千葉五番勝負(1)BOOKOFF行徳駅前店

 秋葉原や神保町のような超メジャーな場所に俺の居場所はない、俺にはもっと中途半端でスケールが小さくて居心地のいいところが必要なのだそうなのだだから「東京23区のブックオフを全て制覇したるぞ」と叫び、週1回のペースで23区を東西南北駆けずり回りいかんこのままではすぐに制覇してしまうと気付いて週1を2週に1としたがそれでもゴールはすぐそこに見えているので1ヶ月に1回として、それも結局あっという間に終えてしまって2010年が終わったわけであった。終わってしまったら次どうするんだ、もうブックオフには行かれへんのかと焦り、いつ死ぬかわからんのにそんなことを考えても無駄じゃ無駄と自慰をして風俗に行ってまた自慰をして2011年となってさてどうするかと考えて出た答えは東京が終わってしまったなら千葉へ行ったらええねんという何とも先送りでその場限りのものであった。まあしかし、正月明け早々また厄介な仕事と上司と先輩を押し付けられたりして本を読むことすらままならない俺は忙しいサラリーマンなのだから難しいことなど考えずどっか行ったらええねんといつものように悪魔が囁いた。
 ちなみに熱心な読者諸君にはおわかりのことと思うが俺の住んでいるところは東京と言ってもかなり千葉寄りで、その気になれば自転車でいつでも千葉に行くことができるのである。ならば千葉の東京寄りのブックオフ古本市場に行ってそこからまた東京に戻って楽しむことにすればいいのである。この「千葉・東京」コースというのはもしかしたら俺にとっては大変都合の良いものではないか。懸念があるとすればますます評判の良くなった「脱走と追跡の読書遍歴」「政局好色」「日本ラブコメ大賞」と反比例するようにブーイングの度が増すこの「裏東京毒探偵突撃古本屋」が千葉を舞台にしてまた延命されると知ったらどうなるかということだけだが、お前らみたいな女にモテて金があって健康な奴らに言われても知らんわいボケと言えば何とかなろう(ならんやろ)。
 というわけで朝起きて自慰もせず飯も食わず、洗濯物を干して布団を干して掃除をしてトイレ掃除もしてクリーニングにスーツ・Yシャツ類を出して午前は終わり、すっかり一人暮らしが板についてしまったなあ、俺ももうすぐ28歳か、やっぱり彼女とか結婚とかできなかったなあへへへへと実に気持ち悪い笑いを漂わせて家を出て歩いて歩いてメトロ東西線門前仲前駅より行徳駅まで行くわけである。門仲駅で電車を待っていると横にいる55歳くらいの金髪の皺だらけのオバハンが30歳ぐらいの男女に「そんなの、あたしのポケットマネーだよポケットマネー。げへへへ。ポケット2つあるからね。げへ。げへへへへ」と不吉に笑っていて、今日は何か悪いことでもあるのだろうかと心配になったが、行徳駅にはすぐ着いて南口を歩いて5分もしないうちにBOOKOFF行徳駅前店。

 日本ラブコメ大賞を読まれた方ならおわかりのように、本ブログで取り扱うラブコメと俺の戦いは出会った直後の数分、数十秒で勝負が決まってしまうという真剣勝負である。そうでもしなければ狂ったように膨大に溢れかえる漫画群、ライトノベル群の中から俺に見合ったラブコメを見つけることなどできんのだ。それに去年は1ヶ月に2回ブックオフ等に行くこともあったが今年は基本的に1ヶ月に1回のペースを考えているからハズレは極力避けなければならず、本棚を凝視する瞳も力強く、力強く鼻糞をほじりすぎて血が出そうになった。14時38分、350円。

彼と彼女の(オタク)2 (1) (バーズコミックス)

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 さてこれで今日のミッションは済んだのでこの後は秋葉原でも中野まんだらけでも五反田のブックオフでもどこでも行ってもいいが、最初なのでまあこの近くのブックオフに行くことにしよう、そうだ瑞江駅北口店がいいあそこはなぜかハズレがないからなと行徳駅に戻って松屋で大盛りカレーを食べながら考え、瑞江は江戸川区のそれこそ千葉寄りなのでここから歩いたらすぐだろうと北へ向かって歩いて15分ほどで千葉と東京の境である旧江戸川に着いた。

 写真を見ればわかるように真っ直ぐ100mか200m歩けばそこは東京なのに右左どこにも橋がなかった。よく見たら左の方に橋らしきものが見えるがどう見てもあそこまで歩くのに1km以上はあるなあ、うーんどうしようかなあと迷うも、こんな機会はそうあるわけでもないしダイエットにもなるしいいではないかとひたすら歩くことにしました。こういう時、俺はひきこもりにはなれんなあ、としみじみ思いますね。




 川沿いの道を30分ほど歩いてやっと今井橋の下まで着いたが橋の上に上がるところがないので川沿いの道を下りるとそこがどこかの鉄工所の裏で、まあさっさと通り抜けたらええやろと狭い路地を歩くと野良猫らしき黒色や白色の猫が3〜4匹いてそのうちのボス猫らしき灰色の毛をした猫がじっと俺を睨んで微動だにしなかった。なるほどこういう状況で「猫は何でも知っている」と言われると頷いてしまうなと思いながら県道50号線に出て今井橋を渡って東京に生還です。

 こうして県境を歩いてみると川の向こうが千葉でこっちが東京ですというのも奇妙なもんですな。だって川のあっちとそっちなだけやからねえ。それで「東京都民です」って言うのもねえ。
 それから新今井橋入り口の交差点から北東に歩けばすぐ瑞江、というわけにもいかずまたしても30分以上歩くはめになって大盛りカレーを腹に含んだ体ではさすがに疲れてきたが、日本ラブコメ大賞2011はもう始まっとるのだお前は女に不自由せず金にも健康にも恵まれた奴らに勝つのだそれには攻撃あるのみだと自らを奮い立たせ、そうは言ってもしんどいもんはしんどいねんと愚痴を吐き、スーパーの駐車場で警備員らしき男が軽自動車用の白線内に普通自動車を入れようとする車の運転手に怒鳴り散らしているのが聞こえ、ごみ置き場に「ここに粗大ゴミを置く不届者がいる」と書いた張り紙が見え、BOOKOFF瑞江駅北口店。

 さあ2011年もこの、店の写真を撮って載せるという意味不明の行為は続きます。もう最近はなぜそんなことをするのかと疑問を持つことすら疲れてきた。これがラブコメ政治耳鳴全日記だ裏東京毒探偵突撃古本屋なのだと思うことにすればいいじゃねえか16時32分、350円。
大平面の小さな罪 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

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 そういうわけで2011年もいよいよ本格的にスタートしました。今年も予測不能、理解不能、説明不能、安否不明のわけのわからん事件に巻き込まれることでしょう。それでは。