<お詫びと訂正

<お詫びと訂正の御連絡>
 12月7日付「日本ラブコメ大賞2008(1)消費税解散」の文章において、誤った記述がございました。「2008年度購入戦線は12月1日に終わった」と書きましたが、正しくは本日12月18日において2008年度購入戦線は終わったとのことでした。これにより関係者の皆様に多大な御迷惑と被害を与えたことを内心ほくそ笑み、深くお詫びし、速やかに訂正致します。今後は「千人に一人は見ている」という大ブログを運営していることの社会的責任に十分注意していく所存であります。
   
 月曜日、いつものように遅くまで残って仕事をしていると後輩のHがやってきた。隣に座ってずっと黙っているのでどうしたのだと聞くと、実は今月いっぱいで退職するというので俺は面食らった。最初は悪い冗談だと思ったが「右の者、12月31日付で退職とする」旨の人事辞令を目の前につきつけられて当惑するしかなかった。既に辞令が出ている以上どうしようもないが、俺は考え直すように言った。別に義理人情からではなく、Hに辞められると俺の業務上支障が出るかもしれないからである。もちろんHは俺の言葉ごときで心を動かさなかった。
 火曜日にはこれまた今月いっぱいで退職する、俺の上司でもある係長の送別会があった。本当かどうかわからないが、係長の再就職先はまだ決まってないらしい。そして結婚もして係長になったばかりなのに辞める理由は結局最後までわからなかった。いやそれらしい理由は耳に入ってはいたが、本人からは聞けなかった。それに聞いたところでどうするのだ。
 翌水曜日はHの送別会をささやかながら俺と同期のKで行うことにした。Hに「銀座でも新宿でもいい、お前の行きたいところに行け。金は俺たちが出す。とにかく遠慮するな」と言って着いた場所は東京駅近くにある新丸ビルであった。しまった、Hはボンボンだったのだと思ったが万事休すで、我々は一人一万円もする高級レストランに入った。一杯850円というコーラを恐る恐る飲みながらHの話を聞くと、Hは会社を辞めた後家業を継ぐのだという。ゆくゆくは父の跡を継いで社長になるだろう、自分は気楽なサラリーマンでいたかったが、祖父が亡くなってどうしようもなくなったと言い、俺にはHの苦悩がよくわかるようでしかしわからなかった。選ばれた者の恍惚と不安というやつだなと冗談交じりに言ってやったが、Hは曖昧に笑ってこの何とかワインはおいしいんですよとしか言わなかった。そして一人一万円も払わせておきながら結局俺は全く腹が満たなかった。レストランを出てエレベーターへ向かいながら目に映るのはドラマやファッション雑誌から出てきたようなオシャレな男女がオシャレなレストランやバーで楽しそうに酒を飲み会話しているという、非常に気持ち悪い光景であった。身体の奥から嫌悪感が湧き上がってきて、エレベーターに乗ってもオシャレに身を包んだ女たちが嫌でも目に入ってくるので俺は目を閉じた。これが大人の階段というやつか。ちょっと違うな。
 そして今日は名前も聞いたこともない何とかコンサルタント会社の「中堅社員に求められるリーダーシップ云々」のセミナーに参加するため池袋に向かった。朝10時から18時までぶっ続けであり、係長が言っていた「非現実な理想論。時間の無駄」というのは本当だったなと思いながらも懸命にメモを取るなどしたが、周りは30代40代ばかりであり俺の横にいた40過ぎと思われるおっさんは午後からずっと寝ていて、そのせいかどうかわからぬが一体俺はこの先どうなるのだろうと物思いに耽ってしまった。
 18時終了の予定が17時半に終わり、今日はもう直帰してもいいと上司に言われているので早々に帰ることにするが、折角池袋に来ているのでジュンク堂書店に寄ることにする。本来ならば12月は本を買ってはいけないのだが、以前述べたように「会社帰りに本屋に立ち寄る大人」を体験できる機会を逃してなるものかである。別に風俗に行ってもいいが、俺がいつも指名していたユキはいなくなってしまっ(以下略)。
 というわけでジュンク堂書店池袋店である。しかしあれですね、俺方向感覚には自信あるけど、池袋だけはようわからんのよなあ。いつも北口か西口に出てまうわ。

 で、貧乏人のお前のことやから高いわとかしんどいわとか愚痴言いながら文庫本買うんやろといやらしい笑いを浮かべながら俺を馬鹿にしているそこのお前に言ってやるが今日俺はどでかい買い物をしてやるのである。というのも先月の名古屋旅行にて泊まったホテルで千円分のプリペイトカードをもらったのだがそれが何とジュンク堂書店でも使えるのである。ということは千円以下の文庫本を買えば今度は逆に釣りが出ないということでもったいないのであり、千円以上の本を買わないとそのメリットを享受できないのであるから俺は千円以上の本を買うという画期的にして斬新な購入攻撃を実行できるのである。とはいえ長く世間で続いたデフレに理由なき反抗をしてインフレし続け、じゃあ今度世間がインフレになったらデフレになるのかと思えばやはり値上がりを続けるというけしからん出版業界のことだから千円以上の文庫本もあるのであり、だから俺は結局何を買ったらいいのでしょうか。まあそのあたりはね、この日記を長らく愛読している皆さんにはわかっているでしょうから繰り返しませんがね、しかし3千円以上もする本は買えんわなあ。
 店に入ったのは18時過ぎであり、買って出たのは19時半頃である。俺は「仕事帰りに本屋に立ち寄る大人」として、甘えん坊大学生だった頃常に抱えていた罪悪感を微塵も感じずミステリーやSFや現代文学から歴史、ビジネス書、政治の各本棚を丹念に見ていった。うーん。どれもこれもそれなりに面白そうだが図書館や古本屋でいつか出会うその日まで待ってられん、もう今欲しい今買うという本はないのですね。これはHが言ったように俺が偏屈なだけのような気がするが、しかしこれだけ色んな本が並べられているのに今や日本の老若男女のほとんどが本を読まないわけであるからやっぱり何かが足らんのでしょうなあ。というわけで買ったのは結局1階の新刊書コーナーにあったこちら。19時20分、1520円(2520円−1000円)。

戦後日本スタディーズ3 80・90年代

戦後日本スタディーズ3 80・90年代

 帰りの電車の中で異様に顔が白くてほっぺたが赤い女がいたり金髪男とギターケースを持ったブサイクな女が喧嘩したりしていた。そして2008年が終わるのである。色々なことが色々とあって俺は一体どうしたらいいのか皆目見当がつかぬ。しかし今は日本ラブコメ大賞2008のことだけ考えることにしよう。というわけで明後日に30位から順次発表していきます。ご期待下さい。