2016・不幸不幸の大合唱

 さて前回の「永神秋門攻防戦」は全国図書館大会にかこつけて敢行したのだったがそれはいつだ。2年前の2014年11月か。では東京に出て暮らし始めこの「永神秋門攻防戦」そのものを始めたのはいつかと言うと2005年だから11年前だ。11年。それはもう大変な月日だ。この間多くの人が死んだ、優しかった親しかった上司先輩同僚はいなくなった。しかし俺はこの東京から一歩も動かなかったがそれはひたすら怯え震え、怠惰に惰性にその日その日の快楽に身を任せ、居直り、逃げた結果の歳月であって何一つ俺は変わってはおらんし成長してはおらんのでありそうして22歳のあの日から11年が経ったのであれば向こう11年先も俺は変わらんのは確実であり実に暗澹としてしまう。が、11年経ったところでまだ44歳だ、まだ生きてはいるはずだ、しかもその頃にはもう父親も母親も死んでいるだろうから俺は身軽なはずだ、最近やっと自信が持てるようになったのだが俺はルンペンにはならずに済むはずだ、今の会社を追い出されても兵庫県糞田舎の底辺でそれなりに暮らしていけるだろう、俺の血となり肉となったラブコメや政治やその他が俺を支え身銭を切って手中におさめた本やビデオその他が俺を慰めてくれるであろう。これこそ長く生きた者の武器なのだ、未来を信じ明日を夢見る者はどうせ死ぬのだ、過去だけが真実なのだわはははははははと厳かに陰気に高笑いを響かせて家に辿り着いたのは日付が変わる直前の23時55分であり、服を脱ぎ捨てたちまち万年床に倒れ込んで3時頃にふと目が覚めて風呂に入り歯磨きをしてえらい中途半端な時間に起きてもうたなあこれからまた寝れるかなあと心配になったものの阿呆のようにすぐに寝て、6時・7時・8時と起きては寝てを繰り返して見た夢は楽しかった先月の18きっぷ小旅行の続きであり苦痛でしかない職場での悩みの延長であり子供の頃から時々見るあの不可解な夢であり買ったまま未読の状態で積んである本のせいで床が抜けるという恐ろしい夢なのだ。ああ恐ろしい、俺に安息の日は来ない、いくらデブでハゲだからってこんな仕打ちはないじゃありませんか、街を歩けば幸せそうなカップルや家族がこの世の春とばかりに幸せを撒き散らしているというのに俺には何もなしですかいと不平不満を放出した割にはその後もダラダラと寝て、ようやく起きて「刑事コロンボ」のDVDを見て(最近また見るようになった)、上司から「政治や歴史に詳しくても何の役にも立たない、そんなものを読むぐらいなら日経新聞を読みなさい」と言われかれこれ1年半以上読み続けている日経新聞を読む事にして、大便を放出して、「プライベートと仕事は切り離す主義」などと悠長な事は言っとられんので仕事の延長線上というかとにかく大変憂鬱な作業に勤しんでいると午前が終わり午後になったのでもう無罪放免と全てを放り投げて今度こそプライベートやと掃除をして洗濯物を干してクリーニング屋に行ってカッターシャツを交換したのであります。なに11年も東京で一人暮らしをしているとそのあたりは苦痛でも何でもない、大体俺は料理を一切やらんのでやる事と言えば週に一回の掃除やクリーニング交換、週二〜三回の洗濯程度であり極めて快適に…おかしいなこれでは充実しているみたいではないか、違う違う、俺は不幸なのだ、だから街中で幸せを撒き散らしている男や女やバカガキを殴っても蹴っても許されるのだわははははは、18きっぷで山梨や小田原や名古屋に行こうがコミケに行こうが五反田の風俗に行こうが全ては俺が不幸だから許されるのだ正当化されるのだ俺は不幸なのだわはははははははははは。
 などとほざいている間にも時は流れ若い女老いその座をもっと若い女に追われるのだ、しかし俺は二次元の快楽に身を任せつつ五反田の高級デリヘルや川崎のソープランドに行きつつ真面目ぶって日本図書館協会の会員になって全国図書館大会に行ったりするのだ、それもこれも街中で幸せを撒き散らしている男や女やバカガキと違って俺は不幸だから万事が許(以下略)。これから永田町神保町秋葉原門前仲町へと自転車で移動するわけだが自転車は先月のコミケ以来使っていないので空気が減っているかもしれんので愛(自転)車「クイーン・ウィルコム」のタイヤに空気を入れていざ出発、もう9月も下旬にさしかかり沖縄では台風が猛威を振るおうとしているのに何と平和な土曜の午後だ、顔の半分を覆い隠すような巨大なサングラスをして犬を連れて散歩をしているような女など後ろから思いっきり蹴ってやれと晴海通りを北上すれば歌舞伎座、銀座、有楽町、日比谷、警視庁、国会議事堂。11年前から俺はここを自転車で通っているのだ、兵庫県糞田舎から出てきた小汚く小心な男は小汚く小心なままだ。



 国会図書館へ行くには国会議事堂の国会正面前交差点を右に曲がればいいのに左に曲がってわざわざ首相官邸の横を通るのは田中角栄首相との会談があったからであり、続いて自由民主党本部で竹下登総裁と会談があったからである。それから国会図書館へ向かうであろう人達に追い着き追い越して駐輪場で自転車を置いて写真をパチリ。

 ああそうやここの写真もいずれ「カーリル」に載せる事になろう(https://calil.jp/user/4985701157)。長年に渡り続けてきた「ブックオフや図書館の写真を意味もなく撮る」という無駄の極致のような作業がほんの少し役に立つ時が来たのだ、俺は不幸だ(意味不明)。そんなわけで時刻は1時半を過ぎておりとりあえず昼飯としよう。昼飯は「土曜に来たら喫茶室、平日に来たら食堂で食べる」という暗黙のルールがあるがそんな事では永遠にこの「永神秋門」で食堂のカレーが紹介されないのでありそれはおかしい…わけではないか、たかが食堂のカレーやもんなあ、とりあえず何にでもクレームを入れたいどこかのネット民のような事を言ってどうするんだ、いや別に俺が俺に文句言うとるんやから別にええやないか、俺は不幸なのだ金をもらってもいいぐ(以下略)。

 日経新聞を読みつつカレーを食べつつ…また日経新聞を読もうとしてカレーが紙について面倒臭くなったのでああもう腹立つなあとカレーを平らげて、まずは新館の新聞資料室に行きます。と言っても館内は撮影禁止なので(「2005年夏事件」を覚えている人はいるかな)その4階の新聞資料室の窓から見える外の風景を撮っておこう。

 ではいつの時代の新聞縮刷版を読むかですが今日は17日なので17年前の1999年9月の朝日新聞を読むことにします。
<9月1日>
民主党代表選で横路氏が出馬表明。鳩山、菅、横路氏の三氏の争いに。
・一方、自民党総裁選は小渕首相が衆参両議員の3分の2以上を固めて優勢。加藤氏、山崎氏は党員票を少しでも多く獲得するよう躍起。
・1999年7月の完全失業率は4.9%。
・為替は109円台。政府は「105円までなら特に対応はしない」?で市場は困惑。
・米国、企業トップと従業員の収入格差は362倍。米主要企業のCEOの平均年収は約12億円、製造業の従業員の年収は325万円。
<9月2日>
・自自公連立に向けて協議が本格化、総裁選後に自自公連立発足予定。
・特集欄に「ブックオフ 400店超す」「増え続ける『新古書店』 本は文化でいられるか」。東京国際ブックフェアブックオフの出展を阻まれた坂本社長は「トヨタや日産が中古車センターを恐れてどうするんです」と憤る。
 ああやはり過去はいいなあ、過去は優しい、全てが優しい…と悦に入っていたらいかにも品の悪そうな凶暴そうな口調で「日本国籍を持っているんだったらよお」「他の国の人間がよお」と大音量のスピーカーでわめき散らしている声が聞こえてきた。ああそうか、右翼か、民進党の蓮蓬代表の事でイチャモンつけたいわけか、しかし人を不快にさせる声というか音やなあ…と思いつつ5分ほどして静かになったのでその後も読み続けて気が付けばウトウトとしていると館内放送で「入退館ゲートに不具合が発生しております、退館の際にはお時間がかかります」との連絡が流れ、最後に「申し訳ございません」と言っていたがその言い方がいかにも棒読みだったのでああやっぱり公務員やなあ、国民からの税金でのうのうと暮らしとるだけあるわ、もちろん俺も公務員になったら国民からの税金でのうのうと暮らすだろうからこれは仕方がない(何がだ)。それよりも既に15時も10分を過ぎとるわけで16時にはここを出て次なる攻撃地点である神保町に向かわなくてはいかんのだから長居は無用だ、俺はあの新館1階と2階の隅にあるフカフカのソファで座ってウトウトしたいのだ…と移動して2階のソファは人が多かったので1階に移動して、空いているようなので安心してまずはトイレに入って小便をして、トイレから出て戻るとベトナム系かフィリピン系を思わせる20歳ぐらいの男と同じく20歳ぐらいの女(たぶん日本人)が俺が座ろうと思っていた場所に座っていた。何が悲しくてベトナムだかフィリピンだかの男にでかい顔をされなきゃいかんのだ、その昔池袋の格安風俗で「お母さんはフィリピン人でお父さんは日本人です」という風俗嬢に相手をしてもらった事があるがその時感じた惨めさを思い出した(サービス自体は良かったです)。しょうがないのでまた2階に移動したらタイミングよくそれまで座っていたおっさんが立っていったので事無きを得たが、やはり俺もあの品がない凶暴な右翼のように主張してみようか、しかし二次元と違って三次元の女は阿呆なので無駄かもしれない。俺は不幸(以下略)。
 16時になったのでもうこんなところに用はない出よう出ようと入退館ゲートのところまで行くとまだ不具合とやらは解消していないらしく職員が手動で退館入力をしているために退館したい愚民達の長蛇の列ができていた。俺らの税金でのうのうと暮らしている上に迷惑までかけるのか、俺は半日で永田町神保町秋葉原門前仲町を制覇せねばならんのだぞ、一分一秒を争うのだぞ、この野郎め俺も公務員になって「公務員です、図書館で働いています」とか言ってみたいわ、かっこええやないか、畜生めそしたらモテたんかなあ、巷で幸せを撒き散らしてる側になれたんかなあ…などと苦悶している間に退館作業は終わり(大して時間かからんかったね)、自転車に乗って三宅坂、皇居、東京MX、大英帝国大使館、靖国神社靖国通りを通って向かうは神保町。





 まあ永神秋門攻防戦は2年ぶりですが神保町にはちょくちょく来ているのでどうという事はないですな。それどころかこの近くに仕事の関係で来る事があって、その時俺は嫌いな先輩と一緒にいたので一刻も早く神保町を離れたかったのですが(せっかくの神保町がこいつと一緒にいる事で嫌な思い出になってしまう)その先輩野郎が「神保町って、ちょくちょく来てるんでしょ」
俺「ええ」
先輩野郎「じゃあさ、昼飯でいいとこ教えてよ、ちょうど時間だし、食べていこうよ」
俺「…ええ」
と言って共栄堂に入ってカレーを食ったのです。ほら思い出してもうた、どうしてくれる、クレームじゃクレーム、絶対に歯向かわない相手に向かって吠える事で日頃の鬱憤を晴らすのじゃ…と恍惚の表情を浮かべている間に神保町に着いて(大して時間かからんかったね)、昔はロッテリアがあったはずだがオシャレなファッション店?となった店の前に愛(自転)車「クイーン・ウィルコム」を置いて世界一の古本街を旅する事にしよう。

 しかしながらゆっくり回っている時間はない、既に16時半なのであり18時にはここを出て秋葉原に向かわなければならんのだ(何度も言うようになぜそんなルールになっているかは俺が聞きたい)、訪問する店が3店あって逆算すれば1店につき30分弱しかいられない(移動時間を考えるともっと短くなる)のでありしかし俺は1冊100円棚はじっくりとねっとりと見たいのであり忙しい忙しい、平日の仕事のような忙しさだ、ああそれで思い出したまだ日経新聞を全部読んでなかった、別にあんなもん読まんなら読まんでいいんじゃ、大体うちみたいなアホ会社の名前が株式欄以外で日経に載るなんて事は1年に1回ぐらいだ、いやだから1年に1回ぐらいしかないから毎日チェックしとかないかんのだ、ああ面倒臭い、いやもうそんな事は考えるな、今日は土曜で3連休の初日や、小宮山書店や、文庫本は100円か、それ以外は1冊でも3冊でも500円か、じゃあ3冊買って500円や、いやだからなあ、置き場所がないもんなあ、読む時間がないもんなあ…と苦悶しつつ買う。16時52分、100円。

 次に向かうのは「ブックス@ワンダー」や、なぜかはわからんがそうなっとるのだ、こうして歩いている間にも時は轟々と流れるのだ、気が付けば11年の歳月が流れたのだ、今や俺は堂々とソープランドに行ったりできるようになったのだ、男になったな、だからどうしてそっちの方に話を持っていくのだ、シャイなのかお前は、いや俺か、だから寄り道するな時間がないと言うのに…と憤りつつ浮気は男の甲斐性なので「ブンケンロックサイド」に入って昔の「プレイボーイ」を買おうかと迷うもまだ家に未読の「週刊朝日」やら「週刊ポスト」やらが4〜5冊あるのを思い出して泣く泣くあきらめて店を出て、更に歩を進めるとまたしても「100円均一棚」が目に入って、そこは「日本特価書籍」だったのでああここもね、たまに目に入るよね…と気が付けば買っておりました。17時12分、100円。 そんなに買ってどうする、置く場所もなければ読む時間もないのだ、毎日日経新聞を読まざるを得なくなってその分読書時間が減ったのだ、それなのに買う事だけは続けるというのはまさしく買い物依存症であり精神病院行きである、それならば精神病院に連れ去られる前に買えるだけ買ってしまえ、どうせ俺は不幸(以下略)。

 去年秋の「神保町祭り」の時にここで「SFアドベンチャー」のバックナンバーがババンと放出されていたので狂喜して4冊ぐらい買ったが…さすがにもうないのでいつものように店の外壁に貼りつけられた本棚を見て回って、横にいたおっさんがえらい臭かったのでわざとらしく鼻をつまんで物色を続行して、昔はこの店では新書を買うというわけのわからんルールがあったが確か新書は店の中の2階に…と店内に入ってアメコミコーナーのところで25歳くらいの鼻が高い外人(フランス人っぽい?)がへばりつくように背表紙を眺めていたので通るのに苦労して、いざ2階に入るとスペースの半分くらいがカフェ席になっていた。いやそれだけならいいのだが30歳前後の男がビールを片手にポケーッと座っていて、奥の席には和服を着た女2人と普通の服の女2人が何やら話していた。こんな状況で真面目に新書をブラウジングしろという方がおかしいわいとすぐに1階に戻って(フランス人はまだへばりついていた)、結局外壁本棚にあったこれを買う。17時38分、162円。 ではここからさくら通り・すずらん通りを経由して引き返そう。薄暗くなってきてまさに土曜の夜の感じだ、いよいよ本番だ、やはり俺の青春、俺の原点はこの「永神秋門」なのだ、33歳のおっさんが自転車で風を切り空を飛び火を放ち水を浴び土に還るのだ、目指すは「三省堂書店」…ではなくその横にある「古書かんたんむ」。


 しかしここは汚いなあ(良い意味で)、やっぱりこれくらい雑然としていると落ち着きますね、小汚い人間が小奇麗にしてどうすんねんっちゅう事ですよ、しかしクーラー効き過ぎですよ、あらかじめ17時59分にタイマーを設定していたのにそれを忘れたのでいきなりiPhoneが鳴り出したのでびっくりして胸ポケットにあったiPhoneを急いで取り出したら同じく胸ポケットに入れていた国会図書館のカードが足元に落ちた、そういうどんくさい動作が俺という人間を一層惨めにしているのです(何じゃそら)。18時1分、300分。 カウンターのおばはんは二コリと笑って実に気持ち良くお会計してくれたが、俺がちょうど300円を出すと袋にも入れずレシートも出さずただ本を俺に返しただけだった。これでは買った気がしない、万引きしたみたいではないか、俺を犯罪者にするつもりか、クレームしてやるぞ、いや古本屋のおばはんにそんな事をして何になる、どうして俺の人生はこんなにうまくいかんのだ、巷にあふれる幸せを撒き散らしている男や女やバカガキが俺を馬鹿にし(以下略)。
 で、言い飽きた事だがここから秋葉原へ向かう前に「三省堂書店」2階のトイレに行って小便をしなければならないので小便をして、今か今かと自分の出番を待つ「クイーン・ウィルコム」の軽快で獰猛な走りで靖国通りから万世橋まで一気に突き抜ければ「永神秋門」のメインステージ・秋葉原、人々の欲望と俺の欲望が交錯する、それがラブコメ政治耳鳴全日記(何のこっちゃ)。


 で、適当な場所に「クイーン・ウィルコム」を待機させて「とらのあな」に向かうわけですが、2年前の「永神秋門」では全国図書館大会で真面目に話を聞いていた人が舌の根も乾かぬうちに秋葉原でエロ本を買いに行ったという事で大変な顰蹙を買ったという事ですが、なにそんなものかわいいもんよ、昔なんか「五反田遊古会に行った後に五反田のラブホテルに行ってデリヘル嬢を呼んだ」りしたからね。しかしまあ俺も現役やから、今度は秋葉原に行った後に吉原のソープランド行ったろかね。今日はえらく下ネタに頼るな、まあ2年ぶりなので俺も興奮しとるのだよ、人々の欲望と俺の欲望が交錯する、それがラブコメ政治耳鳴全日記(しつこいな)。18時58分、1058円。
あまいろおねえさん (エンジェルコミックス)

あまいろおねえさん (エンジェルコミックス)

 うーん、1058円ねえ、千円札一枚じゃ足りないわけか、まあ俺も33歳なので金の事はうるさく言いませんが、何かねやっぱり電子書籍の台頭とかで紙の本がどんどん高くなるのかね。ブックオフも赤字に転落したし、電子書籍反対派は厳しい戦いを強いられるわけか、11年後にはどうなっとる事やら…と思いつつメイドのコスプレをした女が立っているのが目に入るもさすがにこの歳になるとどうでもいい、というか不細工やがな。二次元を見習えというわけで「メロンブックス」の二次元の渦の中へ入って、「とらのあな」の見本誌で大体当たりはつけておいたので赤子の手をひねるようにこちら。19時19分、1080円(もっと高いやないか)。 あー、しかしこうやった以上は今年も「日本ラブコメ大賞」はやらないかんやろなあ、別に毎年やらんでもなあ、ラブコメは俺のライフワークなわけやし…仕事忙しいしなあ、かなりパワー使うんですよ「日本ラブコメ大賞」は。まああんなに長くダラダラと書くから悪いんで、もっとこう…簡潔に無駄なくやりたいとはずっと思っとるんですが、何せ俺は不幸なので(以下略、いい加減しつこいな。俺も飽きてきたわ)。
 という事で来た道を引き返して、今度はJK喫茶?の宣伝であろうか女子高生の制服姿をした女が立っていて、こちらの方は妙にそそるものがあるなあ、俺の高校時代たるや暗く侘しく切ないものだった、本当は明るく爽やかな男女交際というやつをやってみたかったのだ、まあしかし大人になったらなったのでエロ本は買い放題やし風俗遊びその他もあるしでそれなりに楽しいのであの頃に戻りたいとは言いません。だって今の方が金あるしな、金に困っとる女子高生を金で釣ればいいんじゃわははははははははははというわけで赤字に転落したブックオフ秋葉原駅前店。

 もう19時半近くやがな、20時にはここを出て門前仲町まで行かなあかんのや、しかし「日本ラブコメ大賞」のためには片時も油断してはならない、ねっとりとじっくりと本棚を物色して買うべきものを吟味しなければならんのだ、それが世界のラブコメ王の世界のラブコメ王たるゆえんなのだ、とは言え目の前にいる体重100kgはありそうな大学生風の男2人がカゴにラノベをたんまりと入れて、何やこいつら転売屋かと怪しんでいると2人は中国語らしき言葉で話し始めた。そう言えばブックオフの前に外貨交換の自動機械があったなあ、秋葉原もワールドワイドになったものよ、そこを訪れる俺は兵庫県糞田舎からやってきた小汚い小心者、11年の月日が流れ、人々の欲望と俺の欲望が交錯する、それがラブコメ政治耳鳴全日記(しつこいな)。20時2分、288円(360円から2割引き)。
小あくま日和 (芳文社コミックス)

小あくま日和 (芳文社コミックス)

 では最後の仕上げになります門前仲町へと向かいますので颯爽と重苦しく秋葉原を立ち去って自転車を漕いで漕いで、神田駅、三越日本橋茅場町永代橋を抜ける頃には俺のスタミナはだいぶ消費されているがしかし原点に立ち返った人間は満足なのだ、その証拠につい6時間前にカレーを食べたばかりだというのにもうお腹が空いているではないか、いやそれは単にデブだからだ、食い意地が張っているからだ、恥も外聞もない田舎者の典型のような人間だからだ、義務は嫌だが権利は楽しみたいのだ、それが俺だ、わかってはいるがそうはっきり言われると傷つくものだ、だいぶはしゃいでいるようだが大丈夫なのかというわけで門前仲町駅付近に着いて、今回こそは「餃子の王将」に入るぞと思うもやはり一杯なのでその横にある汚い上に従業員は中国人で応対もイマイチな中華料理屋に入ってラーメンとミニチャーハンを頼む。

 ラーメンとミニチャーハンを食べつつようやく日経新聞を読み終えて、横から2つ先にいる50歳前後のサラリーマンはだいぶできあがっているらしく「イシカワ社長に言いますか、生意気だって(笑)」
「おう、言ってやろうか。あんなスポーツカー乗ってる場合じゃないよって(笑)」
「え、まだ乗ってんすか」
「乗ってるよ、この前も言ってたよ、今度は赤にしようかって。青から赤にするんだって。バカだよ、バカ(笑)」
 なるほど、赤いスポーツカーに乗る社長か。それは馬鹿かもしれんなあと思いつつチャーハンにドボドボと醤油をかけるとうまいうまい、今日はいい日だ、さすが「永神秋門」だと更に上機嫌になって最後の攻撃地点はブックオフ江東門前仲町店。

 店に入ったのが20時50分頃、体力的にはここで1時間ぐらいいても大丈夫だが先程秋葉原ブックオフで十分堪能しているし帰って早く今日一日の模様を読者に伝えなければいかんしラーメンとチャーハンで腹がずっしりと重いので21時半とあらかじめiPhoneのタイマーを設定して本棚に眠るラブコメ達を物色、俺は世界のラブコメ王、土曜の夜のスーパースター、踊るなら死ぬまで踊れ、いや違うやろ俺は不幸なのだ(以下略)。21時33分、360円。 さあそんなわけで2年ぶりの「永神秋門攻防戦」が終わりまして、俺の青春であり基本であり原点に立ち返った事で困った事に元気になりつつあります。向こう11年の間に20回はやりたいと思いますので宜しくお願いします、それがラブコメ政治耳鳴全日記(しつこいな)。