特別編 裏博多毒探偵突撃古本屋(1)

 部長に呼ばれた。嫌な予感がした。
「お前、夏休み、まだやったっけ」
「ええ、9月に取るんで。そこの予定表に、12日休むってマルつけてます」
「ほう」
「…どないしまいした?」
「いや、来いって言われてんねん。九州の工場で、会議あるから」
「また○○○の件でっか」
「そうや」
「あんなもん、散々言うたんですからもう大丈夫でしょう」
「いやあ、やっぱりなあ、現場との交流が大事やってなあ、常務から言われてなあ」
「はあ。つまり、何ですか、行かないかんっちゅうことですか」
「まあな」
「でもですよ、現場との交流って言うてもですよ、工場の会議室で話すだけですからね。それに俺みたいな下っ端は説明したらそれで終わりでっせ。余計な口出しできませんよ」
「いや、まあ、それはそれでええねん。そこにおるっちゅうのが大事なんや」
「んー、ほんならちょっと、あれですわ、前泊とかしてもいいですか」
「ああ、それは構へんよ」
 というわけで急遽として博多周辺のブックオフ等をハシゴする「裏博多毒探偵突撃古本屋」を実行することになった。「ただ本(主にラブコメ)を買うためだけに一人旅をする、観光地には目もくれずただひたすら本を買う(しかも新古書店で)ことだけに一日を費して自己陶酔に浸る」このシリーズは新潟、広島、名古屋、横浜、札幌、京都の各地を訪れて数々の伝説と侮蔑を諸君に与えてきたが、自家用車を持たない俺は地下鉄等の公共交通機関に恵まれている地方都市しか足を伸ばせるところがないので(そのため新潟では散々な目に遭った)この博多が最後の一人旅スポットとなろう。しかしここ博多には会社の工場がある関係で年に5〜6回は訪れているのであまり乗り気がしなかったが、今回は往復の飛行機代も宿泊費も会社負担となるのでありこの好機を逃さない俺ではない。
 つまり東証一部上場の我が社の費用の中にはこの「裏博多毒探偵突撃古本屋」関係費も含まれることになるのだわははははははと高笑いをしたのが木曜日で、翌金曜日の朝起きると鼻水が溢れ、続く土曜日当日は鼻水に加え喉の奥も痛くなったのですぐに病院へ駆け込むことになった。冗談ではない、年に一度あるかないかのスペシャルイベントの時に風邪をひいてどうするのだ、すぐに治せ治す薬を出せと医者を脅迫するも中学校の時の野球部顧問だった先生と似た顔の医者は(知らんがな)「まあ、君、扁桃腺が人より大きいからね、こうなるんだよね。薬出しておくからね」と言って30秒で診察は終わって追い出された。結局どうすりゃいいんだ薬飲むしかないのかと憤ったが、まあ考えてみれば365日24時間健康な状態を維持するなど不可能なのだからタイミングの悪い時に体調が不調になってもおかしくないさと思いながら帰って昼飯を食べて、先月エヴァ新劇場版「破」を見てから昔のLAS(Love Asuka×Shinji)熱が再燃してどうしようもないのでゲーム「鋼鉄のガールフレンド」をプレイした。LASに熱中していたのがちょうど10年前でありこの「鋼鉄のガールフレンド」も百回以上はプレイしているが、10年が経って大人になった俺はPS2をブルーレイレコーダーの外部入力につないでそこから映る画面をHDDに保存して更にDVDに焼くという高等テクニックを身につけたのであった(知らんがな)。その他にも相変わらずせせこましい用事(掃除、布団干し、クリーニング交換)をすませて家を出て羽田空港へと向かいます。
 電車に乗って彼女いない歴28年の俺には目の毒以外の何物でもないカップルをジロジロと見て、道行く女たちが綺麗に見えるのは厚化粧のせい(その証拠に顔と首の色が違う)だやっぱり二次元が最高やと唾を吐きながら空港に着いて出発を待っている間に大便を放出して売店でアイスクリームを食べて(なぜか食べたくなるんですなあ)、飛行機に乗ってスチュワーデスの完璧な笑顔と完璧な厚化粧に今日も目を合わせられずに本を読み10分も経たぬうちに意識を失って(寝て)気が付けば福岡空港に着いた。福岡空港は街のど真ん中にあるので地下鉄に乗ればすぐに博多駅

 まあ博多と言ってもね、今までに行った「新潟、広島、名古屋、横浜、札幌、京都」と何ら変わるところはないしね、つい3ヶ月前もここ来たからどうということはないですな。というわけでBOOKOFF福岡博多口店。ここも出張の度に来ているのでもう10回以上は来ているか。

 店内は西五反田店と似ています。「その情報はいるのか」とよく言われますが、今回はいります。なぜならここ博多に古本市場はなく、明日はほぼブックオフのみで勝負するからです。これでは俺がブックオフ大好き人間みたいではないか気持ち悪いなあ、というわけでこちらを買う。21時30分、105円。

 何度も言うように俺はLAS(Love Asuka×Shinji)派であるが、本作のようなハーレムものも好物であります。そらそうやろ「日本ラブコメ大賞」とか大真面目でやる奴やねんから。結局俺はこういうやつしか受け付けないんだろうなあ、まあいいか、土曜の夜に家からも故郷からも遠く離れた地で下らんラブコメを買うことが俺の生き様なのだからな。
 その後コンビニで博多の地下鉄網等がわかる新書型地図を買って、15分くらい歩いたところにあるホテルへと入るとフロントで中国人らしい女の客がフロントの女従業員に身振り手振りで何かを聞いていたが、客は「アー、ナカッス、ナカッス」とばかり言っていた。こりゃ大変やなあと思ってしばらく傍観して、俺の番になるとその従業員はニコッと俺に笑いかけたので惚れそうになったが、「予約を頂いたお客様にはこちらを用意しておりまして…」とやたらにでかいペットボトル(何とか湧き水)を2つ渡された。いるかこんなもん。

 部屋に入ってTVをつけるとニュースで経産相が辞任云々と映し出されていて、こういう言い方をする大臣もアレだが、それを大事件のように扱うマスコミもアレだなあと阿呆らしくなって、日付が変わってしばらくすると眠くなってきたので素直に寝ることにした。さて明日はどれだけ本屋古本屋をハシゴできるだろう。

千葉五番勝負(5)BOOKOFFショッパーズプラザ新浦安店

 今回で千葉編は終わりですので、いつものようにキチガイじみた不平不満不安を垂れ流すのも芸がないので本当に日記を書いている感じでやってみます。ああそう言えばこのブログは「ラブコメ政治耳鳴全日記」という名前だったか。
   
 8時半に目覚ましをセットしたはずなのに9時過ぎに起床。布団そのままで急いで着替えて外出。涼しい。2年前の札幌の時のような快適さだ。会社に行く前に会社近くの病院に寄って、ここはすぐ混むから早めに行った方がいいと8時半に起きるはずが寝坊したので結局9時半頃に病院に入ってたっぷり30分以上は待たされた。待っている間に待合室に置いてあった「FRIDAY」を読む。放射能汚染の記事では政府の無為無策ぶりへの怒りが書かれ、壁に備え付けられているTVのNHKも「情報公開が…」「政府はもっと長期的な…」と怒っていた。そんなに怒っても仕方ないだろ、と思う。30分待たされた後の診察は1分で終了、待合室に戻ってまた「FRIDAY」を読み続けるとバツイチの女優がイケメンな証券マンとデート云々…と書いてあった。こんな風に私生活を盗撮されて平気でいられるのだからそら普通の常識では生きていけへんやろなあと思う。
 会社に土曜出勤、仕事。俺以外に上司先輩3人も来ていて、計4人が一つの扇風機の弱い風でしのぐ。今日は涼しいから何とかなるが先週などあやうく熱中死するところだった。昼は誰か飯に誘ってくれるかなと期待して待っていたらそれぞれ弁当やカップラーメンを既に用意していたらしくモグモグと食べ始めたので俺はココイチへ。きのこカレーの大盛り。夏はカレーに限る(冬にも同じことを言ったな)。土曜で誰からも電話がかかってこないので仕事が進む…はずが九州の工場から電話がかかってきて何やかんやと話しているとあっという間に夕方になる。昨日「17時に帰ります」とちゃんと言っておいたのに16時55分頃に上司から「この○○○さあ、×××は入ってないんだっけ?」と言われ会社を出たのは17時15分頃。JR京葉線新浦安駅へ。

 今日の目的地であるBOOKOFFショッパーズプラザ新浦安店は「ショッパーズプラザ」という複合施設の中にある。中に入ってみると食品売り場がドーンと目に入ってきてこらイトーヨーカドーみたいなもんか、何が「ショッパーズプラザ」じゃかっこつけた名前つけよってとどうでもいい事を考える。真面目に本棚を物色して一つ二ついいものが見つかるが既に7月であり年末の日本ラブコメ大賞までのスケジュールを考慮してこれを買う。18時10分、350円。

幼なじみガール (芳文社コミックス)

幼なじみガール (芳文社コミックス)

 新浦安駅に戻って八丁堀駅でメトロ日比谷線に乗り換えて秋葉原へ。薄着の女たちが目に入って仕方がない。もう28歳になるくせにあっちの方は高校生から変わっとらんなあと思う。まずはBOOKOFF秋葉原駅前店。

 店の中は相変わらず人が多いから狭く感じるのか狭いから人が多く感じるのかわからない。俺と同じような体型の奴らがデーンと構えているのを何とかすり抜けながら本棚をなめるように見渡してここでも一つ二ついいのが見つかる。が、先ほどと同じく総合的に判断してこれを買う。19時49分、280円(20%割引)。
はかない! 1 (ヤングコミックコミックス)

はかない! 1 (ヤングコミックコミックス)

 慣例により次はとらのあなへ。

 一目散に成年向漫画フロアに行って見本誌をパラパラと読むも相変わらず「反ラブコメ」なものばかりで疲れる。今年の日本ラブコメ大賞成年部門も不安だ。まあ毎年何とかなってきたのだから今年も何とかなるだろう。20時13分、1000円。
らぶ・かん (TENMAコミックス)

らぶ・かん (TENMAコミックス)

 最後はメロンブックスへ。

 相変わらず狭い上にエロ漫画が溢れかえっている。とらのあなで大体何を買うか決めたのですぐにこちらを買い、ついでにコミケカタログも買う。20時37分、3450円(1050円・2400円)。
脱☆妹宣言 (ポプリコミックス 95)

脱☆妹宣言 (ポプリコミックス 95)

 今年は一応コミケに行くつもりだが、どうしても行くという感じではないか。他にやることはたんまりあるからね。
 それにしてもメロンブックスでもらったこのクリアフォルダー、どうするか。捨てるのももったいないしなあ。

千葉五番勝負(4)古本市場市川鬼高店

 4年越しの彼女と結婚するという同僚に「これでお前も給料配達人や」「人生の墓場に入って良かったね」とさんざん罵詈雑言を浴びせておまけに奢らせて上機嫌で家に帰って寝ようとしたが暑いというよりは湿気による不快度がかなりのものでなかなか寝つけず寝られず久しぶりに土曜日に会社に行かなくてもいいというのにいつもの時間に起きて9時過ぎに家を出ると爽やかな涼しい風に包まれた。俺のように会社のみならず一般社会や電子空間でもゴミ・糞・寄生虫扱いされている者にも自然は対等に接してくれるのだなあと感動して道行く女たちの薄着にため息をついた。若かろうが年増だろうが美人だろうがブサイクだろうがそれぞれが華やかに着飾って大変結構なことだが、俺には手の届かない世界なのだから目の前で展開されてもどうしようもない、というより目障りだ、大体何なのだその厚化粧はと毎度のごとく意味不明なことを考えながら図書館に着いて学習室で真面目に勉強をしていると俺の席の左隣に座っていた男は5分もしないうちに寝て、右隣に座った女は10分もしないうちに席を外して1時間後にどこかのデパートで買った買い物袋を持って戻ってきた。午後になって図書館を出て布団や洗濯物を干すために家に帰ったはいいが午前中晴れていた空は午後になってどんよりと曇っていた。だからと言って明日になれば晴れるのかというとそうでもないようなので仕方なく曇りの中途半端な天気の下で布団・洗濯機を干して、クリーニング屋に行って春もののスーツをクリーニングに出そうとすると俺の前にいたロシア人らしき夫婦(40代後半ぐらい)が受付の女に「アノ、タ、タミ、デ。ハンガー、デ、ナクッテ」「コーノ、カイスーケン、デ」と言っていた。家に帰る途中にある高く聳え立つ高級マンションの入り口から芸能人の誕生日パーティーにでも行くのかというようなスケスケのケバケバの女(23〜25歳くらい)が出てきて、その後ろを歩く男の方は明らかに極道関係とわかる雰囲気を醸し出していた。
 その後昼飯を食べて昨日読み終えたある本の「脱走と追跡の読書遍歴」用の文章を書くが、その本の作者は「俺はもてないもてない」と言いながら「でも、女の友達は結構いる」と書いていた。そうすると女にもてないどころか女の友達すらおらん俺はどうなるのだ、ああ腹立つなあと憤懣やるかたない思いを抱えながら外出したというわけで裏東京毒探偵シリーズとして千葉のどこかの大型古本屋に行くことにしましょう。まあ千葉と言ってもあくまで「裏東京」の延長戦なのだから東京の地下鉄やJRからすぐ移動できるような極力東京側に近いところに行くわけで、本日はメトロ東西線原木中山駅が目的地であり東西線に乗るため門前仲町駅まで歩くことにしよう。


 見て下さいこの天気。「今から雨を降らせるから覚悟しておけ」「今日も湿気を高くして不快指数を高くしてお前を苦しめてやろう」という声が聞こえてきそうな天気だ、嫌な感じだ。ああそう言えば嫌な感じで思い出したのだがブログをやっている人がすべからく非社交的でろくに人と話ができなくて女に相手にされないようなつまり俺のような人ではないのですね。むしろそのような人間がブログをやる事の方が珍しくて、ほとんどの人は社交性があってコミュニケーション能力があって女と対等に話せるわけで、そういう人たちの集まりに顔を出すとえらい事になるというのが最近わかったのですが、あれは嫌な感じであった。メトロ東西線門前仲町駅から原木中山駅、それから北へ15分ほど歩いて京葉道路を走る車を全てストップさせて横断して、県道283号線に出て左に曲がれば古本市場市川鬼高店であるが左側は歩道に木がたくさん並べられていて視界が悪く、右側にそれっぽい建物があったので右側へ歩き出す。



 はて「本」の字が逆さまになっているのはシャレのつもりだろうか。ここは本日のメイン会場である古本市場ではなくブックエーツー中山店であり、我が兵庫県糞田舎の明石にはこのブックエーツーのフランチャイズであるブックマーケットがあって俺も何回も利用したことがあるのでまあ無下にはしないが、入ってみるとブックオフ古本市場の劣化版みたいな雰囲気なので普段買わないようなものでも買ってお茶を濁すことにしよう。16時44分、210円。

 日本で唯一俺が認めているエロ漫画雑誌・「ポプリクラブ」2011年4月号であります。どうせどこかのDQNがコンビニで買ってすぐに売ったのだろう。
 それから283号線を西へ歩いて古本市場市川鬼高店。

 店に入ろうとすると骨と皮だけのような70過ぎであろう老人が出てきた。しかし俺もいつかはこうなるのだろうか…いや待てそんなに長く生きられるわけがないではないか…大体その歳になる頃には東海沖大地震が起きてもう…などと思いながら店内を見て回る。有線では「愛のために〜」「この恋は素敵なあなたに〜」と歌う声が耳に入ってきて、そんなことにうつつを抜かしているから政治を軽蔑して官僚がほくそ笑むのだ、あるいは俺が風俗に行くはめになるのだといつものように支離滅裂の末に買う。17時23分、300円。

かみせん。 2 (ドラゴンコミックスエイジ も 1-1-2)

かみせん。 2 (ドラゴンコミックスエイジ も 1-1-2)

 さてこの「裏東京毒探偵」の目的の第一は優れたラブコメを安価で買い、また世にどのようなラブコメが存在しているのかを調査することであるが、第二は知らない街を歩くことでちょっとした観光気分、非日常を体験することである。そのためできるだけ歩き回るべきなのであり、原木中山駅に戻らず更に北上してJR下総中山駅まで向かう。時刻は17時半過ぎ、土曜の夕方の家路を急ぐ人々の中に入って歩いていると俺のこの刺々しい精神も幾分和らぐというものだ。やはり俺にはこういう田舎がお似合いなのだとつくづく思うが、そうは言っても東京のど真ん中に住んで東京で働けと言われている以上はしょうがない。JR下総中山駅総武線であり、特に理由はないが新宿まで行くことにしよう。席が空いていたので座って、錦糸町駅でドッと人が入ってきて、俺の前に立ったのは40過ぎの声の渋いナイスミドル風の男と、20歳前後の女子大生らしき女であった。ナイスミドルは「そこに衝立があるだけで、その空間全体が非常に広がりを持ってね」「黒と白のデザインっていうのはこれだけ強烈なんだってことがね、わかってね、素晴らしかったね」と言い、女子大生は熱心に聞いているというより熱心にそのナイスミドルを見ていた。何だこいつら不倫しとるのか、こういうナイスミドルと若い女という組み合わせが28歳の独身男性としては一番腹立つのだ、そらナイスミドルにしてみればまだまだ若い奴には負けんぞほれ若い女も俺が喰ってやったわと意気揚々というところだろうが、ねえ、腹立ちますよねえこういうの。JR新宿駅で下りて、山手線で目白駅に移動してBOOKOFF目白駅前店。

 前にここに来たのは2009年5月でその時は2年後に生きているかどうか不安だったが花も嵐も乗り越えた俺は今日から2年後もきっと生きていることだろう。そして日本ラブコメ大賞は続けられるのだ、この勢いは大丈夫だと判断して勢いに任せて買う。19時11分、350円。
テツカレ (ASAHI COMICS ファンタジー)

テツカレ (ASAHI COMICS ファンタジー)

 店を出て目白駅に戻ろうとするとアメリカ人らしきグループ6〜7人が楽しそうに話していて、女二人が頬にキスをしたかと思えば今度は男女でまた頬にチュッチュッとやっていた。それを見ていた俺はでかい鼻クソが取れたと素直に喜んでいた。そのようにして今日も生きたのです。では皆さんまた来週お会いしましょう。

千葉五番勝負(3)BOOKOFF浦安駅北店

 「好漢、自重せよ」と言われたのでブックオフその他に嬉々として行ってその道中で目に入る大都市東京の醜悪な姿を極めて皮相的にいやらしく観察しては悦に入る行動は控えようとして去年の秋頃からこの「裏東京毒探偵」は月一回ペースになったが、諸君御高承の通りその代わりとして「政局好色」「脱走と追跡の読書遍歴」が当ブログのメインとなりつつあって、「裏東京毒探偵」ならば昼頃家を出て夜帰ってきて1〜2時間ほど被害妄想と彼女がいる者への妬みとこんな文章書ける俺ってすごいという驕りを放出すれば楽に書けるが他の2つはそうはいかないのでただでさえ仕事や付き合いで侵食されがちの休日が更に窮屈なものになってしまった。また仕事の方は年を経るごとにきつくなってきて、平社員の安月給なんだから気楽に適当にやればいいものを田舎者の真面目な気性のせいでわけのわからぬ仕事をわけのわからぬままに押しつけられ、俺より給料は高いが金持ち家庭に育った坊ちゃん気質の先輩と資格を持っているだけで対人コミュニケーション能力はゼロに近い後輩に挟まれて青息吐息状態である。おかげで風邪を引き、鎮まりかけていた花粉症が再燃し、血圧は上がり、肩凝りがひどくなり、会社の女たちからは白い目で見られ、体重は増え、池袋の風俗で俺と体重が同じであろう女がやってきた。1・2・3月と1ヶ月に1回のペースでブックオフその他に行ってラブコメの尻を追い掛け回していたがここで休みを取ろうか、「自粛」「地震の影響を鑑みて」等いくらでも言い訳ができる今こそチャンスであると企んだが、そんな事でどうするお前はラブコメさえあれば命などいらんと言ったはずだそしてそれは今も変わらない信念のはずだと言う声が聞こえて渋々どこかへ出掛けることにした(何かの病気のようだな)。
 4月は決算だの新年度準備だので一番忙しい時期で当然昨日は会社に出て働き、夜には上司先輩に「土曜だというのに会社に出て疲れているだろう。飯でも行こう」と言われ酒をついで更に疲れた。しかしこういう時こそ自分がサラリーマンとして頑張っていることを大いに実感するのだからやはり古い人間なのだろうねえ俺は。家に帰って風呂に入って「ラブプラス」をして(寧々に「彼女の誕生日って…忘れるものなの…はあ…」と言われてからはマメにやるようにしています)寝たのは3時頃であり起きたのは10時頃、すぐに近くの小学校に行って東京都知事選挙に投票して(各候補者に「ラブコメ政治耳鳴全日記」をどう思うかアンケートした結果をもとに投票した)家に戻って布団を干して掃除をしてトイレ掃除をしてクリーニング屋に行って12時〜14時に指定していた佐川急便からの荷物が12時10分に届いた(アダルトアニメDVDです)ので13時頃家を出るが、ちょっと待てもう13時なのか。休日もあと数時間ではないか、何が「時間は平等」だ道を歩けば男が女に首輪をつけて引っ張ってあいつらには性奴隷にした女を思う存分いたぶりねぶる時間があるが俺にはないんだぞこの野郎と罵詈雑言を浴びせながらメトロ丸の内線銀座駅まで歩いて節電のためかいつもより暗い感じがして心和むのであった。いつもこんな感じでええやないか、化粧品やらファッション何とかの広告やらをデカデカと毒々しい光で見せてどうするんだ、そんな事を言うから彼女ができないんだうるさ(以下略)。

 メトロ丸の内線銀座駅新宿駅・JR新宿駅中野駅。トイレに入って下痢の大便をかまして(いつも下痢しているようですが、そんなことはありません。たまたま昨日コーラとサイダーを飲み過ぎただけです。計10杯ぐらい)中野駅の改札を出ると満開の桜が目に飛び込んできた。

 素晴らしい桜の後ろには「麻雀」「武富士」「ビデオ鑑賞」といった看板が見える。ぬわはははは、これでいいのです、この混沌とした猥雑な風景が日本という国の姿なのです我々は好むと好まざるに関わらずこういう国の住人なのですと納得してまだ昼飯を食っていないので「松屋」で大盛カレーを食べようとドンキホーテの前を通るとヤンキーカップルの女の方が「お腹空いた〜」と言って男も「腹減ったなあ」と言い、彼女いない歴28年の俺はこのような会話を聞いただけで怒髪天を突くような怒りに襲われるのであってどうだかわいそうだろう(何が言いたいんだお前は)。というわけでまんだらけ中野店。今年初めての訪問であります。

 言っておくが、もうここの写真はこれで最後だからな。今年中にあと2〜3回はここに来るだろうがこれが最後だ、大体君たちは甘え過ぎなんだ(意味不明)。というわけで肩凝りは一向に良くならんし適当に買うことにしよう。15時11分、525円。

彼女はソレを我慢できない (GAコミックス)

彼女はソレを我慢できない (GAコミックス)

 目的を果たしたらさっさと帰ろう。というかもう15時かいな。貴重な休日が奪われていくなあ…と中野駅に戻ってメトロ東西線に乗って千葉方面へ行こう。向かうは液状化の被害からいまだ回復していない街・浦安市であって、そんなところに行くのはどうかと少し気が引けるが前々から計画していたことだし過度に自粛してどうするのだ俺は浦安市に行って浦安市にある店に金を払いにいくのだ経済活動をするために行くのだそれが悪いはずがないと使命に燃え、眠気も去って本を開いてすぐに寝る。中野駅から一気に浦安駅まで。途中九段下駅大手町駅でやたらと人が乗ってきて、俺の前に立っている20代OL3人たちの話声が夢から醒めた俺の耳に聞こえる。
「だからすごい厳しいんだよ。何時までに帰らないといけないとか、決まってるらしいよ」
「えー、でも、仕事の時も?」
「うん。言ってたもん」
「確かにね、アッコのところはちょっと変だよ」
「ねえー」
「それでタニムラさんとかセキグチさんに怒ってたもんね」
「タニムラさんって関係あるの?」
「ほら、セキグチさんには話しにくいからでしょ。アッコが」
 浦安駅で下りて北口を歩くとすぐに目的のBOOKOFF浦安北店は見つかる。道路を挟んだ反対側からこのブックオフへ行こうとするも横断歩道には交差点がなく結構広い道路で車がひっきりなしに通っていてなかなか渡れなかった。危ないなあ。

 時刻は16時半頃で、月〜土曜日の疲れがようやく取れてきた感じがして元気が出てくる。やはりまんだらけブックオフに行くのが一番のリフレッシュですな。やはりこの裏東京毒探偵シリーズというのは俺にとって大変よいものなのだなあとしみじみ思っていかん早く見つけんかい早く家に帰らな休日が終わってしまうがなと本棚を穴の空くほど見つめるも品揃えが中途半端な感じなのでたまには非ラブコメ本を買うことにしよう。16時49分、105円。 ちなみにこれは戦前のサラリーマン小説で、一時期探したことがあるものなんです。いやー、こんな千葉の何の変哲も無いブックオフで105円で買えるとは思いませんでしたね。長いこと生きているとこういうことがあるんですねというわけで本日はここまで。たぶん来週も生きているでしょうからまた来週。

千葉五番勝負(2)BOOKOFF本八幡駅前店

「皆さんこんにちは、今週もラブコメ政治耳鳴全日記の時間がやってまいりました」
「…こんにちは」
「本日は月に一度のお楽しみ、裏東京毒探偵突撃古本屋の千葉五番勝負の第2回目でありますが、毎度毎度小汚い田舎者の愚痴と被害妄想に付き合わされてはたまらないという皆さんの声に応えまして、今回は当ブログでも度々登場しております『土曜日の女』さんに御足労願ったわけであります。どうぞ宜しくお願いします」
「ええ、まあ、はい」
「しかし何ですね、あなただいぶ太りましたね」
「は?」
「いや何でもありません。まずはこの裏東京毒探偵突撃古本屋シリーズはどういうことをしているかご存知ですか」
「知りません」
「やる気あんのか」
「何ですか?」
「いえいえ、何でもありません。まあ今回はこのような全くの素人にもですね、俺が何をしているのかわかるように土曜日の女さんをお呼びしたわけでして」
「はあ」
「ほら、NHKのドキュメンタリーとかで、たまにわけのわからんタレントとか女優とかが案内人になったり劇中ドラマをやって素人にわかりやすく見せたりするでしょう」
「はい」
「俺はああいうのを見るたびに腹が立つというか、素人にわかりやすくするのはええけどそのせいで浅すぎるというか、深いところまで突っ込まんし大体そんなことはとうに知っとるわいもっと深いところまで掘り下げんかいと思うんですね」
「…」
「というわけで今日も千葉のどこかに行くわけですが、まずはJR越中島駅から京葉線新浦安駅、それから武蔵野線に乗り換えて西船橋駅、更に総武線に乗り換えて本八幡駅に着いてBOOKOFF本八幡駅前店です。


 ではここまでで聞きたいことがあれば」
「えーと、そうですね。あの、電車に乗って千葉に行って…ブックオフに行くんですか」
「はい」
「近くのブックオフじゃ駄目なんですか?」
「はい、それはもう、基本的に今まで行ったことのないところに行きます」
「どうして」
「ものにした女にもう興味はないからね」
「はい?」
「いや、やっぱり休日はどこかに出かけたいわけなんですが、どこに行くのかって考えるのも面倒臭いので、じゃあブックオフ古本市場に行こうとなるわけです。で、出かける以上はですね、今まで行ったことのない駅で下りた方がいいかなと」
「なるほど」
「女房と畳は新しい方が良いですね。まして30歳を過ぎた女など」
「あなた、さっきからちょくちょく気に障ること言いますね」
「はあ。それにしても貧乳ですねいや違います違います買ったのはこちらです。14時54分に350円で買いました。

夏の前日 1 (アフタヌーンKC)

夏の前日 1 (アフタヌーンKC)

 まあ読むのはこれからなんで、感想とかは年末の日本ラブコメ大賞で言います。それ以外で何かありますか」
「こういうのを買う時は、事前に調べて何を買うか決めているわけですか」
「いえ、大体ぶっつけ本番です。パラパラとめくって読めば大抵のことはわかります。表紙や背表紙を見ただけで内容が予想ついたりもします」
「内容の何が、買うか買わないかの基準になるんですか」
「それはもう、モテない男の願望をちゃんと満たしているかどうかですね。それと主人公はモテないわけですから平凡な男でなければなりません。平凡で、ブサイクだったり、勉強スポーツまるで駄目だったり、うだつの上がらないサラリーマンだったりね」
「ということは女が主人公だったりするのは…」
「ああ、もう、論外ですね。そんなもんはゴミですね。そんなもん読む人の気が知れませんね。男の俺が何で女主人公の話を読まんといかんのだと、俺はそんなに暇ではないのだと腹が立って仕方がないですね。そうでしょう」
「いや、あの、私は女ですので」
「そのわりにはペッタンコな胸やえーとですねこれからがまた長いんですが、まずJR本八幡駅から京成線の八幡駅まで離れているので結構歩きました」

「京成線?帰らないんですか?」
「はい、これから京成線八幡駅から金町駅まで行きまして、それからJRに乗り換えて綾瀬駅に行ってBOOKOFF綾瀬駅前店に行きます。東京の足立区です」
「綾瀬ですか。千葉じゃないんですか?」
「いや、千葉はこれで終わりです。これからが俺のゴールデンタイムです」
「…」
「外出してブックオフ等に行く時は、2店舗行かなければなりません。一つの店だけ行って帰るなどという味気ないことをする俺ではありません。これを『二鷹体制』と呼んでいます。そうすることで楽しみは2倍どころか3倍、4倍になるのです」
「はあ。でも何で綾瀬なんですか?」
「まあできるだけ遠いところに行った方がですね、移動している感じがするというか、休日をダイナミックに過ごしている感じがして面白いですし、綾瀬のブックオフは品揃えがいいので」
「前々から綾瀬に行くつもりだったんですか」
「いや、そこはわざと考えないようにしてます。鞄の中に常に東京路線図が入ってますんで、本八幡駅前店を出て、さあどうしようと思ってとりあえず松屋に入ってカレーの大盛りを食べながら考えて、そこそこ遠いし品揃えも良かったはずなので行こうと思いましてね。どうです、男のロマンでしょう」
「さっぱりわかりません」
「前に五反田の風俗嬢にこの話をした時もそう言われたな」
「風俗嬢と一緒にしないで下さい」
「ああすいません、貧乳のくせに太ってりゃ世話ないですわないや痛い痛い痛いです、というわけでBOOKOFF綾瀬駅前店です」

「何でいつも店の写真を撮るんですか」
「そこですよ」
「…」
「こんなことをして何の意味があるんですか」
「…だったらやめれば」
「やめたらやめたで変でしょう」
「そうですか?」
「男の踏ん張るところだ」
「は?」
「というわけでこちらを16時20分に300円で買いました。
団地妻さんのしあわせ (ヤングコミックコミックス)

団地妻さんのしあわせ (ヤングコミックコミックス)

 さあ今日も無事に終わりましたよ。いやあ良かったですね」
「はあ」
「それではまた来週」
「あの」
「何ですか」
「出演料は」
「出るかそんなもん、ああ痛い痛い痛い、痛いっちゅうねん。わかりましたわかりました、じゃあこちらをどうぞ」
「何ですか、これ」
「来月の『永神秋門攻防戦』にも登場できる権利券です」
「…」