第4シリーズ 光よ天まで(13)BOOKOFF上野毛店

 内閣改造が断行された。俺の人生と生活と経済を支えるこの内閣は一体どうすべきかと言うのは後日にして、阿呆とも化け物とも評されるこの俺の遺言的行動記・「裏東京毒探偵突撃古本屋」は本日その第4シリーズを終えることに大成功したわけである。福田内閣改造の究極の目標とはまさにこの事であることは諸君ご存知の通りであるからしてつまり早い話がそういうことでありアーウー、薄着の女が気になって仕方がない俺の結婚相談所からの勧誘が絶えない俺の明日はどっちだ。
 というわけでいつものように死にましょう生きましょう歌いましょうの「昭和饒舌体」を駆使して本日の動きをニュースします。いつもなら昼12時に外出して昼飯は外で食べるところであるが今週は仕事の方が忙しくて三食とも外で済ました(朝・コンビニでパンとフルーツジュース、昼・会社近くのスーパーで弁当、夜・残業中抜け出して近くの吉野家なか卵・ラーメン屋のどれか)のであり土曜日くらいは家でビデオを見ながらゆっくり飯を食おうとそんなことを書いてもしょうがないそんなことを書くくらいなら内閣改造の話題の方がよっぽどいいと怒られるのでとりあえず自民党公明党民主党共産党社民党。さっきからお前大丈夫か。
 「裏東京毒探偵突撃古本屋」第4シリーズ最終章の今日はBOOKOFF髪の毛、ではない上野毛店へ行くのであり電車に乗ると視界のどこかに必ず浴衣姿の女がいるのでただただ困惑するのみなのである。いやいい大人が祭りだ祭りだと騒ぐ意味が俺にはよくわからんのだが、アレかオタクで言うところのコミックマーケットが一般人で言うところの祭りとか花火大会になるのか。「祭り」と言えば一にも二にも思い出すのは「天地無用!」だが(天地ファンなら言ってる意味わかりますよね)、そんなことはともかく俺は大井町駅から東急大井町線に乗って上野毛駅まで行く電車で先週同様またしても両隣りを女に囲まれ(ただし若くはなかった。右は30前半、左は同じく30前半で2〜3歳と思われる子供を連れていた)、座っている俺の前には女子高生が二人立っており本を読みながら時折チラチラとその女子高生二人の足を見て耳に入ってくる会話を聞くのはいつもの通り。俺変態。
「複雑だし、難しいし、つまんないよ」
「でもね、絶対やりたい」
「だってそれじゃ無理だから。後輩となんて、ねえ」
「でもさ、ゴトウならやりそうじゃない?」
「ああ、うんうん。わかる。絶対アレだよね」
「どうしたらいいかってさあ、水を使ったんだよ。でもそうするとまた難しいよね」
「でも、水って微妙じゃない?結果的によくなってもさ」
 とにかくまあ神の手駅、ではない上野毛駅で降りて炎天下のコンクリートアスファルト・ジャングル・オブ・道路を10分ほど歩いて今日の目的地へ着くわけである。途中佐藤ゆかり・小泉元首相のポスターがあって気付いたがここは華の東京5区ではありませんか。おお政治よ政治、俺は俺(意味不明)。

 駐車場があるわりには小型店舗でありますが、品揃え的には悪くありません。何よりクーラーがガンガン効いているというのがいい(関係ないやろが)。で、もう今日は目を光らせてラブコメ発掘する元気もないので適当に何か買おう、ということで105円の文庫本コーナーにこれがあったので買うことにする。

 日本ラブコメ大賞2007・2位の作品でありますね。まあこのように去年の6月発行の本が一年待てば105円で買えるわけですからBOOKOFFってのは間抜け、じゃなかったいいところでありますな。他にもオーパーツ・ラブ(日本ラブコメ大賞2001・5位。詳しくはhttp://d.hatena.ne.jp/tarimo/20060304)の最新刊も置いてありまして、どうも間違ってライトノベルスを全部105円のところに押し込んでしもうたみたいですが、とりあえず店を出て上野毛、ではなかった髪の毛駅に戻ろうとしたらバス停があって「目黒駅行」のバスが今まさにやってきていたのでバスに乗ることにしよう。ちなみにバスにはあまりいい思い出がないんですよ。俺の人生でも抹殺したい過去の一つである私立糞尿高校にバスで行ってましてねえ。それが市営バスじゃなくて私鉄(大証二部上場)のバスでしてね、えらいバス代が高くてねえ。貧乏もんにはたまらんかったですわ…。
 収拾がつかないのでとにかく俺は目黒駅に着いたわけであり、JRで目黒駅から恵比寿、メトロ日比谷線にて恵比寿から中目黒へと行き向かうは都内最大級のBOOKOFF中目黒店である。「都内最大級」とは西五反田店のことではなかったかいや秋葉原店いや西台高島通り店いや(以下略)。それにしても恵比寿駅付近でもお祭りめいた催し物をやっておったが、俺はああいうのを見ると理由もなく腹が立つのは何故でありましょう。きっとBRICsの陰謀だろう。
 中目黒駅を出て陽射しがさんさんと照らされて暑いので目に入ったケンタッキーに入ってメロンソーダーを頼みしばし休憩する。俺はカウンターに座って本を読んでいたのだが、後ろの方で30後半の男と40前半の主婦らしき女二人が大声で話しているのでこれまた耳に入った内容をここに書く。察するに、男の方は個人投資家で、主婦二人に何かを勧めているようである。
「でも、大損するんでしょう」
「いやあ、素人はあそこで手を出すでしょうね。でもほら、僕はね、あそこでは手を出さなかったからね」
「やっぱり、どこで売っていいかわからないんじゃないですか」
「そう、まさにそう。素人はそういうことを判断する教育受けてないんですよ。そうするとここ一番という時に売って、買って、また売ってという風になっちゃう。相場を相手にするなら混乱しちゃ駄目ですよ。グッと耐えるところは耐える。そういう風にね、やっていかないと」
 お前は何か盗み聞きか趣味か、と言われても困るわけである。だって俺は別に盗み聞きするつもりはないからね。やっこさんが勝手に俺の聞こえる範囲で喋っとるだけやからね。というわけでクッブフオ中目黒店へ。

 BOOKOFF中目黒店にはじめて行ったのは2006年12月30日である。以来、恐らく5回ぐらいは行っているはずであるがそのうち3回は今日会社行くの面倒臭いなあ休んだろかとズル休みしてしかしまあずっと家におるのもアレやなあBOOKOFFなんぼか行こかとして行っているのであまりイメージがよくないのである。今日はそのイメージを払拭するためにもこうして土曜日に堂々と来たのである。というわけで炎天下にやられてちょっとしんどくなってきた俺が買ったのはこちら。350円。
萌道 (バンブー・コミックス)

萌道 (バンブー・コミックス)

 オーイエーカラスヤサトシ。オタクの自虐と妄想をポジティブに軽やかにホップステップ肉離れするその姿はこの上もなく頼もしい。
   
 このようにして「裏東京毒探偵突撃古本屋」第4シリーズは終了したわけである。もはや東京23区で行っていないところはない。そして既に2年を経過したこのシリーズのおかげで俺は東京という巨大都市の、その片鱗をつかむことができたように思うのである。そして「裏東京毒探偵突撃古本屋」は、最後の第5シリーズを残すのみとなるのであるがその話はまた次回ということでごきげんよう