第Ⅲシリーズ 彼の不安を褒め称えよ④BOOKOFF中野早稲田通り店

 そんなわけで土曜日でありBOOKOFFに行ってラブコメを買ってくることにしよう。この「毎週土曜日に東京23区のどこかのBOOKOFFに行く」記念すべき第一回が行われたのは去年の8月12日でありもう一年以上このような阿呆なことをしているのである。夏を過ぎ、秋が訪れ、冬を見舞い、春を見て、また夏がやってきたのである。そうかあの第Ⅰシリーズ第一回であるBOOKOFF早稲田駅前店から一年が経つのか。いやあ一年色々あったなあ。しかし過去を懐かしんでいては時間がなくなるだけである。過去を懐かしむのは死ぬ一年前からにしよう。はて俺はあと一年以上生きられるのかしらん。
 夕方、歩きに歩いてメトロ丸の内線銀座駅から四ツ谷駅に行き、JR中央線に乗り換えて中野駅で下りる。いやあ我ながら毎週毎週色々なところに行くねえ。この前は板橋区と足立区、前の前は品川区、今回は中野区である。そして中野区で中野駅と言えばまず行くのは「まんだらけ」である。やはり東京に住んでいる以上永田町神保町秋葉原とこの中野まんだらけには月に一回は行きたいものですな。
 ところでまんだらけの入っている「中野ブロードウェイ」には個人商店と思われる雑多にして貧相な店々が(というと失礼だな)乱立しているのだがこれなど我が故郷兵庫県糞田舎の糞駅の商店街の最盛期の頃を思い出さずにはいられない。もはや完全にさびれてしまったあの糞田舎商店街だが、俺が小学生低学年だった頃は町一番の人気スポットだったのである。いかんいかんまたあの頃の話か。大体どこに行っても「明石みたいだ」「三宮みたいだ」としか言わんではないかお前は。何を言う俺はあの兵庫県で22年を過ごしたのだぞたかが2年と少しの東京に抜かれてたまるか。そういうわけで「まんだらけ」へ行く。相変わらず見るのは本だけである。本当はアニメのDVDも見たいのだが、今はラブコメと政局観測に手一杯であまりアニメ関係に興味が湧かないのである。まあふとしたことでまた買い漁るでしょう。長く付き合うコツは無理しないことですな。
 今日も品揃えが豊富でようござんす。ラブコメ大賞2007関係でいうと「まじかるストロベリイ」や「いぬみみ」、それ以外では「ふたりエッチ」や「ながされて藍蘭島」があり、いずれも股を開いて俺に挿入して欲しそうにしているが買ったのはこれである。

 しかも何をトチ狂ったか210円である。いやいやこれ6月に発売したばかりのアツアツの新作品じゃないのかね。普通315円か350円だろう。いいのかな。本作は言わずと知れた2006年度日本ラブコメ大賞第1位であり何とこの「裏東京毒探偵突撃古本屋」第Ⅰシリーズ第一回に第1巻を買っているのである。これはもちろん狙っているのでありまして、このあたりの購入術が芸術的と言われるゆえんなのです。一年で五冊というのは我が購入戦記上滅多にないことであり今あなたは歴史の証人になったのだおめでとう。
 で、ここからが本番であります。今回行くのは中野早稲田通り店である。中野区のBOOKOFFも今回で3店舗目であるが、第一シリーズ(中野野方店)・第二シリーズ(東中野店)ともに芳しくなかったのであまり期待はしないで早稲田通りを東中野方面へ歩く。今回の店は駅からかなり離れたところにあり、周りの風景を楽しみながらゆっくり歩くことにする。歩きながらいつも思うことだがいわゆる個人商店、大手チェーンではない零細商店は地方より東京の方が生き残っている気がする。人が多いゆえか。他にも「巣鴨信用金庫」の看板が見える。なるほど東京とて地方であり地方銀行はあるわけだ。ああ時刻は20時過ぎであり人がほとんどいない夜の通りを一人歩くと心がなごむ。そのようにして着いたBOOKOFF中野早稲田通り店は意外に品揃えが良く、「ふたりエッチ」や「マジカノ」を買おうかとも思ったが買ったのはこちらである。350円。
逆境戦隊バツ「×」〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)

逆境戦隊バツ「×」〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)

 本作は今年度日本ラブコメ大賞のダークホースである。いやあ年末が楽しみですなあ。