そんなこと言われても

 そんなこと言われてもねえ。今さらそんなこと言われてもねえ。もう遅いわけでねえ。一体誰が「エウ゛ァンゲリオン」なんて見るんだろうねえ。10年前にあんな訳のわからん終わり方させておいて、俺たちを激怒させておいて、何を言ってるのかねえ。またしても腹が立つねえ。俺はLASに青春の一時期を費やした過去を持つ男ですからねえ、やっぱり腹立つわけでねえ。一日中シンジとアスカとラブコメのことばかり考えていた6年前にこのニュースがあったら俺も素直に喜んでたんだけどねえ。もう俺はすっかり歪んだ大人になっちまったからねえ。しかし何を言ってるのかねえ。阿呆なんとちゃうか。で、主題歌が宇多田ヒカルバツイチですか。馬鹿にしとんのかわしらを。そう言えばこの女は俺と同い年か。そうか俺はいまだに童貞だがこいつは結婚して離婚したのか。ほほう。やはり色々な人がいるのですねえ。LASですよLAS。わかる人にはわかるんだよね。

 
 会社は依然不可解極まりない事態のままでありまして、山田副部長(仮名)・稲葉係長(仮名)コンビが実権を握り敵も多く作りいつの間にかその山田・稲葉派に属していることになった俺ははてどうすればいいのだ。更に俺のいる課には俺と同い歳の同期入社の遠野(仮名)がおり今のところ俺と遠野(仮名)ともに仲良くやっているがいつ敵同士になってもおかしくないわけで、その時俺はどうするか。別に出世争いをする気はないがもしどちらかが営業に戻されるなどという事態になれば俺はどんな汚い手を使ってでも遠野(仮名)を倒すだろう。それぐらい俺はもう営業に戻りたくないのだ。ちなみに遠野(仮名)は自分のことを平沼部長代理(仮名)派だと言い、確かに山田・稲葉派ではないのは明白だが実は平沼部長代理と俺は結構仲が良かったりするのである。うひひひひ。この話はフィクションです。