まぶらほ〜もっとメイドの巻〜/築地俊彦[富士見書房:富士見ファンタジア文庫]

 というわけで「兵庫県の糞田舎@お花畑」を追い出されて東京に帰ってきた俺はいかにして死すべきか。あの甘く優しくいやらしかった故郷は遠くまたしても東京東京あら東京ですYO!HA、HA!。…ああ虚しい。
 本書は2007年7月15日に古本市場AKIBAPLACE店で買ったものであるが、よく考えたら漫画版(日本ラブコメ大賞2006第25位)ではなく富士見ファンタジア文庫版を前に買ったのは2005年12月3日であり何と1年半も俺はこの極めて優秀な武器(ラブコメ)を温存していたのか。すごいぞ俺。やはりシリーズものは一年に一冊購入のペースで長く長く保たせるべきですね。しかし今度の糞田舎帰省で更に買ってもうたなあ。阿呆かお前は。
 更に言えば本作は外伝のメイド戦記シリーズ第2作目であり、では第1作目はいつ買ったのかというと2004年3月7日に地元の老舗大型古本屋ブックインザスカイ(仮称)で315円で買っているのである。ほほう3年半前ですか。まだ3年前の参院選も行われておらん時となるとずいぶん昔のような気がしますなあ。そして痴人である俺は当然その時の情景というのを覚えていて、来年卒業だというのに就職活動もせずラブコメにうつつを抜かす自分が誇らしくまた情けなく思っていたあの頃はまさしく青春のど真ん中でありました。
 まあ青春が終わっても人生は死ぬその時まで続くのであるからしてこうして第2作目も無事読むことができまことに喜ばしい限りであります。9月20日、東京を脱出し糞田舎へと向かう新幹線の中で19時45分から21時3分までの時間を使って本書は読まれた。たかが245頁のしかも字数の少ない改行だらけのライトノベルスなんぞ2時間もあれば読み終えてしまうのだが1時間18分というのは新記録である。内容が面白いのもさることながら新幹線で座って読むことからくる集中力によるものであろう。やはり読書というのは長時間の電車移動時間が一番いいという俺の持論は現在も通用するのであり、ああ大学通学片道1時間半の頃は良かったなあ。それが今では…(号泣)。
 さて本作は言うまでもなく優れたラブコメであり今や日本ラブコメ界のベテランである。俺がはじめて本作を買ったのはもう5年以上前の2002年5月26日(ジュンク堂書店三宮店で何とサラで買った)であり、これはもう言うまでもないことだがドラゴンマガジンの愛読者というのはほとんどが阿呆のボケの馬鹿たれの糞の花であるからそんな阿呆のボケの馬鹿たれの糞の花を相手に5年以上も第一線で活躍しているというのは大変なことである。話がそれましたがとにかく前から言っているように(http://d.hatena.ne.jp/tarimo/20050221#p1)本シリーズに一貫している露骨な権力主義描写というものは俺が最も憎むところであるが本書は外伝的位置づけということでそれがなく、代わりにと言うべきか第二次世界大戦以後の戦史パロディが散りばめられていてこれはもう作者が好きにやっているのだろうがかわいいメイドキャラ(というかリーラ)とあいまって非常に好感が持てる描写になっている。ただしパロディというのは原典を知っていてこそ面白さが発揮されるものであり、俺も国際政治史上の事件であるジョナサン作戦やイーグルクロー作戦なら何となく知っているが何とか装甲車や何とか突撃銃とか言われてもよくわからんし、そもそもドラゴンマガジンの愛読者である阿呆のボケの馬鹿たれの糞の花が知っているわけがないのでこれはもう作者の自己満足の産物でしかないのは明白であるがにもかかわらず「まぶらほ」ほどのビッグネームであればキャラがいるだけで(和樹と夕菜とリーナがいるだけで)面白いというのはキャラクター小説の何とか効果というやつなのだろうか。まあ俺はラブコメだったら何でもいいが、そこらへんは大塚英志とかいう頭のおかしな人に聞いてみよう。今日の俺はえらく喧嘩をふっかけているがこれは田舎から強制的に戻らされて情緒不安定になったのをいいことに言っているわけではもちろんありません。
 しかし「ご主人様に忠誠を誓い、以後全てを捧げる」なんて可愛い子ちゃんに言われたら勃起しちまうぜぐへへへへへへへ。