案内の看板が目に入って俺の他に誰もいないので気にせず撮りました。徒歩5分?10分はかかったぜこの野郎。BOOKOFF京都山科西野店。


 品揃えが悪いわけではないが、どうも俺の好みとするものはないようでした。例えるなら「あの女は顔もまあまあだし性格も良いんだけど、ちょっとねえ」という感じでしょうか。ラノベ関係の棚をやる気もなく見ていたら(だってラブコメないもんねえ)12歳ぐらいの男子と40過ぎのいかつい男(おそらく父親)がいて、父親が「お前、何か本読め。このあたりやったらマンガとかやから読み易いやろう」と言っているようだった。そこで俺は「お父さん、そういうのが一番いかんのですよ。あくまで本人が読みたいと思った時に読ませないと、いつまで経っても嫌々本を読まされた記憶だけが残って大人になっても本を読むのが嫌になるだけですよ」と言ったが、聞こえてないようだった(恐らく心の中で言ったからだろう)。というわけでこちら。15時34分、350円。
謎の彼女X(5) (アフタヌーンKC)

謎の彼女X(5) (アフタヌーンKC)

 日本ラブコメ大賞2007・8位の作品であります。前巻4巻を買ったのは「裏横浜」の時で、どうだお前にこのような芸当ができるか、と言うことによって俺としては威張ることができるというか虚勢を張ることができるので(以下略)。
 東野駅に戻る途中俺の前を小学校低学年らしき姉妹二人が歩いていて、その二人が狭い歩道内をジグザグに走り回ってはしゃいでいたのでタイミングを窺いながら追い越すが、3分ほど歩くと前にいる35くらいの厚化粧女が俺を睨んでいた。と同時に後ろの小学生のどちらかが「お母さーん」というのが聞こえたからはあこいつが母親かと思っただけであったが、駅に戻って電車に揺られているとふとあの女は俺をロリコンか何かと思って睨んでいたということに気が付いた。あの糞アマめ俺のどこがロリコンだ、むしろ巨乳好き・熟女好きでロリコンになろうと思ってもなれんぐらいだというのに。
 三条京阪駅(市営地下鉄の駅名が「三条京阪駅」で、京阪線の駅名が「三条駅」)で降り、改札を出て少し歩けばBOOKOFF京都三条駅ビル店。

 この店は駅ビルの入り口に備え付けてあるエスカレーターを降りれば即店内になっているため閉め切られておらず、そのためクーラーがあまり効いていなかった。しかし俺は諦めることはない(何をだ)。そもそも8月の購入進撃はこの日限りなのだ、また9月まで暗く黒く白い陰険な生活が待っているのだから総力を挙げて「日本ラブコメ大賞2010」用の本を見つけなければ誰が俺に政治献金をしてくれよう(だいぶおかしくなっとるな)。16時48分、350円。
つゆだくめしべ (バンブーコミックス VITAMAN SELECT)

つゆだくめしべ (バンブーコミックス VITAMAN SELECT)

 えー、まもなく17時になろうとしているわけですが、まだ3拠点しか通過していません(六地蔵駅東野駅三条駅)。21時か22時にはホテルに戻りたいのであと5時間しかなく、これでは10連発が無理なのはもちろん最後の締めに行こうと思っていた河原町駅メロンブックスにも行けない可能性が出てきたので急遽予定を変更して今からメロンブックスへ向かいます。三条大橋を超えて三条通を歩いて河原町三条交差点を左折して河原町通を南に歩いてふと見えた松屋に入って大盛りカレーを食べて燃料補給をして(こういう時はやはりカレーですな)、松屋を出てすぐにある蛸薬師通を歩いて商店街(新京極通)を左折して浴衣姿の女を多々目にして、遠くで見ると華やかで目の保養になるのに近くで見るとなぜあんなにブサイクなのだろう目に悪いくらいだ、メロンブックスで目を洗うしかないな。メロンブックス京都店。


 写真を見てもあまりわからんでしょうがこら小っちゃい店ですわ。三宮のメロンブックスは横幅が狭くても奥行きが広いんですが、こっちは全く逆で横幅は広いんですが奥行きは全然ないですな。もう5〜6歩歩いたら終わりみたいな感じです。しかしこういう狭い中をエロ漫画がひしめいている空間というのはいいもので、まだオタクであることが背徳的であった頃のドキドキ感を思い出すことができよう。17時55分、1050円。
あまみドコロ (メガストアコミックスシリーズ No. 262)

あまみドコロ (メガストアコミックスシリーズ No. 262)

 うーむ。燃料補給じゃということでカレーを食ったはいいが食べたのは17時過ぎなので昼飯にしては遅すぎるし夕飯にしては早すぎるので非常に中途半端な気がして困惑し、阪急河原町駅から電車に乗ればいやでも「梅田・三宮方面」の文字が見えて更に困惑する。そらそうだここは京都なんだからなあ。ということはここから十三まで行ってそこから乗り換えたら三宮で、その先には我が実家があるんだよなあと無性に帰りたくなるが、今は一つでも多くの店に行って本を買わねばならずそれが終われば「裏京都毒探偵突撃古本屋」として毒にも薬にもならない報告レポートを首相官邸に提出しなければならんのであるからそのような甘っちょろい考えは捨てろと涙で頬を濡らしながら笑って阪急河原町駅から烏丸駅(「からすま」と読みます)、地下鉄烏丸線四条駅に乗り換えて鞍馬口駅で降りてトイレに入って大便をしたはいいが見事に便器から外れてしまった。BOOKOFF京都鞍馬口店。

 さあ18時を過ぎて今の俺は疲れているでしょうか。12時前にホテルを出て既に6時間が経過し足の方はそろそろ息切れしそうですが目の前に俺の生涯を有形無形に支援してくれてきたラブコメが牙をむいて待っているのですからこちらも槍で仕留めて火で焼いて食ってやらなければなりません(何を言っとるのだ)。とりあえずこの店もまあ品揃えは悪くないのですがちょっと俺とは趣味が違うかなあと言う感じで、それに加えて2階3階へと上る階段がやたらと高くてただでさえ6時間に及ぶ徒歩活動で疲れているのにこれはちょっとと不機嫌になるのが自分でもわかったのでこのように意味不明のことを書いてお茶を濁したのです(そんなんはええから早く書け)。18時59分、350円。
海の御先 5 (ジェッツコミックス)

海の御先 5 (ジェッツコミックス)

 日本ラブコメ大賞2008・24位の作品であります。今思うと順位はもうちょっと上でも良かったような気がするが、まあこういうのは作品自体の魅力の他に当時の状況とかもありますからな。
 というわけで鞍馬口駅に戻って烏丸線終点の国際会館駅で降りるが、乗客は俺を含めて10人もいなかった。そして暗い地上に出ると警察官がティッシュを持って立っていて、ティッシュには懸賞金のかかった殺人事件の犯人の似顔絵が描かれてあった。その犯人の似顔絵というのがまさしく表情のない冷酷な殺人鬼のようで、既に19時を過ぎた暗い歩道を歩いていると背筋が寒くなる。どうやら近くに同志社大学があるらしく、俺の目の前にはただ真っ暗な同志社大学のグラウンドがあるだけでそれがまた不気味だったが、やがて活気を帯びた「餃子の王将」から洩れる強い光が見えてきてそのすぐ隣がBOOKOFF京都宝ヶ池店。

 しかしまあ京都のブックオフさんは東京と違って店舗数は少ないもののどの店も中規模店なのでそれなりのレベルをちゃんと維持しており外れがないですな。京都、名古屋、札幌、横浜に住んでいる人はいいねえ。そして肝心の品揃えの方は最初の京都六地蔵店にはやや負けるもののなかなか良いものが揃っていて、特に今年まだ一度も買っていないラノベ関係でもやっとお互いに妥協できそうなものが見つかるが結局買ったのはこちら。20時9分、105円。 確かに本作は日本ラブコメ大賞2010の上位に食い込むものではあるが、別に今日ここで買わなければならないものではない。だが105円だったのだ。2009年3月発行のものが105円で売られているなんておかしいだろう、そしてそれを見逃す俺ではないだろう。
 えー、そのようなわけでもう既に20時を過ぎておりまするから、次に行くところが最後であります。そしてここで「トラフィカ京カード」の残額が150円になりましたから、以後現金払いへと解禁致したく存じます。市営地下鉄烏丸線国際会館駅に戻り、京都駅の一つ手前の五条駅で降り、1番出口を出てすぐにあるマクドナルドに入ってまたしてもアイスクリームが欲しくなった私はシェイクのバニラとコーラ、そしてどうせなら何か食おうしかしハンバーガーのような脂っこいものはいいですからプチパンケーキを食べまして、実はこの頃になるとだいぶ足に疲労がたまってきておりましてそれまでは「あなた(ラブコメ)の事を考えればそれでいいの」と言っていたのが「そうは言っても金(足の痛み)も大事だろう」と言うようになってきてまさに意味不明を体現しておりまして、駅を出て五条通を真っ直ぐ西へ向かえばいいものを何を勘違いしたか堀川五条交差点で右折して堀川通をひたすら歩いて「気が付いた時はもう駄目かと思いました。でもあなた(ラブコ(以下略)。BOOKOFF堀川五条店。

 しかしあれですな、ここまで実に7冊もの本を買っていますがいずれもラブコメ関係でそれはそれでいいんですが、ここらで何か非ラブコメ本も買っとかんと俺はただのラブコメ狂いのキチガイとして人々の記録と記憶に残ってしまうと心配になって偶然にもこの店では目ぼしいラブコメ関係はなかったので電話ボックスに駆け込んで「真面目な読書青年」に変身して買おう。21時31分、105円。
田中角栄の人を動かすスピーチ術 (講談社プラスアルファ文庫)

田中角栄の人を動かすスピーチ術 (講談社プラスアルファ文庫)

   
 その後本格的に足と腰が痛み出したが後はホテルに帰るだけだったので大したことはなかった。五条駅から京都駅まで一駅なのでいっそのこと歩いて帰ってやろうかと思うも股ズレまで起こり出したのでおとなしく電車で帰ることにした。ホテルの近くのローソンではまたアイスクリームを買い、サイダーを買い、昨日ホテル周辺は酔っ払った集団がやたらとたむろしていたが今日はほとんど人がいなかった。
 ホテルに着いたのは22時半頃で、BSかNHK教育で「敗戦とラジオ」というドキュメンタリーが放送されていた。戦後のNHKラジオが軍部と政府の宣伝機関という縛りから解放されて自由奔放に時の政治状況を風刺する番組を放送してそれをGHQも後押ししたが、日本の独立によりその番組はまたしても日本政府の圧力により終焉を迎えるというものであった。23時半頃風呂に入り、今日買ったものをパラパラと目を通してみようとして急に眠くなってきたので0時ちょうどに寝て、途中嫌な夢を見て起きたりしたがはっきりと起きた時は7時を過ぎていた。
 すぐに1階のレストランに下りて朝食バイキングを味わい、とにかくご飯だろうが卵焼きだろうがウインナーだろうがブロッコリーだろうがヨーグルトだろうが何でも腹に注ぎ込み、まだまだ行けるぞパンも食ってやれと思ったが、他の客が増え出したのでやめた。部屋に戻って下着類を鞄に押し込み、BSの海外ニュースを見るとイギリスBBCニュースは「連立政権の支持率が低下している」と言って、特に自民党の支持率が低下し、危機感を抱いた自民党は次の総選挙においても保守党と選挙協力はしないと表明したとのことだった。
 8時にホテルをチェックアウトして京都駅に向かう途中すれ違う人たちのほぼ半分はスーツ姿のサラリーマンであった。そうか今日は16日の月曜日で、俺は有給を取ったが他の人たちは昨日までが盆休みだったのだ。京都駅に着いて、今度は在来線で東へ行けるところまで行ってそれから新幹線に乗ろうかとも考えたが、結局京都駅から新幹線に乗ることにした。早く帰って「裏京都毒探偵突撃古本屋」を書かなければならないと思い、昨日のアイスクリームの食べ過ぎで下痢気味だったからだ。