図書館雑誌2015年1月号〜4月号[日本図書館協会]


 さて懲りずに「図書館雑誌」について書く事にするが…正直なところ飽きてきた、いや違うな、面倒臭くなってきた、いやそれも違うな、読む事自体は面白いんだが…いかに面白いとは言え…この雑誌を読んでいる間は他の本が読めないわけで…残り少ない読書人生においてこの雑誌を読む事がどれほど役に立つのかと…いや別にどんな有名な文学作品や歴史書を読んだところでそれが役に立つという保証はないのですが…しかしなあ、この雑誌は図書館員とか図書館業界(そんなものはない?はあ)周辺の人達のための実務的な雑誌なのであって…そんなものを読んでどうするという、多くの人が抱いたであろう疑問を今更ながら俺も抱いているわけですが…かと言ってもうこの雑誌を読むのをやめる、という事は日本図書館協会を退会する、というのはなあ…たかが年間9,000円やしなあ、図書館を愛する者として退会というのは忍びないしなあ…というわけでゴー。
<2015年1月号>
・「明けましておめでとうございます。(中略)第100回全国図書館大会を開催し、多くの関係者、機関、団体のご支援を得て、国民に開かれた大会として、予想を上回る多くの参加者を迎えて(以下略)」。国民に開かれた?
・(全国図書館大会に参加して)市民に開かれた大会を目指すのであれば、Ustream等での中継を検討したり、少なくともTwitter実況用の公式ハッシュタグは用意したりすべきではないだろうか。
・(2014年上半期決算について)昨年度の同時期と比べ約300名個人会員が減っており、また受取会費も約400万円の減少。
・「(常任理事会で)出版事業について、協会として全体計画を把握する体制が必要ではないかとの意見が出された」。という事は、今は把握する体制がないのか…。
<2月号>
・国内の書籍販売は1996年の2兆6,564億円をピークとして見事な山形を成しながら、2013年の1兆6,823億円まで右肩下がりを続けている。実に37%もの落ち込みである。
・2007〜2013年の(岩手県紫町)町民満足度調査によると、図書館の開館により、図書館サービスの満足度(偏差値)は34から57へと23ポイント急上昇している。これに対して、図書館が必要だとする重要度は38から43へとわずか5ポイントの増加に留まっている。下水道サービスを見ると2013年度は満足が64、重要度が60と高くなっていて、図書館は下水道ほど期待されていない事がわかる。
<3月号>
・「政府は、平成26年度補正予算の一部として、「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を決定しました。この交付金は、「まち・ひと・しごと創生法」第9条に基づき、閣議決定された「まち・ひと・しごと創生戦略」の一環としてなされるものです。既に各都道府県には内閣官房まち・ひと・しごと創生本部より、都道府県まち・ひと・しごと創生総合戦略及び市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略(以下「地方版総合戦略」という。)の策定について通知がなされるとともに、交付金の説明会が行われています。
 つきましては、各図書館長におかれましては、首長部局等との連絡調整を図られ、貴地方自治体における「地方版総合戦略」の中に是非図書館関係事業が盛り込まれますよう、お知らせすると共にお願い申し上げる次第です」。
 それだけか。交付金をぶんどるために日本図書館協会が主体となって、それこそ「『地方版総合戦略に図書館関係の充実を』本部」でも作って大々的に華々しく活動しないのか。何のための圧力団体だ。何が「首長部局等との連絡調整を図られ」だ。お前もやれよ。
・(連載「ウチの図書館お宝紹介!」東大寺図書館)奈良時代以後も平安、鎌倉、室町、江戸と各時代の人々が何度も消滅の危機を乗り越えて何世代にもわたって受け継ぎ、今、私達の眼前にあるのです。
 古いものであるから「お宝」であるというのではなく、各時代の人々の思いや努力、その痕跡をも全て含めての「お宝」なのです。これらを私達の代で絶やす事なく、様々な人々のご縁や協力を得ながら次世代に引き継いでいくよう努めていきたいと思っております。
・(日本図書館協会理事会議事録)「理事長より、職員より賃金訴訟が起こされた事についての報告があった」。え?
<4月号>
秋田市は市立図書館の「ネーミング(命名権)ライツ」を募集していたが、パートナーとして株式会社北都銀行を決定、「愛称」は「ほくとライブラリー」となった。設置条例にあるそれぞれの図書館名5館に、この「愛称」を冠する事になる。
 募集理由は「厳しい財政状況の中、安定的な財源を確保し、市立図書館の資料の充実に努めると共に、市民の読書活動の推進を図るため」としている。
・「米国アリゾナ州公共図書館見学記」。「SnackTime」というフードプログラムを見学しました。フードプログラムとは、低所得者の子供向けにおやつ、果物、水等を配るプログラムです。図書館の裏が小学校という事もあり、放課後にたくさんの子供達が集まってきました。この日の参加者は20人くらいでしたが、職員の方が一人一人の名前と顔を覚えており、保護者とも親しく話をしている様子に感心しました。
 「BookBike」つまり移動図書館の自転車版があります。三輪の自転車で、前に箱がついており、そこへ本を積んで利用者の元に届けます。届け先は様々で、引きこもりの人や、ホームレス、老人施設、学校等も含めます。
 地域とのつながりを大切にし、地域が求めている事を公共図書館が担っていくのだという強い意志を司書の方々から感じました。(中略)忙しくはありながらも楽しく働いている司書の方々の姿は好ましく、また羨ましいものでありました。司書の職と養成が確立し、司書の雇用が保証され、安心して働く事のできる環境が、結果として利用者に提供するサービスの質に関わるという事をやはり強く感じさせられました。