第6シリーズ 生命線(3)BOOKOFF飯田橋駅前東口店

 しかしながら今の俺は仕事において増長し貯金もそこそこたまってラブコメだ政治だ真面目な読書青年だと豊穣なプライベートを謳歌しているのだから食欲も性欲も並外れて沸き起こってくるのを止めることができない。そもそも東京独身一人暮らしの男が土曜日におとなしくしているわけがなく、頭の悪い阿呆の糞のイケメンならば合コンにでも繰り出すのであろうがあいにく俺はそこらへんについてはよくわからんので今日も今日とて風俗に駆け込むわけである。ちょっと待て「グッバイ風俗」計画はどうなった、お前はあのような男たちに使い回され色気などどこにもなくなった30過ぎの売春婦など相手にせずひたすら二次元のエロゲーにその身を捧げるのではなかったかと言われるでしょうがそこはやはり26歳の滾る欲望が肉の欲に抗しきれないわけであって、特に最近は「俺のように女に相手にされない男が金で女を買うというのは非常に論理的である」とさえ思っていてもう止まらんのであります。去年までの俺ならば「8月はコミケ、札幌遠征、総選挙とイベントだらけであったので今日はゆっくりと休もう」と言うところであるが何度も言うように今の俺は会社人間としての旨味を覚え大人としての旨味を覚え東京の旨味を覚えその欲望はとどまることを知らんのであり、いつか天罰が下りそうだがまあ死ぬ時は死ぬので大したことはないというわけでとりあえず池袋であります。

 北口を出てすぐに↑の写真を撮ったのだが、俺のすぐ左にいた40過ぎのハゲたおっさんのもとへ20代後半と思われる顔が不自然に白くまつげが毒々しく光った女が寄ってきて「すいませぇん。お待たせしましてぇ」と言っていたのであれは待ち合わせであろう。俺はああいうギャル系女ではなく熟女が好みだ、何を言っとるんだ、というわけで汚い雑居ビルの中にある受付に行って2万円を払ってホテルに入って店に電話して「×××ホテルの406号室」と言って
(中略)
 うーん。結論から言うとやっぱり二次元の方がいいわな。所詮「女の身体を使った自慰」みたいなものだからねえ。やはり俺もそろそろヘルスではなくソープにドカンと金を注ぎ込むべきでしょうか。まあ金に余裕があって、アレが滾り迸るのならば考えます。誰も俺を止めることはできんのだ。
 というわけで本題に入りまして裏東京毒探偵突撃古本屋シリーズでありまして、前回から一ヶ月以上経っての実施となります。この間コミケやら札幌やら総選挙でもうチン○の乾く暇もない何とやらであったが、俺の原点はやはり「意味もなくBOOKOFFを渡り歩き、満足する」という精神病院直行スタイルなのであるから無事帰ってくることができて嬉しく思います。9月に入って購入戦線2009及び日本ラブコメ大賞2009も後半戦でありフル稼働で臨まなければならず、140年続いた官僚支配による政治の大転換が今まさに行われようとしているのだからこれも観察しなければならず、会社についてもますます重要な仕事を任されこれから一層知識を吸収し各支店や工場をまとめていかねばならず、それとは別に特命で指示された××××試験を受験せねばならず、真面目な読書青年として政治・歴史・ノンフィクションから純文学・SF・ミステリー・ラノベに至るまで読破せねばならんのである。実に風俗に行っている場合ではないような気がしてきたが、とりあえずメトロ有楽町線池袋駅から飯田橋駅へ移動してBOOKOFF飯田橋駅東口店に着きました。

 「あなたは先々週阿呆のように札幌のBOOKOFFに行ったが、結局そこから何を得たのですか」と言われたので、俺は「何も得ていませんが、強いて言えばその日その時間に楽しい時間を過ごしたという実感を得ました」と答えた。「本を読むのが楽しいのではなく、本を買うのが楽しいのですか」と再質問されたので、「食堂に行って、『今日は何を食べようかな』と考えるのは、実際に食べるのと同じくらい楽しいことでしょう」と言ってやりました。そして品揃えの方はそんなに充実しているわけではないが、これを買おう。17時50分、350円。

センセ。 2 (ヤングチャンピオンコミックス)

センセ。 2 (ヤングチャンピオンコミックス)

 もちろんこれでさあ家に帰りましょうというわけにはいかない。人生は短く俺は変態なのだ(意味不明)。メトロ東西線飯田橋駅から中野駅へ移動し、電車に乗ってきた女子中学生と思われる集団は全員マスクをしており、電車内で本を読んでいると睡魔に襲われ夢の中で新聞配達のバイトをしていた時のいやないやあな事件が思い出され、華やかな男女がひしめく中野駅周辺の人だかりの中で「貴様らはその酒と色事にまみれた華やかできらびやかな時間を過ごせば過ごすほどその快感を忘れられなくなり、いつの日か破滅へと突き進むだろう、その様子を俺は安全な場所からじっくりと見てやるぜ」と毒づき、いつものようにまんだらけ中野店に着きました。そう言えば先々週札幌のまんだらけに行ったんちゃうんか。

 いや、初めて行く店ならともかくもう何回写真を撮ったら気が済むんだと俺自身も首をかしげるばかりなのだがとにかく歴史とは人間が作るのだ(意味不明)。店に入り成年漫画の棚を舐めるように見回していると20過ぎの顔は悪くない女二人がやってきて「あ、これ知ってるよ」「これもいいよね」などと化粧品を手に取るような感じで会話していたので俺は驚愕しそんなんだから風俗なんかに行くのだと反省し、「くっとろい奴」(日本ラブコメ大賞2008・4位)の2巻があったのでこれを買おうと思ったが結局買ったのはこちら。18時55分、420円。
カラスヤサトシ(4) (アフタヌーンKC)

カラスヤサトシ(4) (アフタヌーンKC)

 420円という価格設定は新古書店としては失格だがカラスヤサトシであればそれを乗り越えるだけの突破力があることは認めよう。俺は本を愛するが、常に経済合理性を追求するのである(単に貧乏根性が抜けないだけのような気もするが)。そのようなわけで本日の生涯は幕を閉じ、ロッテリアでシェーキのバニラとティップナゲットとポテトを食べて(だから太るのだ)、五反田の風俗へと消えて行ったのである。