図書館雑誌 2014年5月号〜8月号[日本図書館協会]


 ここ最近は「普通のサラリーマンが日本図書館協会に入った」「全国図書館大会に行った」として変な注目を浴びているこのブログですがもともとはラブコメ(エロ漫画を含む)や政治についてグタグタと述べるものだったのです。とは言え10年近くやっていますと色々と多方面に手を伸ばす事になりまして今に至るわけでして、やはりかつて図書館司書に憧れた者としては、図書館を愛する一市民としては図書館を応援したいというのが偽らざる気持ちなのです。しかしながら現在の、ふにゃけたというか、ファイティングスピリットが微塵も感じられない図書館界を見ますとどうも物足りないというか、色々と文句をつけたくなるというのも偽らざる気持ちなのです。
<2014年5月号>
・図書館費削減のための指定管理者制度の導入や非常勤職員の増加は、「図書館サービスの質だけでなく、やがて日本経済にも悪影響を及ぼす」。???
・特集は「シニア世代と図書館」。図書館は、(1)誰でも無料で利用できる(2)一人でいても違和感がない(3)利用に際して明確な利用目的を問われない、という特質を持つ、他に類を見ない公共施設であり、シニア世代に有用。また社会の高齢化やリタイヤ後の余暇を過ごす場として、生涯学習の場として図書館を利用する人が増えている。
・2014年度日本図書館協会予算案について、「一件余剰金があるように見えるが、その金額は長期借入金返済に充当するための経費であり、ぎりぎりの予算編成である」。
<2014年6月号>
・特集は「頑張れ!都道府県立図書館」。「市町村立図書館の支援機能としての県立図書館」という認識は図書館関係者のみのもので、一般利用者からすれば県立だろうと市町村立だろうと「まちの読書施設」には変わりない。とは言え県立図書館が市町村立図書館と同じ事をやっても二重行政批判が出る…という、俺が10年以上前に司書資格課程で習った事でまだ悩んどるのかと脱力。ただし「都道府県立図書館の多くは長い歴史を持ち、和漢古典籍を含む豊かな蔵書を持ち、職員の能力は高い」「市町村立図書館が自治体の多様なニーズに応える図書館作りを進める中で、都道府県立図書館も、各館の事情に応じた新たなサービスモデルの構築を目指し、様々な試みに挑戦する事を期待したい」。能力は高いのですか、そうですか。
<2014年7月号>
・特集は「図書館とファンドレイジング」。「ふるさと納税」の活用が有名だが、「広告主の社名等を雑誌の保護カバー等に表示する雑誌スポンサー制度の普及も著しい」。しかし「次年度以降、スポンサーが広告効果に疑問を持ち、継続が見送られるケースも至るところに見られている」。また、ファンドレイジングが一般化しない理由の一つに「外部資金を調達するという行動に対する図書館関係者のマインドセットの欠落」があるが、「もはや外部資金の調達なくして図書館の経営は困難であるという事実を突きつけるしかない」。なお、米国図書館では「ファンドレイジングの専門家」が配置されている場合が多々あり、いかに外部資金を調達するかでその人の評価基準ともなる。
・「入手困難な貴重書等を購入対象とする古書予算を預かって、ブックオフに職員数人でこそこそと訪れ、こそこそと本を買い集め、こそこそと受け入れていた時期がありました」。
<2014年8月号>
大学図書館に所蔵されている資料のうち、圧倒的多数が「不要不急の研究用資料」となる。「100年後に誰かが使うかもしれない」とは言っても、図書も資産である限りは、その資産運用に関して経済的効率性は追求されるべきである。そこで「シェアード・プリント」(単独大学による蔵書構築から、連携した複数大学による蔵書構築)を実施しようとしているが、図書館員の意識改革は一朝一夕には行かない。そこで中堅図書館員を対象に、図書館以外の事務系への学内出向人事計画を開始した。「○○大学の図書館のために」ではなく、「○○大学のため」に図書館で働く意識を涵養するためである。
・「学校図書館法の一部を改正する法律」についての見解及び要望。「学校司書の配置については努力義務となった事は協会としては不満」「学校司書配置のための地方財政措置は年間約150億円。この金額は、週30時間の職員を2校に1名程度配置し、一人当たりの配置単価を年間105万円としている。つまり明らかに非正規職員であり、学校司書が継続的・安定的に職務に従事できる環境とはなりえない。各校において、専任で、資格を持つ専門職員、更には正規職員での学校司書配置を可能とする財政措置が必要」…。さてこの見解及び要望の実現のために協会は水面下でどう動いているのかな。
・正味財産増減計算書は特例社団法人時代の「4月1日〜1月20日」を前年度、公益社団法人となった「1月21日〜3月31日」を当年度として増減を出している。わかりにくいというか…こんなもん使えるか。よく考えなさい。