やあやあやあやあやあやあやあ。

 やあやあやあやあやあやあやあ。俺です。俺です。具体的に言うと本日東京から兵庫県糞田舎へ帰ってきた天下の糞煮込み、ラブコメ大将政局亡者BOOKOFF探検家真面目な読書青年の俺であります。ついに今日、皆さんに俺の人生に決定的な影響を与えたと俺が勝手に言っている「兵庫県糞田舎大型古本屋五連発」のその全貌を全裸させることができるわけです。東京でさえ怖いもの知らずの天罰てきめん犬畜生たる俺が糞田舎で田舎者根性丸出しで手当たり次第女を抱くわけです。よくわかりませんがこれは画期的なことです。何が画期的なことかもよくわかりませんが、まあ落ち着きましょう(俺が)。
 台風13号の影響を心配しながら夜が明け、朝7時に家を出て、天気は曇りであったが風はなく雨が降る気配もなく東京駅行きのバスは時間通り来て特に何ということもなく7時半には東京駅に着いて、自由席の切符を買って構内に入ってそのまま流れるように7時40分発の新大阪駅の新幹線に乗ってしばらくすると走り出したわけである。中はガラガラというわけではないが座れた。何のトラブルもないではないか。俺の人生も万事この調子だといいんだがなあといつものように思いながら本を読みやがて高鼾をかき新大阪駅大阪駅、阪急梅田駅、阪急三宮駅そしてJR三ノ宮駅を乗り継いで昼12時には糞田舎に着いていた。もう9月も下旬だというのに暑く、余計な気をまわして長袖の服なんか着るんじゃなかった、俺の人生は万事この調子…やめとこう。
 ちょうど昼飯時であるのでオカンと二人ですっかり寂れてしまった商店街にある隠れた名店でいつものように玉子丼とミニうどんを食べ、さて出発である。もちろん糞田舎であるから公共交通機関など発達しておらず自転車に頼ることになるが、諸君御存知の通り自転車こそ俺の人生の盟友なのであるから勃起が滾るというものである。というわけで国道二号線をひたすら自転車走らせレッツゴー。

 それにしても暑い。13時過ぎということもあるのだろうが先月のコミケ以来の暑さである。ん。そんな事はないか。一昔前の俺であればこれぐらいの暑さなど問題にしてなかったはずだ。何せ俺はデブのくせに「夏に強く、冬に弱い」のだからな。で、まずはこちら。菊刀書店古川店(仮称)である。古本屋ではなく普通の本屋。

 この店は俺が中学三年の時からの付き合いでありあれからもう10年以上経つのか。ちなみに今の姿というのは8年前に改装したものであり、俺としてはそれより前の、本館とコミック館に分かれていた時の方が印象に残っているのだが、いかんこんなもん俺にしかわからんへんがな。
 しかしまあ毎度のごとくしょうもない本がごちゃごちゃ並べられて買う方の身にもなれと言いたい。ライトノベルの最新刊が置かれているところに髪が肩まで無造作に伸びていて髭も伸び放題の30過ぎと思われる男が何かブツブツ言っていて、まあ俺はこんなのにはならんと思うがなあ、どうかなあと考えながら何気なく目に入ったこれを買う。882万円。

スペース・オペラの読み方 (ハヤカワ文庫JA)

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 そう言えば明後日三宮の超書店MANYOに行くのでまたSFアドベンチャーのバックナンバーを買ってこよう。
 さてお次は図書館である。菊刀書店古川店(仮称)から自転車でわずか5分という位置にあるこの市立烏合の衆図書館(仮称)も思い出深いものでして、特に2001年の大学受験前後には大変お世話になった。諸君も容易に想像がつくだろうが当時の俺は受験勉強などせずただひたすら本を読んでいた。とは言え家では親の目があるから「図書館で勉強する」と言っては朝から晩までこの図書館にこもっていたのである。当時の俺は携帯電話を持っていなかったから家を出ればどこへ行くのも何をするのも自由であったが、世の常識通り「時間はあるが金はない」学生である俺はこの図書館に通うぐらいしかできなかったのだ。

 それにしても俺も一年浪人するべきであった。そうすればもっともっと本を読めたというのに。
 かつて俺はこの図書館で政治関係の本を読み漁ったものである。というわけで目ぼしい本を見つけて暑さがやわらぐ15時頃までこの図書館で過ごすことにしよう。フカフカのソファーに座ったので眠ろう。いやいや待ってくれ俺の右の白髪のおっさんも左のブサイクなおばはんも寝とるだろう。仕方がないのだ。そうなのだ。
 で、前置きが大変長くなったが「兵庫県糞田舎大型古本屋五連発」がはじまります。菊刀書店古川店(仮称)・市立烏合の衆図書館(仮称)は国道二号線から外れたところにあるので二国に戻りまして、まずは新鮮古本東西南北店(仮称)である。

 …まあわざわざ仮称とかつけんでもねえ。地元の人が見たらすぐにどこかわかると思うんですが、そのあたりは深く考えないようにしよう。というかこれ見てどこかわかった人は俺と同郷ということになるのか。頑張りましょうね(何がだ)。
 で、この店は昔は当たり外れがある平均的な品揃えの店であったが、俺が東京に移り住む前後から良くなりだして今やBOOKOFF西五反田店級である。いやそういう比較をされると言わんとしていること自体が俺にしかわからんので大変やりにくいが、とにかく俺が目をつけているんだからいいに決まっとるだろうということでこれを買おう。370円。
パート怪人悪キューレ 1 (ガンボコミックス 9)

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 ラブコメ、ではないわなあ。しかし「ラブコメではない」、わけでもないのよなあ。このあたりのニュアンスはまた別の機会にじっくりと述べます。
 さてその後トイレで排泄物をすっきり出して新鮮古本東西南北店(仮称)を出て国道二号線を更に東へ自転車走らせます。ここまでは俺の実家から自転車で来てもおかしくないわけですが、ここより東となると自転車で移動するのは阿呆かキチガイしかいないというわけで行くのであります。確かに俺はもう大学生ではなく日本経済の歯車に巻き込まれた疲れたサラリーマンであるがまだまだ「風速自転車野郎」は現役なのですよ。

 それにしても今日は土曜日か。もし俺が東京で就職せず神戸や大阪で就職したら土曜日はこういう風に休日を過ごすことができたわけか。永田町・神保町・秋葉原を征服し東京23区(のBOOKOFF)も平定した俺が次にやるべき事は何か。などと考えているうちに古本市場魚住店へ着いた。

 この店は糞田舎五連発の中では後に出てくるブックトワイライト(仮称)と並んで常に下位をさまよっているので期待はできない。とは言え3ヶ月ぶりの凱旋であり俺の購入戦線2008の重要な節目である今日に下手なものを買うわけにはいかない。というわけでこちらを。270円。
ふたりエッチ 36 (ジェッツコミックス)

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 さあ「ふたりエッチ」である。「ふたりエッチ」を買うということは今日一日どんなにひどいものを買ってももはや今日は失敗ではないということになるのであって、なぜならどんなにひどい反ラブコメ非ラブコメ作品を買ってしまったとしてもその日「ふたりエッチを買った」というだけでそのダメージは免れるからである。などと俺が勝手に思っているだけであります。文句あるか。
 で、この時点で五連発のうち二つを経過したわけであって、残るはブックトワイライト(仮称)・古本道場愚痴店(仮称)・ブックインザスカイ(仮称)である。そのため国道二号線沿いから明姫幹線沿いに移動しなければならないのであるが、せっかくの帰省なのであるからここは一つもっと遠出をしてみたい。であるからかつての惨劇の地・古本市場西神戸店へ行くため更に東へ東へ走るわけである。魚住店から西神戸店まで自転車で行く奴なんてのは日本中で俺ぐらいでしょうなあ。それが俺の長所でありキチガイなところなのですよ。

 とは言え既に油ぎった俺を止めることはできないのであって、30分もしないうちに大久保駅を越えて西明石駅へ着くわけである。下の写真は西明石駅を、3年半前に撮った同じ場所で今日撮ったものである。そうかあれからもう3年半か。

 かつて俺は私立糞尿高校へ行くのにこの西明石駅から自転車を使っていた。バス代があまりにも高かったからであり、金がない分を若さと力でカバーしてやろうと思ったからである。そんな俺の決心を誰が嗅ぎつけたか或いは渡りに船としたのか不明だが我も我もと自転車を使う生徒が増えはじめついにはバス会社が「このままではスクールバスの継続は難しい」と学校側に言ったという。もちろんその噂を聞きつけ我々は勝利の雄叫びを上げた。スクールバスがなくなって困るのは今まで何不自由なく高いバス代を払っていた金持ち馬鹿息子馬鹿娘であり、既に一年以上自転車通学に慣れきった俺たちには何ら困ることはないのだ。これが庶民の勝利でなくて何というか、と。
 話が昔話に脱線したのでとにかくここで国道2号線から県道21号線を経て国道175号線に移動しなければならないわけである。というわけで下の写真は王塚台交差点。おおすぐそこに第一次大病戦争に苦しむ高校時代の俺がいるようだ。

 しかしここの風景も変わらないようで変わっている。一番わかりやすいのはパチンコ屋であって、ここもあそこもでかい建物ができているなと思って見ると大抵パチンコ屋なのである。まあ田舎のおっさんと言えばパチンコであるが、どうなんでしょう。あいにくそっち方面にはとんと疎いもんで。

 古本市場西神戸店。ここも俺が東京に移り住む前後からなぜか急に羽振りが良くなってきた店である。まあ昔はラブコメの絶対量が少なかったしその頃の俺はペンペン草も生えないほど出てくるラブコメを片っ端から引っこ抜いて(買って)いたのであって、東京に来てからはやはり四六時中ラブコメのことを考えているわけではないので余裕も出るんでしょうなあ。というわけで買ったのはこれ。220円。 日本ラブコメ大賞2008の、まあ中位ぐらいですかな。まさか上位にくい込むことはないと思うが、諸君の好きなライトノベルスをラブコメ的に分断させてやろう。年末を楽しみにしておれ。
 というわけで店を出ればもう用はない。本当は明石公園内にある明石図書館にも行ってみたかったが時間がないので国道175号線を南下して国道2号線と合流する地点で西明石駅まで西へ。下の写真はちょうど合流地点である和坂交差点。

 このあたりの風景が我が高校時代の良き思い出として今も俺の脳に焼きついているのだから不思議である。明石公園内にある明石図書館へ行き、その後明石駅を通ってジュンク堂書店に行って(まだラ・メールに入っていた頃)適当にブラブラしてから西明石駅へ移動する際には必ずこの和坂交差点を通っていた。当時俺は生まれついた街を離れ、この明石で「自由」と「孤独」の楽しさを覚えたのだ。
 自転車をこいで走らせていると20歳前後と思われる女とすれ違い、その女は携帯電話で大声で「無意識でもなあ、そんなん言われたらな、愛情が醒めんねん」と言っていた。

 この携帯電話から撮っている写真は昼はともかく夜になると見映えが悪いのだが、上の写真は国道二号線から西明石駅の改札を出たところにある無料駐輪場へ出るために続く狭い坂道である。普段は夕方ここに自転車を置いていたわけだが、たまに夜ここを訪れると何だか自分がものすごく大人になった感じがしたのを昨日のことのように覚えている。
 さてこの後明姫幹線で姫路側まで一気呵成に走るわけだが、この明姫幹線を夜自転車で走るというのは非常にゾクゾクするものであって、この道路はもちろん車道の横に歩行者専用道路があるのだが電灯が全くない暗黒の地帯がそこかしこに散らばっているのである。車が通らないときは真っ暗の中を自転車の心もとないライトだけが周りを照らすという状況を悦楽的にとらえることができるというのは俺が俺を知る上で非常に重要なことだとは思うのだが、そのあたりは自分でもよくわからない。



 写真だとどうしても明るい感じがあるが、電灯の光が届く範囲などわずかであり俺は大部分の闇を見つめて自転車をこぐのである。そのようにして次なる目的地・ブックトワイライト(仮称)に着く。

 ここも品揃え的にいい方ではないが、それよりも心配なのがやたらゲームソフトやDVDに力点を置いていることであって、そういえばGEOがこの道中に二つぐらいあったが、このままでは閉店するのではないか。アダルトコーナーに入ったら何と同人誌や同人ゲームまで置いてあって、これを迷走と言わずして何というか。つい3年前はただの大型古本屋だったはずだ。また一つ俺の思い出の場所が消えるのだけは勘弁してほしいのだが、まあ今そんなことを考えても仕方がない。買ったのはこちら。50円でした。
新しい人よ眼ざめよ (講談社文庫)

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 うん、いいね。こんな糞田舎の大型古本屋で純文学を買うというのも俺らしい悪趣味でいいじゃないか。ここ2年ぐらいこの店ではラブコメではない普通の本を買うことに決めているのである。なぜそんな風に決めたのか。俺が聞きたいわ。
 そしてこの店を出れば、五連発は残り二つである。この二つこそ俺の青春、いや生涯で最も記憶に残る大型古本屋であることは間違いなく、ここで締めることは俺の購入戦線の基本中の基本なのである。ところが携帯電話の電源がこの時切れてしまいました。切れる直前にあわてて撮ったのがこちら。

 というわけで俺にとっての二人の恋女房、古本道場愚痴店(仮称)とブックインザスカイ(仮称)のその大胆にして悩ましい姿についてはまたの機会のお楽しみとして、明姫幹線を自転車こいでグングン走るわけである。途中マクドナルドに寄ってシェイクのバニラとコーラを腹に詰め込んでいよいよ最後の決戦、まず古本道場愚痴店(仮称)で買ったのがこちら。320円。
恋するお姉さん (アクションコミックス)

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 ま、作者は日本ラブコメ大賞の常連であり特に説明はいらんですかな。
 そして最後となるのがブックインザスカイ(仮称)である。この店こそ俺の大型古本屋訪問の童貞喪失の相手であり、それからというもの実に10年以上の長きに渡り一度も裏切られたことがないどころか、もはやまんだらけ中野店と双璧を成すほどの日本随一の品揃えを誇るお化け店舗なのである。こんな糞田舎の全国チェーンでもない大型古本屋がなぜそこまで俺をとりこにするのか全くわからぬが、その品揃えの充実さは驚くばかりである。で、買ったのはこちら。370円。
愛しのかな(2) (バンブー・コミックス DOKI SELECT)

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 以上が「兵庫県糞田舎大型古本屋五連発プラス1」の全容である。俺のことを阿呆と言う人がいればそれは正しい。俺もこんなことで休日を費やすのかと愕然とすることがままある。だがそれでも俺は止めないだろう。なぜか。何度も言っているようにそんなことはこっちが聞きたいのだ。というわけで明後日は梅田・三宮黄金コースをレポートしたいと思っております。もう東京には戻りたくない。