「永田町、実力者たちの興亡1 強者なき抗争/鈴木棟一」(講談社)

 んん。画像が出てこないか。こんなに面白い本はなかなかないというのになあ。今から11年前の96年冬から98年参院選後までの政局が実に赤裸々に描かれており、第一級の歴史的資料と言っても過言ではない。多くの国民が呆れてしまったという新進党解党劇や当時の加藤幹事長・野中幹事長代理の権力基盤や「経済失政」と言われる橋本行革の過程がはっきりと書かれており、「強者なき」90年代後半の政治は混沌としていたがだからこそ面白かったのである。特に98年春の自由党と合流する前の新「民主党」結成劇などは今の民主党と対比すると興味深い。また当時から公明党は既に「自民、民主、公明」の三つ巴でこれからの国政を推移させる決意を固めていたようである。
 実はこの本、既に6年前に地元・兵庫県の糞田舎の図書館で全て読んでおり内容もほとんど覚えていたのだが、8月5日にBOOKOFF門前仲町店に行ったら105円で売られていたので買ったものである。いやあ、9年前に2100円で売られていた本は今105円で買えるのですね。万歳。