「狂気と淫猥の季節」

 「狂気と淫猥の季節」などといつものごとく叫ぶが、本当はどうでもいいことなのだ。所詮俺はただの阿呆なのであるから、狂気のごとく本を買い、淫猥を絵に描いたように風俗遊びに精を出すことに何ら不都合はないのである。むしろそれを今までさも特別なことのように書き散らしてきたことがまさに阿呆なのであって、もっともっと自分というものの胡散臭さを認識するべきなのだ。つまり何が言いたいのかというと俺も26歳なのだから昔のように無邪気に暴れまわることもできない、やる気力がないわけであって、然れども死ぬその時まで人生というやつは続くのだから逃げ続け欺き続けなければならないのだと書くと悲壮な決意表明のように思えるが実際は何ということもなく、今まで異常なまでにあらゆるものに反発してきたことに俺自身がついていけなくなっただけであって、街を歩くカップルや合コンに群がる若者を見ては嫌悪し、レズやホモやサド女の集結するオタクメディアとそれを支えるオタクを見ては激昂し、政治に過大な期待をかける一般国民というやつを罵倒し、自分より給料が高いくせに残業もせずそそくさと家族の待つ家へ帰る上司や先輩を見ては腸が煮えくりかえり、その他「自分だったらできない」行為や考え方に触れるだけで天地がひっくり返るほどの怒りを覚える自分に疲れたのである。繰り返すがもう俺も26歳なのだからね。そろそろ受け入れることを覚えてはどうかと思うのである。まあそのあたりも何かの機会に書く気ではあるがね。
     
 そのようなわけで久し振りの「休日大型古本屋ツアー」である。前回が4月12日であるから一ヶ月以上ちびちびと政局放談と幼稚園児並読書感想文でお茶を濁したことになり誠に汗顔の至りでありますが、この間というものの「春の大海戦」の集中攻撃を浴び防戦一方、毎日日付が変わってから帰宅という生活を繰り返して、おかげで2時や3時に寝ても朝の7時半には絶対に起きる自信がつき、それによって自分は「20代後半の脂がのった若手筆頭格・社内次世代のホープ」であることを鼻にかけたりして非常にわけのわからない状態が続いているのであるが、とりあえず一段落してどこかへ遊びに行こうではないですかというわけで五反田である。そう言えば松本人志が結婚した女は俺と同い年か。できちゃった結婚とはまた阿呆な真似をしたものよ。金さえあれば高級ソープ、高級SMクラブに何度でも行けるというのに。

 いつもは東口にある店に行くのであるが今日は西口へ行くことにします。ちなみに俺は事前にインターネットで風俗嬢の出勤を確認して前日に予約する主義であるが、今日行くところは2年ぶりくらいであるからアポなしで店を訪ね、写真で選ぶことにしよう。30分後に指定されたホテルに行ってくださいということなので東急のブックファーストで時間をつぶし(「カラスヤサトシ」の最新刊があった)、若き血とアレが滾り20分後にホテルへ入った。201号室。
    
(中略)
    
 ほあ。これはまたどえらいもんでしたなあ。あれぐらい従順且つノリノリにこっちの言うことを聞いてくれると俺も2万円出した(ホテル代は別)甲斐があるというものです。そら年齢は33〜35で顔も平均的というところでしょうが、いやあ良かった。ちなみに松本人志が行っていたというSMクラブと山本モナが入ったというラブホテルも教えてもらいました。
 さてここまでが準備体操であって、今からが本番である。もう5月であっという間に6月になってしまえば年末の「日本ラブコメ大賞2009」まで折り返しということになりもちろん俺のことであるから今年も去年に劣らず縦横無尽にあらゆるラブコメをあらゆるところから発掘することができるがだからと言って油断することなく今日も精進するのである。風俗行ったあとに言うことかね。BOOKOFF西五反田店。

 俺がその目をギラリと光らせていると小さい子を抱っこしていた30代後半の父親らしき奴が「ヒロくん、ヒロくん、ちょっと下りてね。ママのところに行ってね」と言いながら子供を下ろそうとして子供の手がその父親の眼鏡にあたって眼鏡が地面に落ちて、落ちた拍子にレンズが枠から飛び出して「あれ、ママ、レンズ取れちゃったよ」などと言って離れていてもブサイクとわかる女が奥から「なに〜」と言っていた。畜生め。そんなほのぼの子育てを俺に見せて何になるのだ。くそ。ボケ。まあ品揃えが非常に良いので俺の気分も良いので許してやろう。16時20分、350円。

せーふく気分 (バンブー・コミックス DOKI SELECT)

せーふく気分 (バンブー・コミックス DOKI SELECT)

 13時前に家を出たというのにもう16時を過ぎている。やはり休日は時間の立つのが早いのでさっさと次の目的地へ行くことにしよう。都営浅草線五反田駅から新橋駅、新橋駅でメトロ銀座線に乗り換えて向かうは稲荷町駅である。電車に乗っていてもやたらとカップルが目に入って仕方なく、今年に入って同僚や高校時代の友人の結婚が相次いだからなのか俺もまあ色々と考えるのである。しかし結婚というのは大変なことであって、金がかかるし子供などできれば尚更かかるし年齢を重ねて管理職となれば仕事は責任重大なものになってくるのに子育てに疲れ果て、親の介護の問題も出てくるかもしれない。その分配偶者や子供の愛情でカバーすることができるかもしれないが、それは結局「家庭や仕事の問題:−90」と「配偶者や子供の愛情:+90」でトータル0になっているだけな気がするが、そんなことをダラダラと書くのはまたの機会としよう。BOOKOFF浅草稲荷町店。

 ここは「裏東京毒探偵」シリーズが始まって間もない2006年8月に来た時からなぜかお気に入りなのである。小型店舗で品揃えがいいわけではないが、中小ビルが乱立し休日は閑散としたこの地域の雰囲気が俺は好きなのである。それに最近の俺はもう品揃え云々は気にしなくなってきて、別に毎週毎週ラブコメを買うことができなくてもそれはそれでいいではないかたまにはそんなことがあっても俺はラブコメをあきらめたり捨てたりすることは絶対にないのだからという強固な信頼関係がそうさせるのであって、まあ言わんとすることが何となくわかってくれたらいいです。そんなわけでこれを買おう。17時51分、105円。
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 はて俺がどうしてこんなものを買う気になったか。それは年末の「日本ラブコメ大賞2009」で明らかになるかもしれません。
 そんなわけで妙に仏壇屋が多い浅草通を闊歩し、目に入ったモスバーガーに入り(だから太るんだ)、夫も子供もいるキャリアウーマンが浮気する小説を読んで憂鬱な気分になり、本日という休日は終わるのである。果たして俺は今年も生き延びることができるのであろうか。6月には「永神秋門攻防戦」が待っている。7月には「裏東京毒探偵」最新にして最後のシリーズが始まる。8月には広島・名古屋・横浜に続く大型古本屋一人旅を計画中である。さてどうなることやら。それでは。