「年上の彼女4/甘詰留太」(白泉社:JETS COMICS)

 諸君も記憶に新しい8月4日土曜日21時14分にBOOKOFF江東門前仲町店にて買ったものである。2005年度日本ラブコメ大賞第9位であり、まあ優秀の部類に入る本作だがどうも俺はストーリー全体に跋扈する「青臭さ」に一抹の不快を感じるのであって、それはこのような「あるサークルに集う大学生たちの青春群像」的物語を俺は敬遠し軽蔑するからである。
 何が青臭いと言って「サークルに集い青春を謳歌する」大学生ほど青臭く恥ずかしいものはないのであって、大した人生経験もなくもちろん社会経験もないのにえらそうに眉間に皺を寄せて一体何をしておるか。夜間の大学に行き朝と昼はバイトせざるを得なかった俺としてはそういう「サークルに集い青春を謳歌する」大学生らしい大学生をうらやましく且つ憎たらしく思うわけであり、もはや完全に後戻りできぬくらい孤独に埋没し本と政治とラブコメに狂った余命わずかな俺としてはそれらの「輝かしき青春」の渦中にいる彼らと接することは不快でしかない。だが本作は優れたラブコメである。俺は妥協する。貧乳は好きではないがそこも妥協する。他にも色々と腹の立つ描写もあるが(「結婚して普通に家庭を作って朝出社して夜帰宅してそんな毎日」のどこが不満なのだむしろそれが幸せというものだろうが)妥協する。まあたとえ昼の大学に行って金もあったとしてもやはり俺は一人で本を読んで暮らしていただろうがな。
 しかしあの、女同士で猥談をやっている時の雰囲気というのは味わいたくないようでいて味わいたいようでやっぱり味わいたくないような…。何かえらいドキドキしますな。