図書室の淫精/睦月影郎[双葉社:双葉文庫]

図書室の淫精 (双葉文庫)

図書室の淫精 (双葉文庫)

 えー、そんなわけで突如として始まった春の大海戦四夜連続更新スペシャルの最終日でありますが実は俺って結構すごいのである。どれくらいすごいのかというと「10代後半の脳味噌の足らない経験も見識もない阿呆な女子高生が生意気なことをほざく糞アニメ」に出てくる10代後半の脳味噌の足らない経験も見識もない阿呆な女子高生が生意気なことをほざくよりもすごいのである。そんなことを言い出してもう10年になるかな。そのくせお前はラブコメが好きとか言うもんだからややこしいのだがそんな俺は結構読書好きだったりします。のみならず最近は読んだ後必ず感想を書くことにしていて、なぜそんなことをするのかというと読んでああ面白かったはい次ではいつまで経ってもその読書が俺の血となり肉となる気がしないのであって、だから結局こういう官能小説を読んだ後も何か書かねばなりますまいと強く考える次第なのである。まあ待ってくれ。最後まで読んでくれ。
 とりあえず俺と官能小説の出会いから話すと出会いは中学一年生の時である。図書館に堂々と豊田行二の「野望」シリーズが置いてあって自慰も夢精も経験していない俺は非常に興奮したものであるがそれが今の変態状態の原点なのであっていやそんなことを書きたいのではない。書きたいのは2002年秋の一時期やはり官能小説を4冊連続で読みしかも全て大学へ行く道中の電車内で読んだということであーっと思い出した確か俺は在来線を乗り継いで岡山駅まで行ったことがあるのだもちろん駅外へは出ずにだ。その時読んでいたのがあれはどういう官能小説だったかと(以下略)。
 で、えー、つまり本書についてであるが冴えない大学生の男が「魔淫の書」なる本を手に取るところから始まるのである。ただしこの本の中身は真っ白であり、そこに鉛筆で何か書けばその通りのことが現実で起こるというのである!「1ページごとに、セックスしたい相手の名と希望の行為を書けば」いいのである!というわけで主人公が体験する酒池肉林、欲情を感じた女を意のままに抱く男の完璧大河ロマンこそ本書なのだ!どうだすごいだろう!やったぜ!
 えーとですね、つまり日夜汗水かいて働く男の一瞬の清涼剤というのが官能小説の役割なのだからどうしてもこういうストーリーになってしまうのでありまして、これもまた読書大国の一つの花咲ける文化というやつでありましょう。憧れの図書室の司書(黒スーツに黒眼鏡の巨乳)とヤるのを皮切りに可愛らしい高校時代の同級生やテニスをするボーイッシュ系美人の先輩やグラビアアイドルと思う存分ヤって女たちは主人公の快楽の虜となるのである。いいですねえ。更にはこの女たちとめくるめく3Pまでヤるというのであるから男としてこれほど嬉しいことはありません。ほとばしる情熱がまぶしい男性諸君、今すぐ合コンに行くのはやめて本書を買いに行こうではありませんか。「麻央の喉がゴクリと鳴るたび、口の中がキュッと締まってダメ押しの快感が得られるのだ。それはオナニーでは得られない快楽と幸福感だった。しかもオナニーと違ってザーメンの処理も必要なく、出したものは全て美女の体内に吸い込まれ、栄養にされてしまうのだ」。
 ちなみに作者の性癖なのだろうが主人公は匂いフェチである。女の腋の匂いを嗅ぐのは何となくわかるが(俺はやったことないが)、足の裏を舐め足の指を一本ずつ味がなくなるまで舐めるというのは非常に変態チックな気がします。しかし女の肛門や小便をこれまた味わうというのでは正真正銘の変態であって、いやまあそんなことをわざわざ書かんでもいいのだが本書で一番印象深いのはこの変態プレイであってそれを書かなければ感想にならんのではないかといやですからつまり(以下略)。