特別編2014(下)

 JR中央線鶴舞駅を下車するとポツポツと雨が降り出すも東側の鶴舞公園の木々から蝉の声がうわあんと聞こえてくるので本格的に雨が降るのではないらしい。北へ進んで名古屋高速下の交差点を西へ歩いて、さすがに古書会館の場所は事前に調べているのですぐに見つかった。


 時刻は15時55分。よし16時に間に合ったやはり1時間は確保して本を物色したいですからなとまずは1階の「1冊100円」売り場を物色し、既に名古屋界隈の古本破りな人々の手によってだいぶ荒らされたようで足元の本がぐちゃぐちゃに置かれているがそんな事を気にする俺ではないのでおっさん達じいさん達を蹴散らして縦に見て横に見て、図書館でよく見る「新潮現代文学」シリーズから2冊買う。今日の作戦は「1階の100円均一はパッパッと短時間で見て2階にある古本群をじっくり見る」作戦であるが品揃え的にそそられるものはなかった。いやまあ別に駄目というわけではないが俺が好む「昭和40年代〜平成ひとケタ代までの週刊誌・雑誌」がなかったのでしょうがない。店内に流れるFMラジオでは「平成のトレンデイドラマ・トップ5」という実につまらん事を男1人女1人のDJが話していて、店番のおっさん二人が「法人でやったんだよ」「でも潰れちゃったんだよ、法人にしてもすぐ潰れちゃうよ」「(コーヒーを飲もうとして)砂糖がないよ砂糖」と話すのが聞こえ、FMラジオはいつの間にか「聞き流すだけで自然と英語が身につく、魔法の英会話学習!」に話題が移っていた。5冊買って950円。

 さて今日は名古屋に泊まるので本格的に名古屋を荒らすつもりだがだからと言って6年前のようにただひたすらブックオフに行くのでは能がない、一昔前の俺はただ力に任せてラブコメだけを追い求めていたが「世界のラブコメ王」としての名声を確立したと言われている(と勝手に俺が言っている)今は焦る必要はないそれよりもせっかく名古屋に来たのだから名古屋の図書館に行こうじゃないかと鶴舞駅方面へ戻って鶴舞公園に入って、公会堂の横を通ってうわあんと鳴る蝉の声に囲まれながら名古屋市鶴舞図書館へ。

 日本図書館協会の会員であり図書館の未来について深く憂う俺はこうして名古屋に来て図書館に来て何をしたかというと地下1階の自動販売機でコーラを買って近くにあった椅子に座って今日泊まるホテルとホテルに泊まった後に行くブックオフについて調べて(6年前の名古屋遠征の時に買った文庫判の地図を使った)、第一読書室に入って「図書館雑誌」4月号を読み始め10分もすると眠くなったので特に抵抗する事なく寝たという何とそれだけなのであるが、昔みたいにブックオフ一辺倒ではなくこうやって図書館に足を運ぶところがいいのであり、では何がいいのかと聞かれたら答えられない。お前ひょっとして阿呆ではないのか。
 18時1分に図書館を出て鶴舞駅に戻って、青春18きっぷを見せようとすると眼鏡をかけた神経質そうな銀行員のような駅員が「はいはい」と腫れ物に触るかのように通してくれた。深く考えずに名古屋駅まで移動して、南側に歩いて3分ほどするとメロンブックス名古屋店。

 古書会館で難しい本を買ったので次はエロ漫画を買いましょう、もう8月であり「日本ラブコメ大賞2014」に向けて準備を始めなければならない。仕事がしんどい私生活も落ち着かない中でもこれだけはやらなければならんのだ、それにしてもやたらと「処女作!」の煽りがついたものが多いなあ、エロ漫画界も景気が良くなってきたのだろうか。とは言え俺が求めるラブコメエロ漫画編は絶対数が少ないので関係ないか。19時24分、1,080円。

らぶコロン (ポプリコミックス)

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 続いて目と鼻の先にあるとらのあな名古屋店へ行こう。

 何でこんな目と鼻の先にあるのだお互い食い潰してしまうだけではないのか、それとも何か棲み分ける方法でもあるのか世の中はわからん事だらけだ、狭い階段を登っていくと降りてくる人とすれ違うもそれが女の場合は身体を端に寄せようともせず我が物の顔で闊歩していた。だから腐女子というのは嫌われるのだ大体君達は「女子」などと言って恥ずかしくないのかね俺は31歳にもなってまだエロ漫画を買うがなまあ男の場合はそんな事をしても大した問題ではないのだうわははははははははというわけで19時44分、1,028円(952円+消費税)。
義妹処女幻想 (富士美コミックス)

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 1,000円超えるのかやっぱり。高いなあ、景気がいいんならもう少し安くすればいいのにねえ、やっぱりエロ漫画もブックオフで買う事を検討するかねえ、しかし「今日はブックオフに行ってエロ漫画を1冊買いました」というのはどうも締まらんからなあやはりこういうのは盛大にババンと買うのがいいのだ、酒池肉林の宴じゃうひひひひひと気持ち悪い笑いを浮かべながら名古屋駅に戻って、金山駅鶴舞駅千種駅と移動してひとまず下車する。

 今日泊まるホテルはJR千種駅が最寄りではなく地下鉄桜通線今池駅が最寄りなのであるが(ホテルの名前も「○○ホテル今池駅前」)そこを何とかするのが大人の知恵というものよ土曜の夜に旅の地でほくそ笑むのが粋というものよと気持ち悪い笑いを浮かべながらビジネスホテルに入ってチェックインして(受付にいた二人の女のうち若い女の前に行こうとすると「あ、こっちで…」と50過ぎの女の前に誘導された。あれは何だ)、部屋に入って古書会館で買った本を鞄から取り出して身軽になってすぐにホテルを出て、小雨とも言えない本当にかすかな雨の中を千種駅まで戻って、一駅先の大曽根駅まで。

 今から向かうブックオフ名古屋大曽根店には6年前に地下鉄名城線大曽根駅から向かったと6年前の「裏名古屋毒探偵突撃古本屋」に書いてある。もう6年前か、この間に多くの人が会社を辞め、何人かの知っている人が死んで、妹は結婚して子供を2人産んで、幸いな事に両親はまだ健在で、俺はこうして阿呆な事ができているがさてこれからどうなるとブックオフ名古屋大曽根店。

 おお、こうやってブックオフの写真を撮って載せるのは久し振りだ、久し振りでも恥ずかしい事に変わりはないな、「ブックオフの写真を撮ったからそれが何なのだ」って言われたら反論できんからね。すみません申し訳ありません俺だけ楽しんですみません申し訳ありませんと謝っておけば後は俺のしたいようにしようとゆっくりじっくり見て21時59分、350円。
プラモ男子とプリチー女子-ミズオとイエナの一年戦争- 2 (ビッグコミックス)

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 「日本ラブコメ大賞2014」はすぐそこだ準備は万端だ、本当は「2年に一回おきでもいいかなあ…」とか考えたりしたがここにこうして書いた以上はもはややらなければならぬ。どうしよう。
 
 大曽根駅から千種駅に戻って、ホテルまで先程通った道とは違う道を歩いていると「秀英予備校」と書かれたでかい建物が目に入った。予備校ねえ、俺も浪人して一年予備校生活を送るんだったなあ、そうすればもっと本を読めたのになあと考えながらホテルに戻るとロビーにはジャージを着た大学生くらいの男女15人くらいがたむろしていた。昔も今も俺は「大学のサークル連中」を見ると虫唾が走るので無断で写真を撮ってそれを某企業のサイトを通じて流出させて、部屋に戻って「ホテルに泊まる事の特権はとBSが見放題」と言われている(と勝手に俺が言っている)のでBSNHKで「シャーロック・ホームズの冒険」を見て、明日こそは在来線で名古屋から東京まで帰らなければならないのでさっさと寝ようと1時頃に寝て、部屋に備え付けの目覚ましを7時にセットするもの起きたのは7時半過ぎであった。急いで部屋のある10階から1階まで登ってモーニングの食べ物各種を掻き分けて、部屋に戻って大便をして寝て何をしとるんださっさと名古屋に行け東京まで6時間はかかるんだぞと食パンをくわえて千種駅まで走り、名古屋→豊橋→浜松→静岡と移動して、名古屋から豊橋までは座れたので楽勝だったもののそれからはずっと立ちっぱなしだったので静岡→小田原まで新幹線で移動して(すみませんすみません)小田原から再び在来線に降臨する事を選択したのであった。それでもいいのだ千種駅→静岡駅まで3,350円、小田原→東京駅まで1,490円かかるが俺は18きっぷを持っているので2,350円ですんでいるのだ、大体俺の目的は「全国各地の本屋古本屋図書館に行く事」なのであって青春18きっぷなどいいところだけ利用すればいいのだなどと言うと全国の鉄道ファンから怒られるかしかし怒られようが呆れられようが阿呆と言われようが死ねと言われようが俺のこのブログは続くのであり次はどこに行こうかと密かに策を練りながらこのへんで。