Ⅲ 恐怖の愛

 わははははははははははははははははははははは。
 今や絶好調誰も俺を止める者はおらんのだ。この日本という大量消費と阿呆どもが踊り狂う嵐の住処にあって俺は俺だけの方法で自分だけの世界を作るのだ。社会人となって八ヶ月、数え切れぬ失敗とちっとも治らない怯え癖に会社内での俺の評判は滅茶苦茶である。普段この日記上で偉そうなことを言っておきながらいやむしろ普段必要以上にへりくだっているからしてこの日記で必要以上に威張り散らすのかもしれぬ。バランスが悪いのか、それともこれでちょうどいいのか。例えラブコメと政治に関する知識に並々ならぬものがあったとしても現実の人間関係や仕事処理能力がなければ意味がないのではないかと気弱なことを言っておるがそれがどうした俺には兵庫県の糞田舎がお似合いなのだこんなところに連れてきた奴が悪いのだ。荒れ狂う日々の生活に光を。日本ラブコメ大賞は成年部門へと突入するのである。とは言っても量が多い上に審査においては俺の神がかり的にして変態的な俺以外の誰にもわからぬまさに俺だけが感じる「エロさ」と「ラブコメさ」が最重要視されるのであるから一般部門のように一作品ごとに説明するわけにはいかないのである。いや別に説明してもいいのだがそうすると内容は生々しく変態的になりほとんどの人は読むに耐えない代物になるのでとりあえず大丈夫な範囲で書いていこう。まず、12位〜35位の順位は以下の通りである。
   
⑫家族の肖像/鶴永いくお[芳文社:HOUBUNSHA COMICS]
⑬favorite H/Lapis Lazuli[晋遊社:晋遊舎コミックス]
⑭誘惑エプロン/つつみあかり桃園書房:TOEN COMICS]
⑮ありのまま姿のまま/蜜みろく双葉社:ACTION COMICS]
⑯テンプテーション/御前零士[富士美出版:富士美コミックス]
⑰ミセス・ジャンキー/望月JET:ブルゲ ON DEMAND[パラダイムパラダイムノベルス
⑱完熟娘/小暮マリコ[ティーアイネットMUJIN COMICS]
⑲TWINS?! 坂枝家へようこそ/ゆずぽん[富士美出版:富士美コミックス]
⑳一緒にいようね/さくら・がい[蒼竜社:プラザCOMIX]
21:SEED GIRL/矢凪まさし双葉社:ACTION COMICS]
22:MILKジャンキー3/鏡裕之:ブルゲ ON DEMAND[パラダイムパラダイムノベルス
23:今日は何しよ/環望双葉社:ACTION COMICS]
24:悦しい隣人/タケイツカサ双葉社:ACTION COMICS]
25:ウエディング・シーズン/さくら・がい[蒼竜社:プラザCOMIX]
26:センシティブネス/みやもと留美双葉社:ACTION COMICS]
27:萌え体験告白集 お兄ちゃん大好きR[マドンナ社:マドンナメイト文庫]
28:甘えたいFUCKs/葉月獅子丸東京三世社:LE−COMICS]
29:姉っ、ちゃんとしようよっ!2/佐々宮ちるだ・きゃんでぃそふと[SOFTGARAGE:SOFGARE NOVELS]
30:恋愛好感/刹奈蒼竜社:プラザCOMIX]
31:管理人は三姉妹/西野かなた[オークラ出版:OAKノベルス]
32:求愛期/君崎文化[富士美出版:富士美コミックス]
33:先生がいっぱい!ぱらだいすLesson/羽沢尚一[フランス書院フランス書院美少女文庫
34:禁断!!母子淫戯[一水社:いずみコミックス]
35:ダダ甘お姉ちゃん[幻冬舎:Birz Comics Giga]

      
 まず言えることは、順位という区分上このように優劣がついてしまっているが上記作品は全て和姦主義者である俺がOKサインを出した非常に稀有な作品だということである。最もエロ本である以上短編集という形を取っているわけでその中には一本ぐらい鬼畜凌辱強姦輪姦ホモレズサドマゾな作品もないわけではないが、そこまで気にしていてはただでさえ狭い世界が更に狭くなってしまうと思い俺は妥協したのである。おおそうか妥協したのか。かつて、その鬼畜凌辱強姦輪姦ホモレズサドマゾな部分だけカッターで切り落としていた日々が懐かしい。俺は大人になったのだ。で、BEST11は以下の通りである。
      
①妹ゴコロ。/ゴージャス宝田コアマガジン:MEGASTORE COMICS]

②姉の媚乳/つつみあかり一水社:いずみコミックス]

③お吟 美少女的淫魔獣人伝/真鍋譲治[宙(あおぞら)出版:ラブハートコミックス]

④だいすき/加賀美ふみお[平和出版:PEACE COMICS]

⑤かわいいね/加賀美ふみお[平和出版:PEACE COMICS]

⑥人妻かすみさん2/フレーム・すめらぎ琥珀・TinkerBell[コアマガジン:G−type NOVELS]

⑦Swing Out Sisters/東雲太郎茜新社:TENMAコミックス]

⑧妹はマニアック/宮路兼幸富士美出版:富士美コミックス]

⑨Lipに微熱/BLUE−BLOOD[蒼竜社:プラザCOMIX]

⑩I LOVE YOU/BLUE−BLOOD[蒼竜社:プラザCOMIX]

⑪トワイライトKISS/洞木せつな[蒼竜社:プラザCOMIX]

       
 11位「トワイライトKISS」は、あの秋葉原を恐怖のドン底に陥れた「東京自転車弾鈍戦」にて俺が投下した秘密兵器である。全短編が「特に取り柄のない平凡な男にちょっと積極的な女が言い寄ってくる」というラブコメのエロ版であり、大層気に入った。特にしがないオタク大学生に当世風の女子大生が一目惚れするというのは俺の性癖の琴線に触れるものがある。
 10位「I LOVE YOU」9位「Lipに微熱」はいずれも同作者によるものだが、これも「特に取り柄のない平凡な男にちょっと積極的な女が言い寄ってくる」というラブコメプラスエロ版である。前者は2005年日本の十大ニュースの一つに数えられる「みちのく和姦の旅」の収穫物であり、後者は前回「年上ノ彼女」を買ったという「あと数日で社会人になるという現実から逃避した」日に買った、兵庫県の糞田舎最後の日の収穫物なのである。なお11位の作者もこの作者もファンタジイカクテル・オレンジクラブ常連作家である。やはりそういうことなのだ。元気ですか皆さん。
 8位「妹はマニアック」は一部オタクたちから伝説とされていたもので、俺も噂だけは聞いていたが入手困難であるから特に気にしていなかったが行きつけの店である古本市場AKIBA PLACE店で忘れられたように売ってあったので思わず買ったものである。8月27日、今のように責任重大な仕事を押し付けられるわけでもなくただ隣に座っているお局の言うことを聞いていれば良かったという絶好調の時に買った本書は、1996年発行にも関わらずなるほど非常に肉感のある色っぽい絵である。もちろん和姦。しかし妹ブームは遠い未来である当時にあって、エロ漫画で長編連作としてこのような兄弟相姦ものは確かに読むものを驚かせたことは想像に難くない。当時はインターネットなどそれほど普及していないわけであり、だからこそ口コミ的に広がり「伝説」となったのであろう。今や「伝説」など存在しない。インターネットで検索すればどんな情報も手に入るからである。だが、容易に手に入るということは重厚さがないということである。重厚にして神秘のベールに包まれたものが「伝説」なのであり、もはや伝説は育たない。何とまあ面白くない世の中だ。
 7位「Swing Out Sisters」、こちらもエロ漫画に珍しい長編連作である。姉二人が弟一人をめぐって色仕掛け攻撃を繰り広げるのだが例によって結局三人仲良くアレするのである。2004年度日本ラブコメ大賞成年部門の1位を射止めた「姉の淫腔」でもそのような短編があったが、本書はそれをもっとじっくりとねっとりと描いておりとにかく姉二人の弟に対する愛情とそれに伴う痴態が俺を興奮させるのである。とにかくあの、弟の息子を姉がきれいにしてくれるというのはたまらんなあ。うわ書いちまったわははははははははははははははは。
 6位「人妻かすみさん2」である。これも世界の十大ニュースの一つである「みちのく和姦の旅」で死闘の果てに得た戦果である。エロゲーのノベルスであるが何故だか妙に興奮してしまうのはすめらぎ琥珀の頭から足の先までフェロモンでできているような女の絵が俺の性癖に合致したからであろう。つまり××××な感覚を××××することによって俺の××が××××××××してしまうのである。基本的に一度結婚しておきながら更には子供まで産んでおきながら夫以外の男と関係を結んでしまう女は認めないが、本書の場合夫が最低の人間であり、かつ人妻の心が完全に主人公の方へ向いており最後にはその夫と離婚して主人公と再婚しラブラブ新婚ライフ台所でアレして万歳。
 5位「かわいいね」4位「だいすき」ともに同作者のものであるが、この5位の本がまさしく国連総会でも問題になった「税金で、無料で読めるエロ漫画」として俺が実行したものである(7月30日参照)。内容は田中ユタカもびっくりの甘々であって、こういう本を国会図書館に置いて何の問題があるというのだ。少子化問題担当の大臣まで設置しておるくせに肝心のアレに関してはノータッチか。愛する二人が誰にも迷惑をかけず愛を育んでおるのだぞ。それの何が悪いというのだこの阿呆め。ラブコメ万歳。和姦万歳。メイド喫茶に行く俺はどうしよう。
 3位「お吟 美少女的淫魔獣人伝」であるが、これはもう一般部門のラブコメとしても十分通じる良作である。さびれた田舎に赴任してきたわけありの青年医師が化け狐女にからかわれるのだが次第に化け狐女の方が青年医師にご執心するようになり青年が妻帯者であることを知ると嫉妬したあげく雷まで呼び起こすのである。絵柄も豊かな肉感と繊細なタッチで一層俺の性癖をそそらせ×××××させてしまう。いやだからやっぱり言えませんよこれは。
 さて2位は今や姉ものの大御所となった作者による「姉の媚乳」である。惜しくも1位にはならなかったが、姉特有の母性本能と、年上であるにもかかわらず弟に甘えたいという可愛さがエロとリンクして興奮度倍増。「面倒なことは全て女にやってもらえ」というのは「女にリードしてもらえ」ということであり、弟気分で全て姉任せにして俺は快楽を貪り2位となったのである。大体こんなにスレンダーで更に巨乳なお姉ちゃんが俺にゾッコンなんてのはもうアレが。わはははははははははは。
 そして栄えある1位は、インターネット掲示板でも話題になった「妹ゴコロ。」である。リアル妹がいながら妹好きでロリコンなのかお前は。いや例えリアル妹がいようがロリコンであろうがラブコメ的に優れていれば問題はないのだ。「ラブコメに国境なし」である。「妹と姉のどっちが好きやねん」と言われても、要は主人公に対する女が主人公にぞっこんベタ惚れな状態であればいいのであり、しかしそのように「ぞっこんベタ惚れ」な状況に持っていくのが面倒くさいからして近親者になるのが最近の傾向なのである(描く側も読む側も、近親者なら家族愛→異性愛への移行がスムーズに感じられるので)。ともあれ、本書はエロ漫画にもかかわらず主人公とヒロイン(主人公の妹)の心理描写が行き届いていて、確かにエロではあるが同時に純愛でもあるのだ。妹を妹なのに日に日に好きになっていく主人公、妹特有の「お兄ちゃんに甘えたい」「お兄ちゃんを一人占めしたい」という甘え本能が日増しに強くなっていくヒロイン、そこにわずかな背徳の味が加わって極上の作品となっているのである。それにしても全体にラブラブな雰囲気の漂う大変いい作品なのだ。見事1位となりました。賞金は株式会社はてなの誰かが出してくれます。
     
 と、いうわけで2005年日本ラブコメ大賞は閉幕する。楽しくて辛い2005年、俺はラブコメという手法を使って確かに生き抜いたのである。それを証明するために本企画は行われた。どんなことがあろうとも命をかけて守らなければならないものがあるのだ。そうして俺は生きていることを実感するのだ。