千葉五番勝負(2)BOOKOFF本八幡駅前店

「皆さんこんにちは、今週もラブコメ政治耳鳴全日記の時間がやってまいりました」
「…こんにちは」
「本日は月に一度のお楽しみ、裏東京毒探偵突撃古本屋の千葉五番勝負の第2回目でありますが、毎度毎度小汚い田舎者の愚痴と被害妄想に付き合わされてはたまらないという皆さんの声に応えまして、今回は当ブログでも度々登場しております『土曜日の女』さんに御足労願ったわけであります。どうぞ宜しくお願いします」
「ええ、まあ、はい」
「しかし何ですね、あなただいぶ太りましたね」
「は?」
「いや何でもありません。まずはこの裏東京毒探偵突撃古本屋シリーズはどういうことをしているかご存知ですか」
「知りません」
「やる気あんのか」
「何ですか?」
「いえいえ、何でもありません。まあ今回はこのような全くの素人にもですね、俺が何をしているのかわかるように土曜日の女さんをお呼びしたわけでして」
「はあ」
「ほら、NHKのドキュメンタリーとかで、たまにわけのわからんタレントとか女優とかが案内人になったり劇中ドラマをやって素人にわかりやすく見せたりするでしょう」
「はい」
「俺はああいうのを見るたびに腹が立つというか、素人にわかりやすくするのはええけどそのせいで浅すぎるというか、深いところまで突っ込まんし大体そんなことはとうに知っとるわいもっと深いところまで掘り下げんかいと思うんですね」
「…」
「というわけで今日も千葉のどこかに行くわけですが、まずはJR越中島駅から京葉線新浦安駅、それから武蔵野線に乗り換えて西船橋駅、更に総武線に乗り換えて本八幡駅に着いてBOOKOFF本八幡駅前店です。


 ではここまでで聞きたいことがあれば」
「えーと、そうですね。あの、電車に乗って千葉に行って…ブックオフに行くんですか」
「はい」
「近くのブックオフじゃ駄目なんですか?」
「はい、それはもう、基本的に今まで行ったことのないところに行きます」
「どうして」
「ものにした女にもう興味はないからね」
「はい?」
「いや、やっぱり休日はどこかに出かけたいわけなんですが、どこに行くのかって考えるのも面倒臭いので、じゃあブックオフ古本市場に行こうとなるわけです。で、出かける以上はですね、今まで行ったことのない駅で下りた方がいいかなと」
「なるほど」
「女房と畳は新しい方が良いですね。まして30歳を過ぎた女など」
「あなた、さっきからちょくちょく気に障ること言いますね」
「はあ。それにしても貧乳ですねいや違います違います買ったのはこちらです。14時54分に350円で買いました。

夏の前日 1 (アフタヌーンKC)

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 まあ読むのはこれからなんで、感想とかは年末の日本ラブコメ大賞で言います。それ以外で何かありますか」
「こういうのを買う時は、事前に調べて何を買うか決めているわけですか」
「いえ、大体ぶっつけ本番です。パラパラとめくって読めば大抵のことはわかります。表紙や背表紙を見ただけで内容が予想ついたりもします」
「内容の何が、買うか買わないかの基準になるんですか」
「それはもう、モテない男の願望をちゃんと満たしているかどうかですね。それと主人公はモテないわけですから平凡な男でなければなりません。平凡で、ブサイクだったり、勉強スポーツまるで駄目だったり、うだつの上がらないサラリーマンだったりね」
「ということは女が主人公だったりするのは…」
「ああ、もう、論外ですね。そんなもんはゴミですね。そんなもん読む人の気が知れませんね。男の俺が何で女主人公の話を読まんといかんのだと、俺はそんなに暇ではないのだと腹が立って仕方がないですね。そうでしょう」
「いや、あの、私は女ですので」
「そのわりにはペッタンコな胸やえーとですねこれからがまた長いんですが、まずJR本八幡駅から京成線の八幡駅まで離れているので結構歩きました」

「京成線?帰らないんですか?」
「はい、これから京成線八幡駅から金町駅まで行きまして、それからJRに乗り換えて綾瀬駅に行ってBOOKOFF綾瀬駅前店に行きます。東京の足立区です」
「綾瀬ですか。千葉じゃないんですか?」
「いや、千葉はこれで終わりです。これからが俺のゴールデンタイムです」
「…」
「外出してブックオフ等に行く時は、2店舗行かなければなりません。一つの店だけ行って帰るなどという味気ないことをする俺ではありません。これを『二鷹体制』と呼んでいます。そうすることで楽しみは2倍どころか3倍、4倍になるのです」
「はあ。でも何で綾瀬なんですか?」
「まあできるだけ遠いところに行った方がですね、移動している感じがするというか、休日をダイナミックに過ごしている感じがして面白いですし、綾瀬のブックオフは品揃えがいいので」
「前々から綾瀬に行くつもりだったんですか」
「いや、そこはわざと考えないようにしてます。鞄の中に常に東京路線図が入ってますんで、本八幡駅前店を出て、さあどうしようと思ってとりあえず松屋に入ってカレーの大盛りを食べながら考えて、そこそこ遠いし品揃えも良かったはずなので行こうと思いましてね。どうです、男のロマンでしょう」
「さっぱりわかりません」
「前に五反田の風俗嬢にこの話をした時もそう言われたな」
「風俗嬢と一緒にしないで下さい」
「ああすいません、貧乳のくせに太ってりゃ世話ないですわないや痛い痛い痛いです、というわけでBOOKOFF綾瀬駅前店です」

「何でいつも店の写真を撮るんですか」
「そこですよ」
「…」
「こんなことをして何の意味があるんですか」
「…だったらやめれば」
「やめたらやめたで変でしょう」
「そうですか?」
「男の踏ん張るところだ」
「は?」
「というわけでこちらを16時20分に300円で買いました。
団地妻さんのしあわせ (ヤングコミックコミックス)

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 さあ今日も無事に終わりましたよ。いやあ良かったですね」
「はあ」
「それではまた来週」
「あの」
「何ですか」
「出演料は」
「出るかそんなもん、ああ痛い痛い痛い、痛いっちゅうねん。わかりましたわかりました、じゃあこちらをどうぞ」
「何ですか、これ」
「来月の『永神秋門攻防戦』にも登場できる権利券です」
「…」