「赤灯えれじい⑨/きらたかし」(講談社:ヤンマガKC)

 7月7日19時7分に古本市場AKIBAPLACE店で購入。諸君の中には秋葉原にある古本市場を利用する者も多いであろうが実はあそこに俺はよく出没するので俺のサインが欲しければ土曜の19時か20時に古本市場で待つことですな。しかしこれで本作品の5・7・8・9巻を古本市場AKIBAPLACE店で買ったことになるのか。あそこは品揃えがあまり良くないんですが、なぜか赤灯えれじいはいつもあるんですな。そういう風に「この作品はこの本屋でしか買わない」という限定をつけて購入計画を練るのもまた楽しいものです。
 それにしてもう9巻まで行ったのか。この作品には強い思い入れがあるのでできる限り長く続いてほしいものだ。「日本ラブコメ大賞2005」一般部門第2位という輝かしい功績を持つ本作品は俺が社会人になってはじめて見つけた「本格大型ラブコメ」であって、学生時代より続く「ふたりエッチ」や「月姫」とは明らかに違うものである。「ふたりエッチ」「月姫」は学生時代の混沌と躁病の中で見つけ出した偶然と幸運の産物であるのに対して、「赤灯えれじい」は明らかにラブコメを目的化した上で見つけ出したものであり、方法論が違うのである。極端に言えば「ふたりエッチ」「月姫」は古き良き時代のラブコメであり「赤灯えれじい」は新時代のラブコメなのであって、「ふたりエッチ」「月姫」を読んでいる時は兵庫県の糞田舎を思い出すが「赤灯えれじい」を読んでいる時はここ東京の記憶しかない(上京し社会人となった2005年から買ったのだから当然だが)。作品だけではなく買った人間にもそれなりのドラマが存在するのだ。
 で、肝心の中身と言えばヘタレ男にキツめ女の相変わらずの泥臭いラブコメで非常に良い。キツめとは言え常識はあるし可愛げもあり世界設定も無理なく三次元的でしっかりしてるしこういうのが正しい漫画及び二次元世界というものではないですかな。