第14位:ギャルゲふぉるだ!/RAVEN[ジーウォーク:ムーグコミックス]
- 作者: RAVEN
- 出版社/メーカー: ジーウォーク
- 発売日: 2010/01/28
- メディア: コミック
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ではストレスが溜まってしまうのになぜ14位に入賞させたかと言うと主人公がギャルゲー好きのオタクの毒舌で、にも関わらず天才女優を棚ボタ的に手に入れたからである(と言っても記憶喪失の状態で「おなかすきました〜」などと言うので仕方なく相手してやっただけ)。そして成年漫画のセオリー通りに性交渉へと流れ込むが、そこで主人公が意識的に「普段からやりたかったエロゲー的な事をやる」と意気込み、その意気込みにヒロインが呼応する事で主人公(=読者)は肯定され、その「肯定されている」事を認識した時に主人公はヒロイン側の愛情を感じながらもその愛情という大義名分によって更に欲望を消化する事ができているのである。ラブコメとは読者の性欲処理も兼ねているのであり、本作はその性欲処理を自然な形で放出できている。ただし残念なのはヒロイン2人のうち1人が色気もなければ可愛げもないツンデレである事で、何度も言ってきたように「アンタが性犯罪起こす前にアタシが仕方なく相手してあげようと…」などと言われてどうしろと言うのだ。ラブコメとは男(=主人公=読者)が活躍する物語であって、マゾの物語ではないのである。
第13位:完全服従カノジョ。/みやもとゆう[マックス:ポプリコミックス]
- 作者: みやもとゆう
- 出版社/メーカー: マックス
- 発売日: 2013/08/22
- メディア: コミック
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第12位:嫁まみれ/さきうらら[ティーアイネット:MUJIN COMICS]
- 作者: さきうらら
- 出版社/メーカー: ティーアイネット
- 発売日: 2011/04/30
- メディア: コミック
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というわけなので本作はかなり良い出来になるはずだったのがこのような順位となったのは「嫁」になって間もないはずの夫婦達が導入部時点では愛の対話を凝縮させていないからである。「平凡で地味で冴えない主人公が美人と結婚できている」という事でラブコメの第一関門は突破しているが、既にヒロインは「嫁」となったからには最大限の愛を主人公にぶつけなければ嫁になった意味がないのにただ「主人公が好きだから」の延長線での性交渉しか展開されず、それではラブコメの第二関門である「主人公に貢献する・献身的になる、最大限の愛情を持って応える」、そして最終関門である「主人公に支配される」には至らないのである。本来の意味での「嫁」としての性交渉は後半の「日本一の出生率を誇る町であり子宝に恵まれる名物温泉」場面まで待たねばならず、そのスロースタートぶりにこの順位となった。最初から名物温泉での性交渉を出しておけばかなりの高順位になっただろうし、そもそも「嫁」に限定しない方が良かったのではないか。「嫁」と全く関係ない短編(アイドル隊長とアイドル)の方が「アイドル親衛隊隊長の家に突然本物のアイドルが」→「アイドルがアイドル親衛隊に積極的にアプローチ」→「愛を確認しつつ性交渉、性交渉しつつ愛を確認」→「結婚、アイドルは嫁に」という事でラブコメのテンポもいいし「嫁」の持つキュートさが鮮やかに表れている。まあ、次回作に期待というとこですかな。
第11位:いちゃらぶっ!/もずや紫[エンジェル出版:エンジェルコミックス]
- 作者: もずや紫
- 出版社/メーカー: エンジェル出版
- 発売日: 2011/12/17
- メディア: コミック
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というわけで本作であるが、短編集であるから玉石混交であるとは言え「消極的な主人公(もちろん、地味・平凡・冴えない)に積極的なヒロインが攻める」というストーリーラインは確保されている(そうでないものもあるが、その分は減点してこの順位となった)。各短編とも性交渉へと一足飛びに展開するのではなく律義にヒロイン側から主人公へ愛を告白した上で性交渉へと流れるが、しかしヒロインによる告白とは「巻き餌」程度で、その「巻き餌」によって主人公もヒロインに応え、応える事によって元来積極的だったヒロインは更に積極的に性交渉を展開し、それら快楽の共通認識によって主人公とヒロインは一体化するというのが本作の特徴である。そのため主人公は「地味・平凡・冴えない」「消極的」である基本設定はそのままに快楽によってヒロインより優位に立ち(快楽を与えるのはあくまで男側である)、ヒロインはその主人公に従いながら「積極的」という設定は維持しているので今後も性交渉前後はヒロインが積極的に出ながら性交渉となった場合主人公が優位に立つという繰り返しが行われる事の期待を抱かせながらフェードアウトしていくのである。性交渉前→性交渉→性交渉後の工程が非常に安定しているので読めば読むほど味が出てくる作品であった。
しかしどのおっぱいも何となく垂れている気がするのは俺だけか。それとも巨乳ってのはこんなもんなのかな(知らんがな)。
第10位:デレメロ/幅ヒロカズ[若生出版:WAKOH COMICS]
- 作者: 幅ヒロカズ
- 出版社/メーカー: 若生出版
- 発売日: 2012/11/30
- メディア: コミック
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断っておくが俺は本作を批判したいのではない。数多くのエロ漫画の中から本作を取り出す以上、そして「平凡な主人公」と「美人でかわいいヒロイン」という難しい組み合わせを勇気を持って選択した本作は優れたラブコメであり作者には敬意を払っている。しかし主人公とヒロインが出会って性交渉へと流れる一連の作業がまるで一本の線のように起伏がないのは確かで、読めば読むほどキャラクターや性交渉の印象が薄くなっていくのであった。各短編は「ヒロインから主人公に愛を告白する」「成り行きで性交渉」「それによってお互いの気持ちに気付く」等の段取りを踏んではいるものの、ではなぜヒロインには主人公が必要だったか、どうして2人は性交渉へと至ったかが読者に迫らずに進められ、特に作画力が優れているわけでもエロさが強烈なわけでもないので印象に残らないのである。それは結局のところ熱意の問題で、精神論は好きではないが、タイトルにあるように「デレデレでメロメロ」なエロ漫画にするのであればヒロインが主人公にデレるとはどういう事かを作者が吸収し消化しなければヒロインの中から「デレ」は生まれないのである。そのためどこかで見たような「デレ」をヒロインにくっつけただけに終始して印象に残らないのであった…とは言うものの、本作が優れたラブコメである事は保証する。特に性交渉後の余韻の見せ方は他の作品にはない穏やかな雰囲気で包まれている。あとは「性交渉前→性交渉」へと至る際の見せ方の問題である。次回作に期待しよう。
第9位:ふたりきりの放課後/槍衣七五三太[コアマガジン:メガストアコミックス]
ふたりきりの放課後 (メガストアコミックス) (メガストアコミックスシリーズ No. 327)
- 作者: 槍衣七五三太
- 出版社/メーカー: コアマガジン
- 発売日: 2012/01/19
- メディア: コミック
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自慰に使えるかどうかが成年ラブコメのポイントなのではない。主人公(読者)にとって「都合のいい展開」でありながら、それがヒロインにとってはどうしても必要な展開だった(主人公と結ばれる事が必要だった)、そしてその主人公は「地味、平凡、冴えない」等の俺及び諸君と変わらぬ男である事にラブコメの快楽と目的があるのであって、性交渉描写自体はあってもなくてもよいのである。しかし成年漫画である以上は性交渉描写が必ず必要なのであり、その強制された関係性の中で主人公とヒロインの結びつきを描く事でラブコメが生まれよう。作者はその関係性をうまく料理している。成年ラブコメとはそのようにして回転していくのである。
というわけで本作は3位以内に入ってもおかしくないのに9位となったのは…本短編集の一つに「穴兄弟」的な話があったからである。アホか、それではただのしょうもない変態だ、「主人公とヒロインの関係性」云々を議論している俺の顔に泥を塗る気か。よく考えなさい。
第8位:おとなりカノジョ。/蜜キング[マックス:ポプリコミックス]
- 作者: 蜜キング
- 出版社/メーカー: マックス
- 発売日: 2012/05/24
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しかしながら本作が8位となったのは各短編のヒロインは主人公との関係云々とは別次元で積極的だからで、男が考える「積極的なヒロイン」となるとどうしても「主人公に愛情を持っている」事と同時に「エロ」「淫乱」が出ざるを得ず、それは「ヒロイン→主人公」という愛情のパワーを何割か打ち消してしまうが(この女はただ淫乱なだけだから俺に股を開くのではないか)、作者が女であるためにそのような「エロ」「淫乱」は無縁で、更に積極的でありながらも可愛らしさも表現するという男作者ではできない事をやっているのである。後半の金持ちお嬢様ヒロインと執事主人公の短編を読めばわかるが、男が描けば確実に痴女的になるだろう暴走気味のヒロインの行動を女が描く事でかわいらしく憎めないよう、しかし主人公に最大限の愛情を持っている事が料理されている(笑顔で「今後は基本ハメ撮り致しましょう」と言っても…ドン引きにはならない。少し引くぐらい)のである。そうであれば問題ない、ラブコメの可能性はまた一つ広がったのである。
第7位:かなことおじさん/大守春雨[コアマガジン:メガストアコミックス]
かなことおじさん (メガストアコミックスシリーズ No. 350)
- 作者: 大守春雨
- 出版社/メーカー: コアマガジン
- 発売日: 2012/07/19
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表題作以外の短編も状況に応じてヒロイン側が臨機応変に主人公を野獣化させる(睡眠薬を入れて叔母が甥を…え?)事に成功(して性交)しているが、やはり表題作のように「主人公との既成事実を獲得するため時間をかけて作戦を練る」というインパクトを前にしては小粒な感じは否めなかった。ラブコメとは「平凡以下」の主人公に対してヒロイン側が愛を持って応えるものであり、成年漫画であれば具体的な性交渉及び性交渉へと至る過程においてその愛を確認できるものなのである。しかしながら「ヒロインが主人公を犯す(つまり逆レイプする)」という手法は取らず、最終的には主人公側が合意の上で犯す事が大事なのである。本作によってそれを再確認できた。
第6位:孕みたい彼女/笑花偽[エンジェル出版:エンジェルコミックス]
- 作者: 笑花偽
- 出版社/メーカー: エンジェル出版
- 発売日: 2011/07/16
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しかしながらハーレムものの醍醐味は何と言っても「孕みエンド」であり、本作ではヒロインを含めた4人の女が「もうすぐ会えますね、私の赤ちゃん」「喧嘩はやめましょうよ、私たちは主人公の子供を産める仲間なのですから」と言う事でハーレムがある、ハーレムにいる事も肯定されているのである。これぞ男のロマンであり、このようなハーレムを自分にも構築できるかもしれないと希望を抱かせる(百万人に一人なら自分にもチャンスがあるかもしれない)事がラブコメなのである。
第5位:そとの国のヨメ/睦茸[ワニマガジン社:WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL]
そとの国のヨメ (WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL)
- 作者: 睦茸
- 出版社/メーカー: ワニマガジン社
- 発売日: 2013/08/01
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で、内容であるが、ヒロインを2人配置し、1人は主人公に対しツンデレ、1人は主人公に最初からデレデレにして、ヒロイン1とヒロイン2が諍いを起こす事でヒロイン達が内に秘めている想いが発現され、その発現によってやる時はやるが(セックスの事を言っているのではない)普段は特に何という事もない平凡な主人公の存在が物語上でクローズアップされ、主人公の存在感に比例してヒロイン2人の想いも大きくなりヤる時はヤる事で(セックスの事を言っている)ヒロイン2人の中で自分(=主人公=読者)がどれだけ大きい存在であるか、依存されているかがわかり、ハーレム状態(不安な3人4脚)へと流れ込む事を自然に浸透させる構成となっている。そのため読む方は「肩の力を抜いて読む事ができる」どころか、頭をカラッポにして読む事ができ、読後は充電完了した携帯電話のようなパワーを持つ事ができよう。
また本作者の別作品(2010年成年6位「あまみドコロ)でも述べたように、本作もその甘さに特徴がある。とにかくヒロイン2人は主人公がいなくては生きていけないほどベタベタなのであり、それはサキュバスだからという設定上の問題なのであるが、その設定すらも主人公とヒロインの愛情の中に落とし込んでいるので主人公(=読者)は安心して性交渉に励む事ができる。またヒロイン達はサキュバスに生まれて主人公(=読者)と出会った事を心から幸せと感じており、本作は性交渉を通した甘い愛の物語であった。ラブコメとは主人公とヒロインと愛の物語であり、その愛をいかに主人公(=読者)に都合の良いものにするか(甘ったるいものにするか)が問われているのである。
ところで、性転換ものって本作のヒロインのような事を言うんですか。えらく可愛かったんで、ちょっと手を出してみるかなあ…。
第4位:禁愛乙女/肉そうきゅー。[マックス:ポプリコミックス]
- 作者: 肉そうきゅー。
- 出版社/メーカー: マックス
- 発売日: 2011/05/26
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「そんなものがあるか」と言われるだろうが、本作がある。性交渉前→性交渉→性交渉後の主人公とヒロインの動きを丁寧に描く事で、「モテない男」で「価値がない」はずの平凡主人公は美人でかわいいヒロインにとっては世界でただ一人だけの愛する男である事を認識するのであり、それによって読者(=主人公)を優越感に浸らせ、しかも「俺みたいな平凡な男が何でこんな美人でかわいいヒロインをゲットできたのだろう」「ゲットできたのはヒロインの気まぐれにたまたま当たったからで、いつか捨てられるんじゃないだろうなあ」と劣等感と疑惑を抱かせないよう性交渉及び性交渉後においてもヒロインの圧倒的な愛情で主人公を包んでいるのである。まさに「圧倒的な愛情」と呼ぶのが本作ではふさわしいが、そのような偉大なものを提供できるのはラブコメだけであり、読者は「希望と救済」を感じる事ができるのである。
各短編ともヒロイン側からアプローチするが、そのアプローチに至るヒロインの想いを主人公にぶつけながら(例:「バカップル兄妹」)それが決して主人公にとって重くならず、しかしその想いは「ヒロインの方から言い出さざるを得ない」ほど大きくどうしようもない事を主張しており、それに主人公(=読者)が応えて性交渉を行っている時も性交渉が終わった時も継続してヒロインは主人公に対して大いなる愛情を身体全体で表現しているのでページのどこを取ってもラブコメ的表現に溢れているのであった。そのため主人公(=読者)は安心して作品世界に浸る事ができ、読後は充電完了した携帯電話のようなパワーを感じる事ができよう。この溢れ出るほどの圧倒的なラブコメ的パワーはもちろん作者自身の力量によるものであろうが、これほどのパワーを躊躇なく提供できるのはやはり掲載誌である「ポプリクラブ」(2006年成年1位)があってこそではないか。これからも大事にしていかなければな。
第3位:俺の嫁メモリアル/杉浦次郎[茜新社:TENMA CIMICS LO]
俺は世界のラブコメ王でありロリコン王ではない。しかしラブコメ王は寛容であるからロリコンであろうがなかろうがそれが反ラブコメでなければ許容しよう。ヒロインが小学生であろうが熟女ババアであろうが主人公への接し方がこれまで述べてきたラブコメのセオリーを満たして、主人公が平凡な男であれば問題ないので安心されたい。
というわけで本作品であるが、「小学生にしてご主人様専用の卑しいメス豚です」「こんなかわいい10歳児が僕のものになるなんて夢みたいだ」「変態小学生の子宮を子種でタポッタポにしてやる」に代表される、まあフィクションだから許される犯罪的な言葉がそこかしこに飛び交いながら9歳だか10歳だかの小学生とヤるわけだが、その小学生ヒロインがとにかく純粋に主人公に対して愛情をぶつけてくるので主人公側も誠意を持って応えなければならず、とは言うものの主人公は例外なくロリコンなので欲望の限りを尽くしてしまうが、しかしヒロインは主人公が大好きなので(「いい大人なのに赤ちゃんみたいや、かわいいよー」「そういう事はさあ、他人様に漫画で言うんじゃなくて私に言ってくんねえかな。言葉とおちんちんで」)問題ないわけである。
つまり好きな女がただ小学生だっただけなのである。主人公側は小学生ヒロインに愛を表現しようと小学生ヒロインの小さな性器に凶暴で獰猛な性器を押し込むわけだが、それが愛情表現である事は主人公もヒロインも、そして読者も分かっている。だから主人公(=読者)の性器を小学生ヒロインの中に入れることによって「あいしてる」が伝わるのである。ヒロインはその「言葉とおちんちん」に全身で喜びを表現し、主人公に愛しさを感じ(「一生エロまんこの面倒見てやる」「一生…見てえ…」)性交渉の盛り上がりはピークに達する。打算を覚えた大人ではなく小学生だからこそ表現できる事もあるのであり、本作はそれを見事に表現している。小学生ヒロインは主人公の「かわいいお嫁さんになる」事を目指すが、その「お嫁さん」とはいわゆる小学生の女の子がいう可愛らしい幼い想いであり、その「愛らしく幼い純粋な想い」を持った小学生ヒロインを前にして主人公は奮い立つのである。何度も言っているが、性交渉の「きっかけ」をヒロイン側が誘発するところにラブコメの最大の魅力があるのであり、性交渉という上昇気流に乗ってしまえば男は果敢に女という大陸に挑み主人公側もまた愛を囁くのである(「自慢したかったんだ、俺の嫁さんが世界一かわいいて」)。とにかく俺は感動した。ロリコン界の事はよくわからんが、こんなにいいラブコメがあるなら俺は君達を支持しよう。「将来ある女の子がロリコン男に嫁いで毎日スケベな事されて幸せ」。
第2位:好きだらけ/なぱた[ワニマガジン社:WANIMAGAZINE COMICS SPECIAL]
大事な事なので何度でも言うが、ヒロイン側が積極的に主人公をリードしなければならないが、淫乱(「男なら誰でもいい」「挿入してくれるなら誰でもいい」)にしてはならない。成年版ラブコメにおいてはヒロイン側の積極的な性交渉への助走は「相手が主人公(=読者)だから」という理由付けが必要なのであり、その「主人公が相手だから」ということを主人公・ヒロイン・読者がしっかりと確保した上で「成年漫画としての表現」に移行する事でラブコメとして完成されるのである。
では本作はどうなのかと言えば主人公とヒロインが性交渉へと突入するわずかの間にヒロインが主人公へ依存している、もう主人公の事が好きで愛しているから性交渉がしたくてたまらないという事をヒロインの身体全体を使ってほぼ完璧に描いているところがかなりの高得点であった。また陰影を駆使して肉感的に表現したヒロインの肉体は非常に高い作画力であり、その「エロ」を感じさせるヒロインがひたすら主人公への愛を表明するのだから成年版ラブコメの理想形というよりはお手本であって、ラブコメに必要なのは練り込まれた設定でもなければ淫乱なヒロインでもない、「主人公(=読者)とヒロインの関係性」に対する真摯な態度であるという事を再認識させられた。
とにかく各短編のヒロインは主人公及び性交渉へと飛び込むその勢いに迷いがない。そのおかげで主人公(=読者)は全く身構える必要がなく自然に対応する事ができ成年ラブコメのもう一つの効用である性欲処理を果たす事もできるが、そこで主人公が次の段階、「自らに依存しているヒロインを更に依存させる事で支配する」ところまで行かないのが少し物足りなくもあり1位を逃した。忘れてはならないのはラブコメとは男が女より優位に立つ思想ということであり、最終的に主人公(=読者)は女を征服(支配)しなければならないのである。そうする事によって読者は自信を得るのである。まあそれについては1位で述べる事にしよう。
しかし…この猫耳と首輪の破壊力はすごいな。
第1位:つくろう!オナホ姉/秋神サトル[ティーアイネット:MUJIN COMICS]
- 作者: 秋神サトル
- 出版社/メーカー: ティーアイネット
- 発売日: 2012/08/03
- メディア: コミック
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そんなわけで本作であるが、まず優れた成年ラブコメとは何かと言うと繰り返しになるがヒロインが主人公に積極的に愛を表明する事である。その愛を確認するために性交渉の現場が描かれ、常にヒロイン側が性交渉の機会を提供する事で主人公はヒロインを支配するわけだが、それを更に極限まで突き詰めればヒロインが「主人公(=読者)の肉便器である」を肯定する事になろう。もちろん「肉便器」と言ってもそれは主人公のために身も心も捧げるという意味であり、ただの淫乱(「男なら誰でもいい」「挿入してくれるなら誰でもいい」)ではない。主人公(=読者)専用の肉便器であることが絶対条件であるが、それを本作ではくどいくらい表明しているので安心して読む事ができる。
ひたすら性交渉を要求してくる主人公に対して「私は世界で一番幸せな女の子よ」「一生あなたの都合の良い肉便器でいいからずっと傍にいさせて」と言い、「あたし生オナホになるよ、お兄ちゃん専用の穴になります、どんな命令でも喜んで従います」「オナホ代わりに使われるのが幸せ」と言うのはまさに肉便器である事を肯定し強調しながらそれが主人公専用である事を表明しているわけで、しかもそんな主人公は「平凡で地味で冴えない」ただの男なのだから読者は燃え上がる勢いで本作を読む事ができる。そして肉便器なのだから主人公(=読者)がどんな変態的な事をしようともヒロインがそれに身を震わせながら喜ぶ事はわかっているので、主人公(=読者)は無敵となり、欲望のタガを外し、想像の羽に乗ってどこまで飛べる気になれる。それは日本ラブコメ大賞成年版が追い求めてきた一つの到達点である。自信と誇りを持って本作品を1位と主張して今年を終え、「日本ラブコメ大賞2014」に向けて生きていくことにしよう。「子作り披露宴最高よ!」