ラブコメ政治耳鳴全日記2周年記念特別企画 「月姫」問題

 全米が恐怖し世界が嘔吐したこの「ラブコメ政治耳鳴全日記」も2005年を超え2006年を倒しついに2007年である。すっかり忘れておったがこの日記も2周年となり、2005年3月の死を覚悟したあの日が懐かしく憎悪と殺意で心が一杯である。おお殺せさもなくば俺が死ね。むは。むはは。むはははははははははははははははははははははははははは。
   
 俺がラブコメや政治と同じく命をかけているものの一つに「東京23区BOOKOFFめぐり」がある。その通り言わずとしれた「裏東京毒探偵突撃爆弾三銃士バターン死の接吻」であり、週に一度新古書店に行ってラブコメ本などを買うことだけが今の俺を生かしている唯一無二の菩薩なのである。しかしここからが俺の偉大にして変態なところなのだが、本を買うにしても何でも買っていいというものではなくそこには綿密かつ国家機密的な高等技術が隠されているのである。今回は2周年記念特別企画としてこの国家秘密的高騰記述を諸君に全裸させ、更に目下の懸念である「月姫」問題も諸君にグラビアしたいと考える次第であります。今日はまたいつもに増して憂鬱な文章でありますな。
   
 ラブコメとは何かと言うのもこれで230回目になりますが、ラブコメとは「俺のような地味で非社交的な何の取柄もない生ける屍のようなどうしようもない男が絶世の美女数人を引き連れてハーレムを作り酒池肉林の宴を死ぬまで続け腹上死する」物語なのであります。このような物語は反骨精神と庶民精神を持ちエリートに対する憎悪を極限まで高ぶらせついにはコップの中の戦争ぐらいしか起こせない俺や諸君のようなごくわずかな人間しか手に取ることのできない選ばれしものでありますが、本棚の隅から隅まで根気よく探せば見つかるという代物であります。
 で、俺はこのラブコメと名のつく漫画かライトノベルを毎週一回訪れるどこかのBOOKOFFで買うわけでありますが、あらかじめどの本を買うか幾つかの候補を決めているわけです。もちろん古本屋ですからあるかどうかわかりませんが、候補は何十とあるので必ずどれかはあります。そしてこれこそ新古書店の醍醐味でありまして、今から行く店には一体何があるのだろうか、いや今から行く店でどれを獲得してやろうか何せ俺はことラブコメに関しては百戦錬磨の変態であるからなぐへへへへへへといやらしくよだれを垂らしながら笑い、一つの店につき一冊しか買えない(二冊も三冊も買ったらすぐ「買うべき本」がなくなるので)のに候補本が二冊三冊も置いてあればさあ今日はどの女で遊ぼうかなあぬわははははその上新品とほとんど変わらないのに安いもんなあ(発売後一ヶ月もすれば置いてある場合も多々あります)とこれまたよだれを垂らしながら笑うのであり人生は快楽の渦に飲み込まれてしまうのであります。
 他にも道中を地下鉄JRを乗り継ぐこと(東京の鉄道網は複雑にして完璧でそれ自身非常に面白い)や駅からBOOKOFFFまでにある飲食店で外食をすることもなかなかに楽しいのでありまして、めくるめく情熱の一夜は過ぎ行くのです。
  
 しかしそうそうラブコメ本があるわけでもないのであって、これを言うのは460回目になるが昨今の「反ラブコメ的風潮(=鬼畜凌辱強輪姦ホモレズサドマゾ)」のため俺の手元にあるカードは少なくなる一方なのである。これは和姦、いやあかんのであって、日々新しいラブコメはないかと血眼になって明日の美少女を探す俺はロリコン。何を言うとるか俺は年上が好みじゃ。しかし俺の年上と言ったらもう25以上になるのか。昔は20歳でも年上と思っていたが気が付けば俺はもう24歳だもんなあ(以下略)。
 そんな満州的状況のなかで長く続くラブコメ的シリーズは非常に助かるのであって、「ふたりエッチ」みたいに常にコンスタントにラブコメな作品を発信し続けてくれるとこちらもその分長く新古書店めぐりをできるというものである。そして「ふたりエッチ」に続く長期ラブコメシリーズと言えばこれを言うのは920回目になるが「月姫」シリーズである。

 いやあそれにしても2002年度日本ラブコメゴールドディスク大賞一般部門一位の本作との付き合いもそろそろ5年となるのか。もはや俺の人生史と切り離せない本作を買った日付は以下である。
①(宙出版版):2002年5月1日(於:まんだらけ大阪店)
①(エンターブレイン版):2002年6月2日(於:とらのあな三宮店)
①(スタジオDNA版):2002年6月3日(於:メロンブックス三宮店)
②(スタジオDNA版):2002年7月25日(於:ジュンク堂書店明石店)
③(スタジオDNA版):2002年9月29日(於:ジュンク堂書店三宮店)
④(宙出版版):2002年9月30日(於:エンジョイスペースギルド)
③(宙出版版):2002年10月28日(於:ジュンク堂書店三宮駅前店漫画館)
②(エンターブレイン版):2002年11月10日(於:とらのあな三宮店)
④(スタジオDNA版):2002年12月1日(於:エンジョイスペースギルド)
⑤(宙出版版):2002年12月29日(於:とらのあな三宮店)
⑤(スタジオDNA版):2003年1月29日(於:とらのあな三宮店)
③(エンターブレイン版):2003年2月9日(於:ジュンク堂書店三宮店)
⑥(スタジオDNA版):2003年3月30日(於:メロンブックス三宮店)
④(エンターブレイン版):2003年5月18日(於:兵庫県糞田舎の大型古本屋H)
⑦(スタジオDNA版):2003年6月30日(於:ジュンク堂書店三宮駅前店漫画館)
⑧(スタジオDNA版):2003年8月17日(於:エンジョイスペースギルド)
⑤(エンターブレイン版):2003年9月7日(於:古本市場魚住店)
⑨(スタジオDNA版):2003年9月28日(於:メロンブックス三宮店)
⑦(宙出版版):2003年10月19日(於:古本市場魚住店)
⑥(エンターブレイン版):2003年11月23日(於:メロンブックス三宮店)
⑩(スタジオDNA版):2003年11月30日(於:エンジョイスペースギルド)
⑥(宙出版版):2004年1月14日(於:GAMERS神戸三宮店)
⑪(スタジオDNA版):2004年2月1日(於:とらのあな三宮店)
⑫(スタジオDNA版):2005年1月9日(於:古本市場魚住店)
⑰(スタジオDNA版):2005年5月2日(於:古本市場西神戸店)
⑪(宙出版版):2005年12月30日(於:まんだらけ大阪店)
⑬(スタジオDNA版):2006年3月19日(於:まんだらけ中野店)
⑱(スタジオDNA版):2006年5月7日(於:まんだらけ中野店)
⑨(宙出版版):2006年6月25日(於:古本市場AKIBAPLACE店)
⑳(スタジオDNA版):2006年7月1日(於:兵庫県糞田舎の大型古本屋B)
⑩(宙出版版):2006年7月16日(於:まんだらけ中野店)
⑮(スタジオDNA版):2006年9月15日(於:兵庫県糞田舎の大型古本屋H)
22(スタジオDNA版):2006年11月23日(於:BOOKOFF14号墨田両国店)
⑧(宙出版版):2007年1月2日(於:兵庫県糞田舎の大型古本屋B)
21(スタジオDNA版):2007年2月11日(於:まんだらけ中野店)
 何とも壮観でありますな。いやー、これを見てもわかる通り本作は特に2002年・2003年の青春三宮狂想曲そのものと言ってもいいぐらい俺の青春史と密接な関わりを持っているわけですね。2002年に10冊、2003年に11冊を購入しているわけですがとにかくこの購入日付を見てごらんなさい。ほぼ月に1冊購入を約2年に渡り実行し続け、それも三宮の各本屋を万遍なく散りばめるという絶妙なバランスは我が事ながらお見事しか言いようがないではないですか(実際にはMELTYBLOODシリーズやその他関連本も買っており、2003年後半になると毎週のように月姫関係を買っているのでバランスも何もあったものではないが、それには目をつぶってくださいよ。ほら、あとで金は出すからさ)。
 というわけで2002年2003年の三宮征服時代には毎月(毎週)のようにサラ本として本作を購入していたわけであるが、やがてアキバ系ブームの到来がやってきて俺は古本屋めぐりへと転向し月姫との性的接触も途絶えるわけである。そのようにして就職活動となり卒業し東京へやってきたわけであるが、社会人となっても俺の月姫に対する劣情は失われず2005年に4冊、2006年には7冊も購入し、特に去年あたりからは月姫のアンソロ本がBOOKOFFやまんだらけ等にさかんに出るようになって再び蜜月の季節が勃起するのである。
     
 大変前置きが長くなったが「裏農協毒産経突撃使い捨て女屋」である。前述の通り一店に一冊のラブコメを買うという条件の大作戦なのだが、できればレベルの高いラブコメを買いたいというのが子を持つ親の常であろう(一冊なら尚更である)。そこで日本トップクラスのラブコメである「月姫」の出番となるのだが、問題はもはや「月姫」シリーズで俺が買っていないものは少ない、つまり手元のカードが少ないということなのである。
 俺が買っていない「月姫」シリーズ(「MELTYBLOOD」シリーズはなぜか買う気がしないので無視する。「Fate」シリーズに至っては虫酸が走る)は、宙出版版⑫と、一迅社(旧スタジオDNA)版⑭・⑯・⑲・23である。このうち一迅社の23巻が今年1月に出版されたものであり、もはや月姫ブームもだいぶ下火となった昨今では新刊の可能性はあってもだいぶ先であろうから少なくとも今年の俺の「月姫」カードはこの5冊しかないということになる。
 「そんならそもそも本屋なんかに行かなければいいのに」という空気の読めない合コン人間は殺害するとして、これこそが目下俺を悩ましている「月姫問題」なのである。確かにいつかは終わりがくる(月姫シリーズ全てを買ってしまう)のだろうが、それは今後本屋にて「月姫」を買うことは永遠になくなることを意味するのであり一面においてそれは俺と「月姫」の別離を意味するのである。即ち、青春の終焉である。
 ラブコメ世界に身を委ねることだけが俺の全てではない。ラブコメを含めた数々の本をいかにして、いつ、どこで、どれくらいの経済的リスクをかけて買えば俺は人生の快楽を感じることができるかを考えて買うこと、それは俺という糞袋の存在理由の一翼を担っていることに間違いはなく、その中には「日本トップクラスのラブコメたる『月姫』を、いかにして買うか」も当然含まれているのである。
      
 2001年3月よりはじまった我が購入戦記は1500冊を越える。その1冊1冊にそれを買った時の状況、風景、精神状態からその日の出来事までが思い出として俺の心に焼き付けられている。本を買うことは俺の記憶装置を更新することに他ならないのである。そして新たに「月姫」シリーズを買うことは、それまでに「月姫」シリーズを買った日々のことを俺に瞬時に思い出させ心を和ませてくれる甘美なひとときなのである。
 いつか「月姫」シリーズを全て買い、その後たとえ「MELTYBLOOD」シリーズを買い続けたとしても、いつかは必ず終わりが来るであろう。そうして2002年5月1日より連綿と続いてきた「『月姫』購入戦記」は過去の記憶と共に終わり、本当に過去のものとなってしまうであろう。俺はまだ10代であった頃に買いはじめた「月姫」を今も買い続けることによって自分がまだ社会や人生に何の責任を持たなくてよかったあの時の感覚を断ち切れずにいるのだろうか。いやそんな事はあるまい。もう覚悟はできているのだ。これはただの感傷に過ぎぬ。5年もの間、極めて親密に、最もプライベートな時間を共に過ごしてきたものと別れることが簡単に行われてたまるものか。ああ、いつか来る青春との別離。諸君よこんな俺を笑い給え嘲り給え罵り給え。誰にも邪魔はさせぬ、俺は人生の階段を登る。
   
「裏東京毒探偵突撃古本屋Ⅱ 嵐の愛の縦と横」最新報告
③BOOKOFF 赤羽駅東口店(北区)
 3月21日、家から歩きに歩いてメトロ日比谷線築地駅へ。上野まで行き、そこからJR高崎線に乗りかえてJR赤羽駅へ行く。JR高崎線は東京にしては珍しく区間が長いところであり、夕方ということもあって車内はガラガラで座って外の風景を眺めて楽しむ。ガラガラの車内に外の風景を眺めていると兵庫県の糞田舎にいるようだ。それしか思いつかんのか俺は。
 JR赤羽駅にて下車する。…いかん書こうにもパチンコ屋の印象しかあらへんがな。何でや。とにかくそういうわけで北区のBOOKOFF赤羽駅東口店へ。見た感じ小型店舗であるが2階建てで品物は豊富である。…いかん書こうにもフランス書院美少女文庫が多くあった印象しかありまへんわ。でもあんた、さすがにフランス書院美少女文庫1冊買って今日は終了ちゅうのも何か変な感じなんで、買ったのは「魔法少女猫X①/おりもとみまな」(角川書店:ドラゴンコミックスJr)105円。いやこれ全然知らんかったんですけど、もう背表紙見ただけでああこれラブコメやとわかりましたね。相変わらず嗅覚は衰えとらんっちゅうことですわ。ぬわははは。まあ内容はフランス書院美少女文庫と変わりまへんでしたけどな。ははは。