第5シリーズ 全てが終わり全てが始まる(10)BOOKOFF桜新町駅前通り店

 降って沸いたような話だが、久し振りの土日2連休となった。仕事が片付いたからではなく、あの超巨大高層ビルが東京都何とか条例による全館一斉停電を行うからである。それを聞いたのは昨日の夕方であり、「どうせ土日のことだから関係ない」と我が部自慢のお局が皆に連絡するのを失念していたのはまあよくある話で、それよりもそれを聞いた時少し苛立った感じがしたのはどういう事だろうか。今や「土曜日に会社に来て仕事をする」ことが俺にとって一つのステイタスとなり始めていて、自分がいかに仕事熱心であるかを誇示するために土曜出勤をしているからこそ突然の強制的な休みにイラっとしたのである。そういう考えは非常に前時代的のみならず、価値観が多様化しスローライフがもてはやされる世間の皆様がお怒りになるほどのものなので自重するべきであろうか。この不景気であるから、そういう考えは捨てて効率的かつコストの少ない方法を常に考えて考えていきましょうと言った方がいいのだろうか。ああ、何もかもが阿呆らしくなってきた。要するに今までの勝者が敗者になっただけではないか。勝者は敗者となり、戦いは死ぬまで続き、平和は訪れず、あるのは束の間の休息だけではないか。昔からそうではないか。  
 というわけで現代社会というやつを童貞特有の甘ったるさで書けばこうなるのであるがそんなわけで今日という休日をどう過ごそうかなと考えやがてニンマリして向かった先は五反田である。

 まあ待て、お前は先週「風俗なんか行く気せえへんねん」と言っとったやないかと言われても困りまんがな。こら俺の自由ってやつでんがな。「自由」ってのはこういう時のために使うわけでして、最近行かなかったのは池袋の風俗で行きつけの店の女が辞めてちょっときっかけをなくしただけであったからで、仕事に趣味に東京一人暮らしを満喫する大人の男のちょっと刺激的な何とやらというわけで大通りからちょっと脇にそれた雑居ビルの地下1階に行って写真を見て1万3千円を払って指定されたホテルへ行って2千円払って402号室へ入って5分ぐらいするとノックの音が
  
(中略)
   
 というわけである。いやあ非常に良かったですなあ。パッと見た感じ29歳ぐらいかなあと思ったがシャワーに入って顔を近づけて見てみると肌の張りが失われ34歳のような気もしたが、こちらの変態的要求にもちゃんと応えてくれたので大満足である。たまに「どうしてそんなことしないといけないんですか」と風俗嬢失格な風俗嬢がいるが、本日は当たりでありました。ああ。彼女欲しい(意味不明)。
 そんなわけで罪悪感を消すために五反田のBOOKOFFに行きます。しかし道行く女たちの中に店から派遣されてホテルへ行く女が本当にいるのだと思うともう何というか油断できんなあ(意味不明)。

 店に入ると豚のような男と馬のような女のカップルが「あんたってホント自分勝手よね」「うるせえよ」と言いながら店を出て行った。そして店内は非常なる混み具合である。おおそうかまだ16時前なのだ。土曜の夕方に本屋に行く、何と健康的で文化的な生活か。高校の頃を思い出す。まだ週休二日制というものがなかったあの頃、午前中で授業が終わって午後まっすぐ家に帰らず明石の図書館やジュンク堂書店に寄り、目の前に巨大に立ちふさがる本の大群を見て俺は興奮したのだ。そして俺が本を愛する内向的な人間に変態するきっかけとなったあの第一次大病戦争が始まったのは1999年4月6日である。もうすぐあれから10年が経つのか…とまたしても童貞特有の甘ったるい思い出に浸って買ったのはこちら。16時4分、350円。

ちぇり×ちぇり CHERRY×CHERRY1 (角川コミックス ドラゴンJr. 132-1)

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 さて2回放出したせいかひりひりする性器をマッサージしながら向かうのは本日のメインイベントであるBOOKOFF桜新町駅前通り店である。それにしても世田谷区というのは本当にBOOKOFFが多いですね。今度引っ越すとしたら世田谷区にしようか。しかしイメージ的には足立区や江戸川区の方が何だか貧乏ったらしくて俺に似合うような気がするしなあ。JR五反田駅から山手線で渋谷駅、相変わらず人が多いがこの中で風俗女は何人いるんだと周りをキョロキョロ見回しながら東急田園都市線渋谷駅から桜新町駅まで乗り継いで南口を出てサザエさん通りを歩いて着きました。

 これはまた見事な小型店舗であるがその方が都合がいい。毎日のハードな仕事に疲れきって2店連続でラブコメを買う気力もないからまあ適当に買おうと思って入ったらこれが結構な品揃えなのである。ほほうアレもある、アレもありますか。しかし来月のビッグイベントに備えてあまりラブコメをガンガン買うわけにもいかんのだ。俺も大人になったもんですなあ。というわけでこちら。17時12分、105円。
さらば国分寺書店のオババ (新潮文庫)

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 このまま真っ直ぐ帰ればいいものをマクドナルドに寄ったりするから太るんですが、てりやきマックバーガーをむしゃぶりついていると隣りのゆとり大学生が携帯電話を取り出して喋り出す。「俺よお、超ムカついたんだけどさあ、自転車パクられたんだよ。いや、マジでよお。ホント超ムカつく。撤去されたかパクられたかわかんないけどお、でも撤去とかしてんの見たことないじゃん。だからよお、いや鍵なんかしないじゃんよお、そうだよお、ホントよお。どうする。うん。うん。いや池袋は遠いっしょ。うん。いやマジたまんねえよ。ホントよお。うん。それじゃあさあ。うん。いやもうマジ超キレてんだけど。うん。何だよそれ(笑)。じゃあ五反田にすっか。うん。すぐ行く。何だよ。風俗なんか行かねえよ」