「ぼくはこんな本を読んできた/立花隆」(文藝春秋)

 前述の通り、読んでいてこれほど楽しい思いをしたのは久しぶりである。本書は作者の読書論と読書日記であり、読書好きにはどの人の読書論・読書日記も面白いものだが作者のものは特に面白く、俺もこれぐらい本にのめり込める生活ができたらなあと痛切に思った。俺にもかつて政治ジャーナリストを目指した時があったなあ。
 それにしても作者の読書日記で展開される読書範囲の広さには驚く。作者は小説はほとんど読まないようだがノンフィクションは何でも読んでいて、国内国外の最新社会事情や政治事情から医学、文化、歴史、宇宙論、美術史、写真論、生物学からサブカルチャーもの、トンデモ本まで網羅する姿勢には脱帽である。俺もこの百分の一ぐらいでいいから読んでみたいものだ。
 ちなみに本書は故郷・兵庫県糞田舎のブックトワイライト(仮称)で105円で買ったものです。いやあ105円でこんないい本が手に入るなんて、住みやすい世の中ですねえ。